
ここはね、病院から十五分ほど離れた場所にあるオシャレなレストランから見える景色だよ~
病院の付き添いに少し本を読む時間もあるだろうと思い、病院に向かう前に本屋さんに寄って、一冊の本が目にとまって、買ってから行ったんよ

『がん哲学外来の話』って本で、帯に「がんになっても、がんでは死なない・・・殺到した患者と家族が笑顔を取り戻す~」とか書いてあったので、買ってきたんだけどね

まだ、途中までしか読んでないから、詳しくは分からないけど、ガンの病理学者である作者が、がん患者や家族が最も、ほしいと願っている病気のことについての話を聞いてくれる場所を作ることが必要でないかと、がん哲学外来というのを作られた話のようだわ
この本の中でね、
・・・病理学者には暇があります。暇といっても、やることがなくて時間をもて余しているわけではありません。外来でたくさんの患者さんを診る臨床医と違い、病理学的な自分のペースで時間を配分できるのです。
国際連盟の事務次官を勤めたことでも知られる新渡戸稲造は、「大人物は田舎からしか出ない」といいました。忙しくて落ち着きのない都会人に比べ、暇で見るものもあまりない田舎の人物は物事をじっくり考えるからだそうです。今は地方の生活も都会と変わらずに忙しくなっていますが、「暇であること」はすべての原点だと思っています~
本からの抜粋。。。

田舎ののどかな風景を見ていると、この本の一節を思い出し、なるほどな、、、なんて、まさちゃん、思ったよ
人間、忙しいけど、ふと振り返る時間って、大事なんだよね
病院からの帰り道、これもまた、いいお天気で、まさちゃんのふるさとを通り過ぎるのも、もったいなくて、いつもの懐かしい風景に足と止めて眺めてきたよ

この風景、いつも、まさちゃんをあたたかく迎えて待っててくれるんだよね~

宮津湾、まさちゃんが小さいころから、こんな大きな船がいつもよくとまってたよ~

まさちゃんのお母ちゃんね、お陰様で、少しずつ良くなってきてくれてるんだけどね、たくさんの悪いところとってもらったから、少し顔は変わってしまたんよ~
でも、すごく立派な腕をもってらっしゃる先生に手術をしてもらったので、まだまだ女性として、顔は一番大事にしたいだろうと、最善の手術をしたもらえたんだけどね・・・
ちょっと変わっちゃったお母ちゃんの顔は、頑張った勲章がいっぱい、くっついてるわ


痛い、辛い思いをした分、少しでもこれから楽しい時間を過ごしてほしいな


まさちゃんが、帰り道、宮津に寄ってこの風景を写真に撮ってたころ、交代に来てくれてた兄貴から、メールが送られてきた
「今、海に来ています~」とってもキレイな海をバッグにお母ちゃんが車椅子に乗って、お姉さんと写ってる写真も一緒にね

病院から、そんなに遠くはないけど、まさちゃんが病院を出るときにお母ちゃんが車椅子に乗って見送ってくれてから、そのまま海まで、散歩に連れてってくれたらしい。。。

そしたらね、散歩に出かけたお母ちゃん、病院に帰るのが一時間ほどあとになって、海まで行ったことが看護婦さんの間に瞬く間に広がって、先生の耳にも入り、そんなときは外出届けを出すように、忠告されたんだって

まさちゃんもね、その話を聞いたとき、「もう、そりゃ、そうだわ、病院だって責任あるもんなぁ、、、、」って思ったけど、お母ちゃんにしたら、一ヶ月ぶりに外のきれいな景色見れて、青い真っ青な海を見れて、きっと幸せな時間を過ごしたに違いないな・・・って、思えたよ

このこと、帰って来て、うちのパパさんに言ったらね

まさちゃんが、「へ~、そう?」って聞いたらね

さぁ、明日から、まさちゃんもまたガンバです

みんなも、笑顔でガンバだよ~
来てくれて、ほんとにありがとうね

























