近年「男の娘モノ」が増えたとはいえ、ここまでの「強者」は、さすがに日本でも皆無なのではないか。
男性であることを隠してフランス版のミスコンに、女装をして出場。あれよあれよという間に勝ち進んでいった、その男‥‥アレクサンドル・ヴェテール。
‥これだけ聴くと安っぽいコメディのごとくだが、いたって真剣。作り手も役者も皆、ガチ! です。
劇中では、水着やらハイレグのような衣装も審査の一環でまとっているのだから、凄いという言葉以外ありません。
彼の本当の年齢はたしか30代前半のはずだけれど、「変身後」は20代女性と言われても違和感なく‥。
「夢」を諦めなければ、彼みたいに人生を変えられるかも? ‥って、ここで「変わる」とか、そういうことを熱く語っているとまた別の意味で捉われそうなので、映画の話題はこの辺でw
ジェンダーを超えた魅力アレクサンドル・ヴェテール、僕の夢は、ミス・フランス/映画『MISS ミス・フランスになりたい!』予告編
まぁ一般的なTSF、性転換作品の多くは大抵男女入れ替わりや他者変身を指します。
先日、筆者が観たのは入れ替わりは入れ替わりでも結婚式当日に、父と娘がチェンジしてしまう、やや特殊系。
おかげで冒頭の一部シーンを除き、TS対象者が終始「ウェディングドレス姿」だったという‥。
これはこれで貴重でしたけど、肝心の入れ替わり「ドラマ」の部分はどうだったのか、今回、少し触れてみようと思います。
希少な食事シーンも!?
(C)人生Switch〜サイコーなパパとムスメ〜 椿りか
最序盤の掛け合いはコントみたく、と言ったら失礼ですがw、でもわりと丁寧な作り込みで父と娘の「素」の姿を見せるパート。
明らかに「その後」の伏線となるであろう両者の癖だったり習慣も、そこで。
演技はともかく(?)以降の展開に期待を抱かせてくれる、プロローグではありましたね。
一頻り父娘の人物像を知らせたあとで、いよいよ迎えた結婚式当日‥。
ここからは非常にスピーディ。某仕掛けによって入れ替わったあと、「戸惑い」描写もそこそこに、即一人Hへ(笑)
ただその「戸惑い」箇所に、異性のカラダになって初めて用を足す+味覚の変化+メイク(直し)シーンが、駆け足で盛り込まれており、一応「入れ替わり」作品としての気骨は感じさせてくれます(笑)
一人Hは定番、鏡を用いたものw
シチュエーションが「父娘」なだけに、当初はどうかと思いましたが、娘が「亡くなった母親」に似ているという設定で、まぁ全くない演出でもなかったのかなと。
中盤以降の流れが「↓」。二股疑惑のあった花婿もキャストの中に入っていたのに、彼またはその立場を活かすこともなく、シンプルに父娘間で×2。
プレイ自体は元のカラダに戻るための「大義名分」があったとはいえ、少し安易に行き過ぎてしまった感も。
強いていえば「場所」が変わっており、2回目は結婚式場にて、です。‥この手なマニアの方なら良いかもしれませんがw
したがって女優ではなく、あくまで「入れ替わり」に主眼を置くなら、後半は退屈な展開となったのは否めず‥。
題材的に父娘間であるのは当然としても、内容(行為)もほとんど同じなので、2回もいらなかったというのが本音です。
役者陣は比較的よかった方。口調が独特な女優さんでしたけれど、チェンジ後もちゃんと変化を見せて♂演技、がんばってましたw
終章近くの、ドレス姿で夜の街を駆けるシーンは、さながらあの【101回目のプロポーズ】のごとく? けっこうドラマチックに??
‥あきません、ネタがだいぶ古いですね(苦笑)
《俺評価》★★★☆☆