アルミホイールのバレル研磨日記

アルミホイールの研磨状況などの紹介

ヨタ8のエアクリーナーカバーをバフ研磨しました。

2017-03-15 13:21:24 | ホイール以外の研磨
 旧車関係のパーツが時々入荷します。
依頼内容はすべて鉄部品の再メッキ依頼です。再メッキすると新品同様になると思われている方も多いですがほとんどがそのようになりません。依頼品のほとんどが作られて30年から40年ほどたっていますから腐食が進んで表面に穴が開いたものばかりです。

 研磨して穴をとってしまえばいいのですが板金物は板厚が薄いためやたらと削り込みできません、どうしても腐食穴が残ったまま完成しますのであまり経験のないお客様と「直ってない、きれいになっていない」もめるようです。

 腐食したものは穴が減ってもなくなる事は無いです。

今回のヨタ8も相当に古い車で魅せられたオーナーさんも多いと聞きます。古いがゆえに綺麗にして乗りたいくらい車を愛しているのでしょうね。

今回はバフの状況です。


バフ研磨中
バフの前にサンディングにてクロムメッキを剥がしそれからバフ研磨です。


いろんな角度で全体を研磨します(研磨の基本)。
角度を変えることで研磨ラインがクロスとなりバフ掛けムラがなくなります。



バフ研磨完です。この後メッキ屋さんに流動
この状態だときれいですが、メッキ屋さんの前処理とか通過すると穴が出てきます。


この製品は銅の下地メッキをしていましたので一部に銅が残っています。

メッキ屋さんではこの上にアンダーニッケルメッキ、中間ニッケルメッキ、光沢ニッケルメッキ最後にクロムメッキを施します。

クロムメッキは綺麗で固いのですがメッキ層は1ミクロンほどしか付いていません。

メッキ層のほとんどはニッケルメッキです。ニッケルメッキは短時間にたくさん付きますので表面の調整を兼ねたベースコートとしては最良です。
銅メッキも同じような効果がありこってり感や深みがあるが腐食には弱いです。

ENKEI 10本スポーク 2Pのリペア

2017-03-14 17:39:50 | ホイール研磨
 今日は、午後から研修生の入校式があり奥浜名湖の畔に近いところに行ってきました。1ヶ月間日本の生活習慣や研修先としての心構え等々教育され企業に配属となります。うちでは2人がこれから3年間頑張ってくれます。


ここで1ヶ月間みっちり鍛えられます。


本題のエンケイ10本ホールのリペアです。

状態は非常に悪くアルマイトリムの2P構造なので分解もできなくブラックポリッシュの仕上がり希望、本来なら剥離して丸塗りが妥当な所ですが何とかなりそうなので頑張ってみました。


至る所に腐食の後で非常に見苦しい。
クリヤ塗装が薄いためエッジ部分から錆が進行、おまけにリムもサビサビ。


塗装剝離後の状態
白錆はそのまま粉が吹いたように残ります。これでは塗装できませんので


乾式バレルで研磨して錆取を行う



さらにペーパーで最後の仕上げを行い塗装屋さんに流動
リムのフランジ部分は腐食穴がいっぱいです。


塗装剝離後にスポークの窓の中を黒塗装
さらにクリヤ塗装もします(クリヤ塗装があるとバレル研磨中に剥がれにくい)
リムフランジの黒塗装は余分でした(塗装屋さんへの伝達不十分)


研磨部分をサンディング・・・#600程度までしあげます。
スポーク天面、リムフランジ


いきなりバレル研磨ですがこの前にはバフ研磨してあります。


完成です。この後クリヤ塗装のため塗装屋さんに流動です。


気になる仕上がり状態はこんな感じです。
アルマイトリムの錆跡が残っていますが腐食の穴が大きく、追い込みすぎるとリムが薄くなりますのでこれが限界です。

アウトリムのバフ研磨

2017-03-09 10:53:51 | ホイール研磨
 昨日あたりから寒気が入り込み少々肌寒いですが、これも春に向かうためと思えば我慢できます。工場内はどのセクションも納期に追われ気が抜けませんがありがたく汗かいてます。

今回は最近頻繁に処理しますスリーピース用のアウトリムの研磨ねたです。


工程は研磨面をサンディングし#600仕上げとします。
サンディングで凸凹にしないのがキモです。



自社製半自動バフ研磨機のお出まし。



ピアス面までの依頼なので奥まで突っ込みます。



段リムなので回転台の角度を変えながら研磨します。



仕上がりました。



この後化学研磨(通称:化研)アルマイトに流動します。




バレル研磨でホイールのリフレッシュ

2017-03-08 17:03:41 | ホイール研磨
 今回は懐かしい3本スポークのツーピースホイールのリフレッシュです。

 依頼品のホイールはディスクとハーフカバーはバフポリッシュでリムはアルマイト仕上げの2P、状態は年式のわりに綺麗ですがガリ傷が至る所にあり腐食も進んでいました。このホイールを磨き直してクリヤー塗装でフィニッシュします。このホイールの磨き工程を中心にレポします。


入荷状態 
腐食跡や擦り傷がありリムフランジにはガリ傷が多数


塗装剝離が終わったらリムフランジのガリを最小限削りその後形状を整える。
このリムのアルマイト部分は比較的綺麗なのでそのまま生かしますのでフランジのみ修正


リムフランジをバフ研磨機でバフ掛け


ディスク天面と縦壁をバフ研磨


ハーフカバーも傷が多いのでサンディング


カバーもバフ研磨


バフ研磨の後は洗浄してからバレル研磨
この時ハーフカバーもセットし同時に研磨仕上げします。


バレル終了



この後は塗装屋さんにクリヤ塗装の依頼です。


ENKEI 5スポークのリフレッシュ

2017-03-02 18:13:38 | ホイール研磨
 3月に入って日中の長さが感じられるようになってようやく春めいてきましたね。うちの近所にもピンク系の桜が咲き誇っているところがあり見ているだけで気分ウキウキです。

 先日予告していましたエンケイ5スポークのリフレッシュです。このホイールはリムの切削したところはクリヤ塗装が薄いためミミズ錆が発生して、オーナーさんはここを磨いてほしいと依頼がありコストの兼ね合いもありますので今回はクリヤ塗装無での完成で仕上げました。

今回の工程(いつもと同じ工程ですが・・・)を写真でもって紹介します。


今回依頼の5スポーク


錆やら打痕やらがありますがディスクの塗装部分は綺麗です。


まずはホイールの洗浄~


裏もきれいにします。
うちでは洗浄専門のエキスパートがいます。(洗浄は奥が深く地道なのです)


バフ研磨の時にディスク面が研磨されないようマスキング
その後サンディングでクリヤ層除去と傷とかを修正します。


半自動バフ研磨機で研磨


洗浄後バレル研磨


バレル終わりました。


バレル後の洗浄


完成(白い点は水滴なのでご心配なく)


素晴らしい(自画自賛)

ノークリヤなので時々磨いてやってください

だんだんくすんで(表現悪いですが)レトロな味が出てきます。