≪クロード・テラスの家族・ボナール≫
「?」
(LINE)遅くないか?
「あれ、電話してみようか」
(電話)はい。
(電話)今、どこ?
(電話)会社。昨日この時間になるって言ったじゃん。あと10分ぐらいでおわるから
(電話)あゝごめん、ごめん。
「ん?、もう2時間過ぎてる。LINEだけしておくか…」
(LINE)どうかした?
「もう…」
「ただいま」
「おかえり」
「昨日、言ったじゃん」
「それが、2時間も遅れるわけ?」
「あれからいろいろあったの!」
「あと10分って聞いたあとだから、その後にでも帰ってくるかと思ってた。でも、1時間たっても、連絡ないし、こっちは「仕事中なんだな」と思った。だから、あとは電話入れるのはよしておこうと思ったよ。でも、二時間過ぎても来ないから、LINEだけで「どうかした?」だけ、入れておいたのに「昨日、言ったじゃん」だけがきみの説明?」
「思いのほか、手間取ったの」
「じゃーさ、まず、順を追ってそこから言わないとさ、そのほかにボクに言うことないか?」
「ごめん…」
「ボクはそれが欲しかった。なんでボクだけ先に「ごめん、ごめん」言った切りなんだって、正直、ムカムカした。まだ子供同士なんだよ、ボクらは。それだけで済まされないことだってあるんじゃないか?」
「ごめん、その後にちゃんと理由も言わないとイケなかった。」
「手間取ったんだね。おつかれさま。心配したよ。シャワー浴びたら?」
「うん…」
「マイナンバーカードの申請書が届いたわ」
「証明写真とか役所に提出してから一ヵ月かかったね」
「そこでまた役所に行って、今度はパスワードとかいろいろ登録するんだって」
「パスワード?。あゝそれでいろいろとトラブルがあったね」
「忘れないようにしないと」
「給付金とかがあった場合、銀行とかにも紐づけするようになるんだよね?」
「まだ決まってないけど…」
「情報漏れたら大変だからさ、責任の所在はっきりしようよ」
「どうやって?」
「郵便局の暗証番号と一緒でいいんじゃないか」
「なんで!」
「情報が漏れて悪用されたら、どこ経由かわかるじゃん」
「で、いいの?」
「知らない。被害が最小限にとは思ってる。下手にネットに使ってる暗唱番号にしたりさ、忘れたり、そういったことで自己責任で押し付けられたらいやじゃん。いずれ金融機関と紐づけするんなら、悪用された場合のことも考えておかないと」
「総務省からのマイナポイント、わたしのスマホからじゃ出来なかった」
「コンビニからもできるようだ」
「できた」
「一回目は苦戦したなー意味がぜんぜんわかんなかった」
「騙されないようにしておかないとね。おつかれさま」
「本屋さんに寄ってくる」
「いってらっしゃい」
」
≪人物のいる静物・ボナール≫
『リモート・ボナール』画家とモデル