国内有数の製油所 生産を再開 NHKニュース
東北関東大震災のあと操業を停止し、設備の点検を行っていた、横浜市にある国内有数の製油所が10日ぶりに生産を再開し、業界団体では、深刻になっている被災地や、首都圏のガソリンなどの燃料不足の緩和につながっていくことが期待されるとしています。
操業を再開したのは、石油元売り最大手のJX日鉱日石エネルギーの横浜市にある根岸製油所です。この製油所は1日に27万バレルの原油を精製する能力がある国内有数の製油所ですが、今月11日に起きた東北関東大震災のあと操業を停止し、設備の点検作業を行っていました。会社側によりますと、設備に大きな被害がないことが確認されたということで、21日から、関東地方や東北地方向けのガソリンや軽油などの生産を再開しました。一方、JXが宮城県内に持っている仙台製油所は、大震災のあと生産活動を停止していますが、地震の前に生産し、タンクの中に残っている、それぞれ1万キロリットルのガソリンや灯油、それに軽油などの出荷も21日から再開しました。JX日鉱日石エネルギーの木村康社長は「ほかの石油元売り会社も製油所の操業や出荷を再開している。少しずつ状況はよくなっているので、極力早く、従来のような安定的な供給態勢にしていきたい」と話していました。石油元売り各社では、燃料不足が深刻になっている東北地方向けの輸送拠点の操業を再開したり、輸送するタンクローリーの数を増やしたりすることで、被災地向けの輸送能力の強化を図っています。国内有数の製油所の操業が21日から再開されたことで、業界団体では、深刻になっている被災地や、首都圏のガソリンなどの燃料不足の緩和につながっていくことが期待されるとしています。