中国の習近平国家主席は17日、20カ国・地域(G20)首脳会議出席のためブラジル・リオデジャネイロを訪問した。会議を前に新興・途上国「グローバルサウス」の結束を呼びかけ。「米国第一」を掲げるトランプ次期米大統領と対照的に、習氏は「多国間主義の守護者」を自称。新国際秩序構築を主導し、影響力拡大を狙う。
習氏は17日、ブラジル紙に寄稿し、グローバルサウスは国際社会で存在感を高めているが「発言や要求は十分に聞き入れられていない」と批判。国際秩序を「公正で合理的な方向へ発展させるべきだ」と訴えた上で、国際通貨基金や世界銀行、世界貿易機関といった国際機関の組織改革を進め、グローバルサウスの発言権を強化しなければならないと主張した。
また、習氏は中国とブラジルを「東半球と西半球の二大発展途上国」と位置づけ、国際組織で協力してきた「多国間主義の守護者だ」と強調。両国は「責任ある大国として役割を果たす」と表明した。(共同)