半世紀を彷徨う

自分の心理状態や日々の出来事から趣味の事まで幅広く。

またこの日がやって来た。3月11日

2016-03-10 19:45:59 | 日記
震度5以上の地震が起きたら?そこまででかい地震が来たらどうしようもないだろう。
あの日が来るまでは周囲もおれたちもそんな漠然とした基準を持っていた。

現に住宅やビルの耐震基準は今でもそんなレベルだ。
結局震度7まで耐えられるような建物は、コストがかかりすぎて実現できないから。
ある一定以上の耐久性を持たせる事は無駄になることもあるからだ。

原子力発電所もそういうレベルで構築されていたことだろう。
今でこそ新基準に対応した原発だけが再稼働を許可されている。
結局現代人はあの東日本大震災という自然災害を受け多大な犠牲を出して初めて、
本当の地震の恐ろしさを知った。地震大国と言うわりにはね。

被災地の海岸では防潮堤を造り直している。あの地震で色々学んだ事を生かして。
金がかかりすぎだとか、景観が損なわれるとか言う人もいる。
少しずつでもいいから造ったらいいじゃないか。少しでも安心できるなら。

おれたちは被災者の気持ちがあたかも分かったかのような気持ちになっている。
そのせいだと思われても仕方がないが、被災した建物を残そうという意見もあるけど、
おれは壊した方がいいと思うな。それ見てあの日の悲しみが昨日の事のように浮かんだらと思うと。

家族を連れ去っていったあの津波がえぐっていった被災者の心。
おれには想像もできない。

5年経って定点カメラの画像では、かさ上げが終わった程度にしか見えない。
高速道路は3日で直ったのに、被災地の生活はまだまだ先が見えない。

明日、あの時間に黙とうしよう。
被災地復興のために税金払おう。しょせんその程度しかできない。