アルミホイールのバレル研磨日記

アルミホイールの研磨状況などの紹介

大型トラックホイールの研磨

2016-07-27 10:40:02 | ホイール研磨
最近何件か問い合わせがありますので今日はトラックホイールの研磨についてです。
 
大型トラックのホイールは殆どがスチールの塗装品です。これでは足元がお洒落じゃないと販売されたのがクロームメッキ仕様のホイールです。さらに軽量化と高級感をもたらしたのがアルコア製のアルミ鍛造ホイールです。
 トラックホイールの構造はツーピース構造で、ディスク部とリム部を溶接で接合しています。メッキ仕様の研磨ですと先ほどの溶接ビードを除去し、ディスクとリムがあたかも一体物となるようサンダーで形状作ります。その後番手を変えて磨き上げ自動バフ研磨工程に行きます。

 22.5インチクラスのホイールは約40kgほどありますので作業台に乗せたり機械に取り付けたりと段取りのたびに二人がかりで臨みます。
研磨はアルミホイールとは全く違う研磨資材を使いますし何より重~い!硬~い!。


自動バフ研磨機にセット


バフ研磨中(ホイールは22.5in)

天面ポリッシュ

2016-07-26 08:23:34 | ホイール研磨
ポリッシュ(polish)とは磨いてつやを出すことです。

 ホイールのカタログにカラーの項目があり、ブラックポリッシュとかシルバーポリッシュといった用語が使われています。ブラックポリッシュ(通称ブラポリ)は人気カラーでよく見かけますが、これは実際にはポリッシュされていません、塗装した後に天面を旋盤の刃物で削っているだけで、刃物の材質にも種類があって超硬やダイヤとかを使います。外観の違いは超硬は白っぽくダイヤは光沢があります。
 ちょっとややこしいですがダイヤカットという用語もありますがこれは上記のダイヤの刃物で天面を切削したものと同様です。いまでは光沢が出ているとポリッシュという総称の中に含まれてしまっているようです。

ポリッシュとはあくまでも磨いてつやを出すこと!!

さて今回の商品はブラポリ品ですが天面に数か所ガリ傷発生。このような物はガリ部のみ直すとクリヤ塗装と修正部の境に白いハゲ跡ができます。よっていっそ天面を削り落としバフ研磨→バレル研磨→スポンジバフ→洗浄の工程で仕上げたほうが一体感がありまた高級感もある。
コストはダイヤカットの半値じゃないかな。。


完成後のホイール(写真では表現しくいがporishされてます(笑))

2Pリムのバフ研磨

2016-07-22 08:36:07 | ホイール研磨
 ホイールの形体には4タイプあります。1P、2P、3P、ワイヤースポークとそれぞれデザインや特性があって一長一短なところが面白いです。2Pホイールはリムとディスクの二つのパーツから構成されています。今回はそのうちのリムの研磨についてです。
 弊社では某社の2Pリムの研磨を長きにわたり行っています。これらの研磨は数量の確保や品質の安定性から自動化しないと成り立ちません、そこで生み出されたのが自動バフ研機ラインです。研磨の後工程はアルマイト処理です。アルマイトはメッキや塗装と違いアルミ表面そのものを直接酸化させたものなのでバフ表面の良し悪しがもろ出ます。バフ作業で気を使うのが冬場の研磨です。研磨剤の主材は油脂なので寒いとなかなか融けないというか伸びなくて夏場とは条件が変わり品質維持も気を使います。

2Pリムの内面は土管の中を磨くようなものですが20インチの9J、10Jになるとかなり面積が多く出荷数が急激にダウンします(笑)。


スタッフは2名で5台の機械を稼働しています。


光って見えますがまだ荒研磨状態。

バレル研磨とは

2016-07-21 09:17:24 | ホイール研磨
 バレル研磨という言葉はよく耳にしますがいったいどういう研磨でしょうか??
バレル(barrel)とは樽のことです。
原油価格のニュースに1バレルあたり○○ドルといった具合に単位でも使われます。バレルの単位は日本の尺貫法と同じで基準があいまいでややこしいです。
 話がそれましたがバレル研磨ですが、樽を使って研磨したことに由来するのです。要は樽の中に物を入れゴロゴロ回転さすと物同士がこすれて表面の皮をとったり、磨いたり、バリを取ったりしたのがバレル研磨の始まりです。

 この後からさらに効率よく研磨しようといろいろ方法が開発されました。振動したり、遠心力使ったり、製品そのものを回転させたりととにかく製品全体に研磨材が強くいきわたるようにして効率よく大量に研磨する方法が今日では総称してバレル研磨と言われています。

 では大きなアルミホイールの研磨はどうするのでしょうか??
この問いかけに一つの方法を導き出したのが代表の藤本である。製品そのものを回転させ研磨する方法をスピニングバレルといいます。この技術自体は昔からヨーロッパでハサミなどの研磨に使われていた技術です。この技術と若かったころ(笑)ジェットスキーのレースパーツを開発していたころお客さんが、「プロペラが摩耗してしまって・・・」よく見ると浜名湖の砂でプロペラがピカピカに摩耗している。
 ということでホイールを回転させ研磨剤の中で動かせばいい!!
基礎実験、量産用の機械開発、研磨剤の選定・・・。いっぱいお金をつぎ込みましたが得るものも多かったです。

昨今の三次元ポリッシュはバレル技術がなければ成り立ちません。

この点では世の中に貢献できたことを自負してます。
乾式バレル


仕上げバレル


洗浄


仕上がり

3Dポリッシュ

2016-07-14 16:17:06 | ホイール研磨
3Dとは昨日も説明しましたが、業界ではデザイン面全面ということです。そのポリッシュということでデザイン面全面が鏡面研磨されたものです。工程は素地のサンディング(#240~#600)→乾式バレル→乾式バフ→鏡面仕上げバレル→湿式バフ→洗浄→完成
まさしくバフとバレルの工程をふんだんに駆使し他ではまねのできない逸品です。

クロムメッキではないですよ。アルミそのものの金属光沢です!!