ポール・マッカトニー来日公演に行ってきました! ネタバレ注意。
by |2013-11-13 23:32:00|
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以前の日記にも記したように、昨日はサー・ポール・マッカートニー4度目の来日公演に足を運びました。
かねてからの期待に胸を膨らませ、妻とふたり京セラドームのアリーナ席へ。案内された席は思いの外ステージから遠く、こんなところからポールの勇姿を目視し得るのかと不安に駆られます。どのくらい遠いのか。その距離感をあえて説明するなら次のようになります。
1対1で迎えた9回裏ワンアウト3塁の場面、迎えるは8番バッター。打率は2割3分前後で長打力にも欠けるものの、ここぞという場面におけるしぶといバッティングには定評があり、そのうえバントも得意。敬遠して次のバッターに内野ゴロを打たせ、ダブルプレーで延長に持ち込むのが理想ですが、厳しい台所事情から守護神を何と6回から登板させている相手チームは、延長を嫌って9番ピッチャーに代打を送る可能性が高い。となればこの8番に打たせる他ありませんが、深めの外野フライでも打たれようものならタッチアップで3塁ランナーに生還され、サヨナラ負けを喫してしまう状況。必然外野の守備位置もかなり前のめりになります。スクイズを警戒して前進守備の内野を打球が抜けたとしても、打球の強さによっては3塁ランナーをベースに釘付けにすることも可能・・・・・。
カメラの持ち込みOKだったそうです。持っていけばよかった・・・・。望遠レンズは持ってないけど。
そんな状況におけるレフトの守備位置、それが僕達に与えられた場所でした。
ひと言で表すなら(結局繰り返しになりますが)「遠い」。
盛大な拍手に導かれるように現れたポールの姿はまるで米粒のようです。
ステージ脇に設置された巨大スクリーンがなければ、ライブアルバムを大音量で聞いているのとさほど変わりません。これでチケット1枚16,000円ってどうなんだろう。
ある程度覚悟はしていたものの、さすがにがっかりでした。しかも、ドームなので音自体もそのバランスも悪い。バスドラムやベースギターなどの低音域は音というよりただの振動に過ぎず、ポールのヴォーカルを前に出したいがためにコーラス用のマイク音量も抑えられ過ぎていて、たとえば'Paperback Writer'のようにコーラスが重要な曲などはちょっと厳しかったです。ドラムは基本スネアドラムの音しか聞こえないと言っても過言ではなく、ホーンセクションやパーカッション、コーラスが何人もいるようなビッグバンドならいざ知らず、ギター×2、ベース、ドラムス、キーボードという小編成でこのバランスの悪さはないなあと思いました。
とは言えレジェンドはやっぱりレジェンド。悪条件をものともしない素晴らしいステージを見せてくれました。
とにかく若い、若過ぎる。どこからどう見ても71歳には見えません。殆ど休むことなく、一滴の水すら飲むことのない怒涛のステージに、「きっとまた来てくれるな、この人」と安心しました。
さて、1曲目には'Drive My Car'を予想(希望ではありません)していましたが、実際にオープニング・ナンバーに選ばれたのは’Eight Days A Week’でした。ちょっと意外?
オリジナルに比べると若干スローテンポ。この曲に限らずビートルズ時代の曲はいずれもテンポが遅めだったように思います。
ちなみに当日のセット・リストです。赤字は予想(と言うか希望)が当たった曲。なかなか当たらないもんですね・・・。
1.Eight Days a Week 週に8日もあったらなかなかしんどいよね。月火水木金土日日、なら良いんだけど。
2.Save Us
3.All My Loving
4.Listen to What the Man Said
5.Let Me Roll It~Foxy Lady
6.Paperback Writer 当時のレコーディングに使用したというリッケンバッカーによる演奏。音が薄かった気がするもやっぱり名曲だった。この曲のB面は'Rain'だったんだー。
7.My Valentine
8.Nineteen Hundred and Eighty-Five
9.The Long and Winding Road 「東日本大震災の被災者に捧げます」とのコメント。オルガンの音が今っぽいよなあ。仕方ないけど。
10.Maybe I'm Amazed
11.I've Just Seen a Face
12.We Can Work It Out 凄い曲です。
13.Another Day
14.And I Love Her 良かった。「美味しいんだけどちょっと甘ったるくて胃もたれする曲」という印象が覆された。年齢を重ねて一層熟成されたヴォーカルに感動。
15.Blackbird 個人的には今回のライブで3本の指に入るくらい良かった。ホワイト・アルバムに収録されているポールの曲にはこの手の佳曲が多いと思う。
16.Here Today ジョンに捧げる曲。聞いたことありませんでしたが感動しました。もう少し歌詞が聞き取れれば・・・。
17.New 新曲。ビートルズみたい。
18.Queenie Eye
19.Lady Madonna オリジナルはちょっと小粋な雰囲気だが、今回の演奏は重厚でロックしていた。だからというわけでもないが良かった。
20.All Together Now
21.Lovely Rita 日本で初めて演奏するとのこと(昨日やったから2回目か、とボケもかましてくれた)。嬉しい。
22.Everybody Out There
23.Eleanor Rigby ストリングスの音がもっと聞こえればなお良かった。しかし名曲だなあ。2コードしかないのに。
24.Being for the Benefit of Mr. Kite オリジナルではジョンがリード・ヴォーカルを担当しているせいか、何となく違和感を覚えないでもない。トータル・アルバムの金字塔として語られることの多い「サージェント・ペパー」だが、各曲をバラバラに聴いても十二分に成立している。ポールが歌うと間奏部分ですらそんなにサイケな感じがしないのは不思議。
25.Something 「ジョージに捧げる」と言ってウクレレ片手に歌い出したのは、何とジョージ自身の曲。序盤は弾き語りなので、当然オリジナルとは全く違う雰囲気。途中からバンド演奏が始まったが、ポールはベースではなくギターを弾いていた。この曲におけるポールのベースは最高なのに。
26.Ob-La-Di, Ob-La-Da 最高にライブ向きの曲。「一緒に歌って」とのMCに、ネットで歌詞検索して歌いまくる。
27.Band on the Run 流石に僕でも知っているウィングス時代のヒット・チューン。大陸の匂いがする。
28.Back in the U.S.S.R. スケジュールが合わず実現しなかったのだが、ビーチ・ボーイズがコーラスパートの録音を担当することになっていたそう。痺れる。
29.Let It Be
30.Live and Let Die カッコイイ! 展開部分のリフはポップス史上に残ると思う。
31.Hey Jude
アンコール1
1.Day Tripper ギターのリフが素晴らしい。ビートルズ初期の曲はアレンジにも恵まれまくっている。
2.Hi, Hi, Hi
3.Get Back
アンコール2
1.Yesterday アコギ一本で弾き語り。あまり好きではない曲。どうせ弾き語るなら'I Will'を演って欲しかった・・・。
2.Helter Skelter 息子に聴かせてやりたかった。「ハード・ロックってこういうことだろ」っていうのをビートルズがやってるっていうのが凄い気がする。
3.Golden Slumbers / Carry That Weight / The End すげえ、アビーロードだ。スネアの音はやっぱりリンゴがいい。
最後に。
自分より30以上も年上のポールが余りにも元気だったのにはかなりの衝撃を受けました。正に化け物です。
人間、健康がいちばんですね。
株式会社加登ホームページはこちら
以前の日記にも記したように、昨日はサー・ポール・マッカートニー4度目の来日公演に足を運びました。
かねてからの期待に胸を膨らませ、妻とふたり京セラドームのアリーナ席へ。案内された席は思いの外ステージから遠く、こんなところからポールの勇姿を目視し得るのかと不安に駆られます。どのくらい遠いのか。その距離感をあえて説明するなら次のようになります。
1対1で迎えた9回裏ワンアウト3塁の場面、迎えるは8番バッター。打率は2割3分前後で長打力にも欠けるものの、ここぞという場面におけるしぶといバッティングには定評があり、そのうえバントも得意。敬遠して次のバッターに内野ゴロを打たせ、ダブルプレーで延長に持ち込むのが理想ですが、厳しい台所事情から守護神を何と6回から登板させている相手チームは、延長を嫌って9番ピッチャーに代打を送る可能性が高い。となればこの8番に打たせる他ありませんが、深めの外野フライでも打たれようものならタッチアップで3塁ランナーに生還され、サヨナラ負けを喫してしまう状況。必然外野の守備位置もかなり前のめりになります。スクイズを警戒して前進守備の内野を打球が抜けたとしても、打球の強さによっては3塁ランナーをベースに釘付けにすることも可能・・・・・。
カメラの持ち込みOKだったそうです。持っていけばよかった・・・・。望遠レンズは持ってないけど。
そんな状況におけるレフトの守備位置、それが僕達に与えられた場所でした。
ひと言で表すなら(結局繰り返しになりますが)「遠い」。
盛大な拍手に導かれるように現れたポールの姿はまるで米粒のようです。
ステージ脇に設置された巨大スクリーンがなければ、ライブアルバムを大音量で聞いているのとさほど変わりません。これでチケット1枚16,000円ってどうなんだろう。
ある程度覚悟はしていたものの、さすがにがっかりでした。しかも、ドームなので音自体もそのバランスも悪い。バスドラムやベースギターなどの低音域は音というよりただの振動に過ぎず、ポールのヴォーカルを前に出したいがためにコーラス用のマイク音量も抑えられ過ぎていて、たとえば'Paperback Writer'のようにコーラスが重要な曲などはちょっと厳しかったです。ドラムは基本スネアドラムの音しか聞こえないと言っても過言ではなく、ホーンセクションやパーカッション、コーラスが何人もいるようなビッグバンドならいざ知らず、ギター×2、ベース、ドラムス、キーボードという小編成でこのバランスの悪さはないなあと思いました。
とは言えレジェンドはやっぱりレジェンド。悪条件をものともしない素晴らしいステージを見せてくれました。
とにかく若い、若過ぎる。どこからどう見ても71歳には見えません。殆ど休むことなく、一滴の水すら飲むことのない怒涛のステージに、「きっとまた来てくれるな、この人」と安心しました。
さて、1曲目には'Drive My Car'を予想(希望ではありません)していましたが、実際にオープニング・ナンバーに選ばれたのは’Eight Days A Week’でした。ちょっと意外?
オリジナルに比べると若干スローテンポ。この曲に限らずビートルズ時代の曲はいずれもテンポが遅めだったように思います。
ちなみに当日のセット・リストです。赤字は予想(と言うか希望)が当たった曲。なかなか当たらないもんですね・・・。
1.Eight Days a Week 週に8日もあったらなかなかしんどいよね。月火水木金土日日、なら良いんだけど。
2.Save Us
3.All My Loving
4.Listen to What the Man Said
5.Let Me Roll It~Foxy Lady
6.Paperback Writer 当時のレコーディングに使用したというリッケンバッカーによる演奏。音が薄かった気がするもやっぱり名曲だった。この曲のB面は'Rain'だったんだー。
7.My Valentine
8.Nineteen Hundred and Eighty-Five
9.The Long and Winding Road 「東日本大震災の被災者に捧げます」とのコメント。オルガンの音が今っぽいよなあ。仕方ないけど。
10.Maybe I'm Amazed
11.I've Just Seen a Face
12.We Can Work It Out 凄い曲です。
13.Another Day
14.And I Love Her 良かった。「美味しいんだけどちょっと甘ったるくて胃もたれする曲」という印象が覆された。年齢を重ねて一層熟成されたヴォーカルに感動。
15.Blackbird 個人的には今回のライブで3本の指に入るくらい良かった。ホワイト・アルバムに収録されているポールの曲にはこの手の佳曲が多いと思う。
16.Here Today ジョンに捧げる曲。聞いたことありませんでしたが感動しました。もう少し歌詞が聞き取れれば・・・。
17.New 新曲。ビートルズみたい。
18.Queenie Eye
19.Lady Madonna オリジナルはちょっと小粋な雰囲気だが、今回の演奏は重厚でロックしていた。だからというわけでもないが良かった。
20.All Together Now
21.Lovely Rita 日本で初めて演奏するとのこと(昨日やったから2回目か、とボケもかましてくれた)。嬉しい。
22.Everybody Out There
23.Eleanor Rigby ストリングスの音がもっと聞こえればなお良かった。しかし名曲だなあ。2コードしかないのに。
24.Being for the Benefit of Mr. Kite オリジナルではジョンがリード・ヴォーカルを担当しているせいか、何となく違和感を覚えないでもない。トータル・アルバムの金字塔として語られることの多い「サージェント・ペパー」だが、各曲をバラバラに聴いても十二分に成立している。ポールが歌うと間奏部分ですらそんなにサイケな感じがしないのは不思議。
25.Something 「ジョージに捧げる」と言ってウクレレ片手に歌い出したのは、何とジョージ自身の曲。序盤は弾き語りなので、当然オリジナルとは全く違う雰囲気。途中からバンド演奏が始まったが、ポールはベースではなくギターを弾いていた。この曲におけるポールのベースは最高なのに。
26.Ob-La-Di, Ob-La-Da 最高にライブ向きの曲。「一緒に歌って」とのMCに、ネットで歌詞検索して歌いまくる。
27.Band on the Run 流石に僕でも知っているウィングス時代のヒット・チューン。大陸の匂いがする。
28.Back in the U.S.S.R. スケジュールが合わず実現しなかったのだが、ビーチ・ボーイズがコーラスパートの録音を担当することになっていたそう。痺れる。
29.Let It Be
30.Live and Let Die カッコイイ! 展開部分のリフはポップス史上に残ると思う。
31.Hey Jude
アンコール1
1.Day Tripper ギターのリフが素晴らしい。ビートルズ初期の曲はアレンジにも恵まれまくっている。
2.Hi, Hi, Hi
3.Get Back
アンコール2
1.Yesterday アコギ一本で弾き語り。あまり好きではない曲。どうせ弾き語るなら'I Will'を演って欲しかった・・・。
2.Helter Skelter 息子に聴かせてやりたかった。「ハード・ロックってこういうことだろ」っていうのをビートルズがやってるっていうのが凄い気がする。
3.Golden Slumbers / Carry That Weight / The End すげえ、アビーロードだ。スネアの音はやっぱりリンゴがいい。
最後に。
自分より30以上も年上のポールが余りにも元気だったのにはかなりの衝撃を受けました。正に化け物です。
人間、健康がいちばんですね。
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