2024年11月2日、映画八犬伝を見てきました。
大雨の予報で探索も厳しそうでしたので、映画を見ようと思ったのです。
しかし梅田も難波もチケット完売!!( ゚Д゚)
ちょっと周辺部の映画館に行くことになりました。
映画についてはこちらを参照して下さい。
映画『八犬伝』公式サイト|2024年10月25日劇場公開
世界に誇る日本ファンタジーの原点。【虚】と【実】が交錯する前代未聞のエンターテイメント超大作!出演:役所広司、内野聖陽、土屋太鳳、渡邊圭祐、寺島しのぶ/監督・脚...
映画『八犬伝』公式サイト -
内容については、虚の世界から入り、馬琴翁が八犬伝世界のあらすじを相方である葛飾北斎に語る、というものです。
その繰返しで虚の世界である八犬伝の話が進み、発端、八犬士探索、八犬士集合、関東大戦ならぬ関東管領扇谷定正と戦い、玉梓の呪いを解く、というものです。
実の世界では、馬琴翁は時々訪れる葛飾北斎相手に物語の構想を語り、感想を聞く。
北斎は時々、物語にインスピ―レーションを得て、絵を描き、馬琴翁に見せたりをして、逆に馬琴翁に刺激を与えたりします。でも絵は渡さず、破ったり、鼻をかんだりしてずっと預けたりはしません。北斎の婿に当たる柳川重信が八犬伝の挿絵を描いているからです。あ、重信さんは映画には出ません。
馬琴翁の息子の鎮五郎(しずごろう)こと宗伯さんは医師になるため奮闘中ですが、身体が弱く、厳しい父とうるさい母に挟まれて、少し可哀そう。
毛利家大名家から八犬伝を読んだ身分の高い方からの招待も断って、馬琴翁はひたすら著作に励みます。
時には葛飾北斎と歌舞伎を見物に行き、東海道四谷怪談を見て、またその作者である鶴屋南北と話します。
そして息子宗伯さんに期待を掛けるのですが……
晩年には眼も見えなくなる中、意外な協力者を得て作品を完成させるのです。
さて映画の感想ですが、実の世界、こちらはほとんど文句がありません。
やはり馬琴翁を演じる役者としての円熟の境地にある役所広司さん、北斎を演じる内野聖陽さんの演技は素晴らしく、本当にこんな感じであったと思わせるものがありました。
怖くてきつい女房のお百も寺島しのぶさんが怪演(笑)、本当に嫌になります。
息子宗伯の画の友達である渡辺崋山が、途中から北斎の代わりに八犬伝のストーリーを聞きます。まさかここで田原藩蘭学の俊才、渡辺崋山が出て来るとは思いませんでした。江戸は広い様で狭いのです。
また宗伯の奥さん、お路の貢献も忘れる訳にはいかないのです。漢字も満足に知らないお路が……おっとネタバレになってしまいますね。
しかし虚の世界……私はこちらには大いに不満があります。
八犬伝の物語は長く、登場人物も多く、映画化すれば「削る」のも仕方がありませんし、それは理解できます。
でも物語の改変はいかがなものでしょうか。思い出すまま書いてみます。ネタバレですので、読みたくない人はお戻り下さい。
結城合戦がなく、安房入国話がありません。老臣杉倉さん、堀内さんも出てきません。
山下定包がいません( ;∀;)
里見義実は滝田の城に居を構えており、安西景連に攻め込まれて籠城戦をするところから始まっています。
玉梓は安西の妾でした。
里見義実の妻、五十子さんも出番なし。
金碗孝吉、孝徳親子はそろって里見家重臣です。
孝徳は鎌倉へ赴くことなく、里見義実と一緒に、伏姫と八房を追い掛けます。
如是畜生発菩提心は出てきませんが、八房はお経を聞く間もなくおとなしくなっていました(笑)
役行者も神童もいません。
結城合戦もないので、信乃がいきなり登場。女装話もなし(笑)
何と亀篠がいません!しかし代わりに船虫(ふなむし)が蟇六の後妻となっていました(-_-;)
浜路口説きはほんの数秒、しかも昼間(笑)
犬山道節は浜路と縁がありません。
犬川壮助は陣代と戦わず、従って磔場に立ちません。
犬飼源八が牢屋に入っていた説明がなし。だったら初めから行きなさい(笑)
古那屋はなく、犬田屋でした(笑)房八、ぬい、色っぽい尼さんの妙心尼は略、従って親兵衛もここにはいません。
荒芽山怪談はなく、道節は親の仇である扇谷定正を倒すべく奪った村雨を献上して近づきます。
その場では定正を切れず宴会に招待されますが、対牛楼の宴会っぽくなり、予想通り踊り子集団が現れます。
踊り子の犬坂毛野ちゃん登場、仇の相手が扇谷定正に変更されていました。
玉梓が実体を持って復活しており、扇谷定正の愛妾として悪巧みをします。道節と毛野が危機一髪。
そこへ信乃、壮助、源八、小文吾乱入、六犬士勢ぞろい。
一方旅の僧、ヽ大法師はどこかの山で道に迷い、宿を求めた家で化け猫に襲われます。その後妻は船虫でこれは正解。
化け猫に殺されそうになったところを犬村大角に助けられ、化け猫を成敗。雛衣ちゃんも出てこず(笑)
な、何でヽ大法師?
七犬士が揃ってヽ大法師は里見家に帰ります。ここでは里見義実が出てきますが、息子の義成っぽい人が横にいるだけでした。
感動の再開中に馬に乗った男が乱入、親兵衛くんでした。
大鷲にさらわれた里見家五の姫を探していた家臣が捨て子(!)の親兵衛を拾い、ここまで届けに来たのでした。
ちなみに五の姫は浜路であり、浜路は生きていたという設定でしたのです。
結城法要はなし、山賊の王の蟇田素藤、妙椿尼も出ず、これは残念。
親兵衛の京都出張はなく、遂に関東大戦勃発。糸を引くのは扇谷定正と彼に憑依した玉梓。
八犬士は戦わず(!)、扇谷定正の本城に忍び込み、決戦が始まります。
犬士は数人死亡するも(ええーっ!!)、宝刀村雨を持った信乃が八つの珠をかざして怨霊退散。
晴れ上がった空の下、伏姫が幽体で登場、死んだ犬士を復活させるのでした。
以上の様に虚の世界、大分話が変わっていました。改変し過ぎではありませんか?
後、役者さんには申し訳ないのですが、役所さん、内野さんの実の世界組と虚の世界組の演技レベルが違い過ぎるのですよ。
私は非常に不満でした。
書き終えた馬琴翁が昇天する時、八犬士が現れ、楽しそうに取り囲みます。
そこでジ・エンド。この終わり方は意外と好きです。フランダースの犬っぽいですけれど。
お土産の八犬伝手ぬぐい。
八犬伝ノート。読み本仕様で思わず買ってしまいました。
ノートの中。上には玉、下は北斎の波涛図です。
大切に使おうっと(笑)
尚パンフレットは売切れでしたのよ。
感想というかあらすじでした。でわ。