Let's la 盆踊り。
by |2008-08-12 23:54:19|
毎年恒例のお盆がやってきました。
職業柄避けては通れないトピックということもあり、ベタではありますが今年も関連ネタでいきたいと思います。
さて、お盆と言えばお墓参りや迎え火・送り火などもそうですが、
幼い頃から馴染み深いのは、何と言っても盆踊り。
「盆」踊りというのにどうして皆お盆を持って、ドジョウ掬いよろしくコミカルに踊り狂ったりしないのだろうと、子供の頃は不思議に思っていました。
昨年もこの日記に書きましたが、お盆の「盆」というのは「盂蘭盆会」の通称なんですね。
サンスクリット語の「ウラバンナ」から派生したこともあって仏教行事ということにはなっているものの、
祖霊(祖先の霊。神道で用いられることが多い語)を呼び戻し交感するという世界観は、縄文時代からつづく汎神論的・アニミズム的な民間信仰に端緒があるようです。
死者の霊は空や海、山という他界に留まり、やがて人格を失って祖霊となり、神となる。
我々の生きる世界と死者の住む他界とは、隔てられながらも時に往来ができる。
輪廻転生という概念がありながら死者の霊が帰ってくるというのは決して矛盾なんかではなく、
仏教という柔軟で寛容な教えが、世界各地で土着信仰と見事に融和していくなかで、たまたま極東の島国日本ではこのような形で受容されたというだけのことなのだと思います。
お盆の時期に死霊、祖霊を呼ぶ目印として迎え火を焚き、提灯を吊るす。
お墓もやはり、ご先祖様が帰ってくる際の目印となる。
もともと日本人が持っていた素朴な信仰を征服するほどに仏教は、暴力的でも独善的でもなかった。
絶対なるものなど存在しない。
同じ仏教国でも国によって様々なヴァリエーションがあるのも、仏教のもつ本来的なやさしさを示しているのかもしれません。
お墓の前で手を合わせる。
故人に思いを馳せ、ご先祖様に感謝する。
それは仏様への祈りであると同時に、森羅万象への祈りでもある。
世界をつくるすべてに対する祈り。
平和への祈り。
ここんとこ何とも殺伐とした空気が世を満たしています。
お墓の前で手を合わせる、そんなひと昔前には当たり前だったことが、そうではなくなってきている。
それとこれとは、別個の話?
僕にはそうは思えないのですが。
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