for the hippies...
by |2009-05-08 23:02:45|
検屍官と市役所は
君が死んだなんて言うのさ。
死はいつだって、粟立つ神経を容赦なく逆撫でて、全身の毛穴という毛穴から寒い空気を取り込むんだ。
受け容れ難い悲しみは救いもない痩せた時間のなかで
流感のように人を
発熱させる。
そうなる前のあなたをもっと
観察することができたはずだと
あなたに言葉を上手く投げてあなたが笑って
そんなことであなたの痕跡をいくらかでも深く
僕の脳裡に刻むことが出来ていたなら
少しは赦された眠りを
貪ることが出来ただろうか。
僕が生きてあなたが生きているあいだ
ほんの僅かな間隙みたいな時間を
大切に過ごすこと
あなたが死ぬって
あなたが今死ぬってあらかじめ教えてくれてたなら
僕はこんなじゃなくて僕はもっと
もっとだったのに。
どんな死もきっとそれは後悔でしかない。
死んだ魂にごめんなさいだとか有難うだとか
そんなことが僕たちのすべてだ。
あなたのお墓に向かって手を合わせ、僕は阿呆のように
今更遅い
伝え忘れていた気持ちを投げて
自己満足だって分かっていながらも
僕は阿呆のように救われたがっているんだ。
だからあなたが僕の記憶にしっかりと引っ掛かってくれていることに
ひどく僕は感謝してあなたを大切に思い
そして、僕の現在進行を取り囲む大切な人を大切な人として
臆病過ぎるくらい臆病な草食動物のように
繊細な羽虫が光に群れるように
優しく優しく、やさしく触れよう。
後悔することを、たとえ止められなかったとしても、
後悔することを、望まない僕の明日のために。
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