わが家のテレビは古いので、たまにしか映らない。
今日は食事時、運良く映った。亡くなって4年の「島倉千代子」を特集していた。
流れる歌を聞いていると、記憶に訴えるものがあり、多くの曲にジ~ンときた。
ラジオしかない子どもの頃、弟は島倉千代子の歌が聞こえてくると家に飛んで帰ったと、
よく母が言っていた。私は、美空ひばり派だったらしい。
時代物で若衆姿のひばりの映画をよく見にいった。それで、ひばり派になったのだろう。
美空ひばりは今でも好きなほうだが、涙がにじむような受け止め方はしてこなかった。
それが、今日は、島倉の幾つもの曲で、涙腺が緩むのに気がついた。
番組の中で、島倉の歌を他人だけでなく、本人も「泣き節」と言っていた。
あの歌い方は、意識的にされていたのかも知れない。
父は、島倉の歌が好みではなかった。
弱々しいような、頼りなげな声が好きになれなかったようだ。
好みの対象は、父とは必ずしも一致しなかったが、いくつかの嗜好では一致した。
今風のお笑いに対して、下卑てると嫌って、特に秋刀魚、武、タモリなどは嫌いだった。
私もこの点では一致し、毛嫌いしているので、甘辛両刀使いと同じく、血を受け継いだ。