地味に終活はじめました!

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ラスト・チャンス

2015-07-06 12:19:48 | 日記

その日、特に何か変わった事をした訳ではない。
当然前日もその前日も、そんな心当たりは無かった。

足の付け根がなんだか妙に思ったので見てみると、
左下腹部がものすごく膨れてる。

「ああ、脱腸だな」
鼠径ヘルニアというらしい。

割りと周囲にこの「鼠径ヘルニア」になった人が居たから、
話には聞いていた症状だ。
それにしても行き成りこうはならないと思うから、
気付かなかっただけで、相当前から発病してたのだろうか?

インターネットで調べてみると、

「自分で病院に行ける内に行った方が良い。
さもないと救急車で行く事になる」

救急車は絶対嫌なので、早速病院へ行く事に決めた。
それより何より、つい最近になって漸く、
徹夜が週1日、そしてそれが、
2週で1日程度で済むようになった今を逃しては、
入院できるチャンスが無いかもしれない。

インターネットの情報によると、
費用は十数万円から20万円程度とのこと。
幸い今なら手元の金をかき集めれば入院費は何とかなる。
ところが、いざ入院手続きを始めると、
「保証人」(身元引受人)が必要という思わぬ壁にぶつかった(>_<)

「金ならほれこのとおり持っとる。
      前金で払ろとこか」

と、思わずゴネたくなった^_^;

インターネットには、やはり私と同じように、

「入院費用は準備出来るが保証人を頼める人が居ない」

見たいな書き込みがあるけど、

「お金の連帯保証人ならお金だけで解決出来るが、
入院の保証人はトラブルになると金銭だけでは済まないから、
絶対に引き受けるべきではない」

という意見があったりする。
さらに、

「保証人を頼める人が居ないのは、
常々、
周囲の者との人間関係を良好にしていないからです」

という冷たい意見も出て来たりする。
今、そんな自己責任論を出されても、
困っている側からすれば何の解決にもならない(怒)

そういえば、

「連帯保証人、引き受けます!!」

みたいな広告も何処かで目にしたけど、
あれって、
所謂ブラックといおうか裏の商売なんだろうか??


・・・・・
さて、入院してみて、
皆から口々に言われた。

「一週間も寝ているだけでは退屈だろう」

いいや、そんなことはない。
何しろ私は、元来怠け者!!

何もせずに、
  じぃーっと寝ていられるなんて、
       願ったり叶ったりだった。
何もせずにぼんやりしてると、
頭の中に次々と妄想が浮かび時間が潰れて行く。

いや、
普段でも少し気を緩めると、
次々と私の頭は勝手に妄想を広げる。
普段はその妄想を追い払い、今自分が置かれている、
現実と自分の頭の思考を同期させるのに、
多大なストレスを感じている。
それをしなくて良いのだからとても楽だ。

例えば、
「そういえば誰か料理人の修行中とかいう、
若者に出会ったような気がするけど、
あれは夢だったのだろうか??」

ほとんど夢と現実との境にいるような妄想が続く。
あっという間に1日が過ぎる。

口々に言われた。

「テレビは見ないんですか」

しかしとても、
「テレビより妄想するのがストレスがなくて楽だ」
なんて、言えない。

・・・・・
実際、入院患者の1日は思っていた以上に忙しかった。
日中は略1時間おきに看護師さんやヘルパーさんと、
誰かがやって来た。

タブレットに青空文庫をダウンロードしてあるので、
持って行こうかとも考えた。
しかし、入院案内には
「携帯もワイファイ機器も使用禁止」と書いてある。
青空文庫はメモリ内に保存してあるから、
ワイファイは切って使えるのだけど、面倒だから止めた。
それでももし退屈したらと、
↓↓写真の本と雑誌を持って行った。

入院中も、
時間に縛られることは、容易に察することが出来た。
本当はトラベルウォッチとか、
目覚まし時計の様な置時計が良いのだろうけど、
生憎都合出来ないので、雑誌の付録に付いていた
写真の↓↓懐中時計も持参した。

懐中時計は、
ベッド脇のテーブルに置いていた。

そしたら何日めかに、
掃除に来た女の子がしきりに、

「懐中時計は味わいがあって良いですね」

と褒める。
漸く「腕時計よりも大きくて見やすいから使っている」
と言う答えを思いついた時には、彼女はもう掃除を済ませ、

「また来ますね」

と言って出て行ってしまった。

体を拭いてくれていた時のヘルパーさんも、
           懐中時計が珍しいと言った。
「着替えは何所か」と聞かれたので、
「そこだ」と指差したら、

「うあー、グンゼのパジャマですね。
 私も日曜日、父の日にグンゼのシャツを、
 お父さんにプレゼントしました」

と、言った。
話を聞いて察するに、
もし私に娘がいたら、
この女性と同じくらいの歳になるのかなあ
と、思った。

病院食は私には、もの凄く量が多く感じられた。
少し量を減らして貰ったけど、それでも特に昼食の量が多い。
昼食にご飯と別に「うどん」が付いたりするのは土地柄か??
他の所の病院でも、うどんが出たりするのだろうか??
食べ残しはチェックされるので、
早く退院したいから、
一生懸命がんばって完食し、模範患者に徹した。

・・・・・
それにしても未だに、やはり納得出来ない。
身体のことに金銭勘定を持ち出し比較するのは、
汚いことのように思われるかもしれないけれど、
入院にはお金と時間の両方が掛かってしまった。
全く「やらなければならない事、やりたい事」が、
出来なくなってしまった。
「終活、断捨離も今のうちに」と、
思っていた予定がまた先延ばしだ。

大井川鉄道の機関車トーマスは、
ライセンスの都合で今シーズンがラスト・ランだそうだ。
退院時の支払い¥と一週間で、
       日本中のSLを見に行けたのに^_^;

「何で、今頃」見たいな。

photo by jh5eux from フォトフレンド for マイポケット

 

・・・・・
入院したら、
常々からの肩や背中、そして首の痛みが嘘の様に無くなった。
頭痛も耳鳴りも止まった。
正しい食生活(病院食)を一週間続けたら、
鳩尾辺りの痛みも無くなって胃腸の調子も良く、
毎日飲んでいた胃腸薬は不要になった。
多過ぎると思って食べても、
次の食事時間前には、久々に空腹感も出てきたりした。

しかし、退院1日目で耳鳴りは再発、
そして、3日後にはまた元通りの身体に戻ってしまった。

 

で、肝心の鼠径ヘルニア
「日帰り」は相当根性が要ると感じた。
いやあ私に普通の根性が無いだけか?
退院後直ぐに出勤。
机の前に座るだけの仕事ならOKと聞いたけど、
少し辛かった。
先週、診察で特に問題なし。
でも、まだ少し痛いぞ!!!

健康保険、
自己負担限度額を超えた分を返してもらえた。