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FT-70GCー珍奇な無線機

2023-04-02 12:24:04 | 日記


↑↑上の写真はネットオークションで落札したFT-70GC!
FT-70GCは八重洲無線株式会社製、
アマチュア無線用マンパックトランシーバである。

マンパックトランシーバ、マンパックラジオとは?
米国製の携帯型軍用トランシーバーであるAN/PRC-77が、
通称「マンパック」(Manpack)と呼ばれていたので、
そのご親戚ということだろうけど・・・。

私が初めてFT-70GCの実物を見た時、
「やけに、とって付けた様な中途半端なRig(製品)じゃなあ」
と、思った。

その理由1;無くしそうな防滴防塵カバー↓↓

 
↑↑周波数設定用サムホイールスイッチのカバーが簡単に取り外せる。
それはそれで良いかも知れないが、
過酷な条件下で移動運用をするマンパック トランシーバなら、
何だか紛失してしまいそう??
(実際ネットオークション出品で、
       このシリコン製?カバーがない物を時々見かける)

その理由2;市販の標準部品を多用

FT-70GCはアマチュア無線機(少なくとも日本国内では)なので、
品質に問題がなければ、安価な市販品を使うのは当然かもしれない。
そして入手容易な部品を使うことはむしろ良いことだが、
しかし例えば下の写真↓↓

  
↑↑左側写真、
FT-70GCのマイクコネクターや電鍵用ジャックの防滴キャップは、
アマゾンでも手に入る市販品。
しかし普通、家電などは勿論、
メーカが作るものならデザイン性や使い勝手、その他の理由で、
右二つの写真の様に、
製品に合わせた注文品を使うことが多いのではないか。

その理由3;他のメーカー製無線機や家電と比べて、
      マニアによる自作風の簡単な造りの外観意匠↓↓

 
↑↑フロントパネルに出ているスイッチやボリュームなどの、
シャフトが必要以上に長い。何だか部品屋で買ってきた部品の軸を、
切らずにそのまま使っているような感じだ。
外装ケースも鉄板を単純に曲げた物で、
オプションのバッテリーパック取付金具も鉄板をJ形に曲げた単純な物だ。
器用な人なら自作出来そうで手作り感満載のセットだと思う。

・・・・・

概してマニアは物好きであり私の周辺の無線マニアも例外ではない。
「大変希少で珍く非常に入手困難な無線機だ」
と、1986年の発売と同時に挙って走り回り数名が手に入れたらしい。
その1台が、私が初めて見たFT-70GCの実物だった。

「海外向けの軍用機で台数限定の逆輸入品らしい。
 どうや。ええ(良い)やろが」

と、得意になって見せられた。しかし私には、
サムホイールスイッチで行う周波数設定等が、
アマチュア無線では使い勝手が相当悪そうに思えた。
案の定、苦労して手に入れたFT-70GCだが、
結構早い時期に手放す人も多かった様に記憶している。

・・・・・

それでは私の物となったFT-70GCの中身を確認してみよう↓↓


    
↑↑上、左の画像の様に、
重いケースはフロントパネルに小さなビス4本で止まっている。
(強度的に大丈夫かなあ(;^_^
  私ならケース取付用のビスを更にリアパネルにも2本増設する)
右側の写真の様に内部の上側には空きスペースがある。これは、
海外向け業務機FT-70Fバージョン用オプションの、
周波数プリセット基板を取り付ける所らしい。
この頃、多くの無線機は既にマイコン制御で周波数設定を行い、
マイコンのメモリ機能を利用して容易に周波数をプリセット出来た。
それをFT-70Fでは、
 大きなスペースを要するダイオードマトリックスだから前近代的!!
今風の言い方をすれば「随分とアナログな」ことをやっていた事になる。
*修理用部品の調達が容易というメリットがあったりする?僻地とか*
そして、
内部にある基板の造りはアマチュア無線機っぽい。私が長年使った、
八重洲のアマチュア無線用FT-757とよく似た雰囲気だ。

・・・・・

1980年代といえば大半の短波無線通信業務は、
衛星通信等の新しい通信手段に移行し始めたころだと思う。
VHF、UHFなら兎も角、何故八重洲無線はこの時代に、
FT-70GCのベースとなる業務用無線機「FT-70」を作ったのだろうか??

ここはもうChatGPTさんに聞くしかない。

*本当は八重洲無線に問い合わせたいのですが、chatgptさんはどのようにお考えですか。

*1980年代には衛星通信やデジタル通信が普及し始め、それに伴い無線通信市場も変化していた時代です。
ただし、一般的に業務用無線機は、広い範囲に渡る通信や高度なセキュリティが必要な場合に使用されます。
また、FT-70シリーズはポータブルでありながら10Wという高出力を持ち、設計上は耐久性が高く、軍用や緊急事態での通信にも使用できるように作られているとされています。
これらの要素から、軍隊、緊急救援機関、放送局、あるいは船舶や航空機など、さまざまな分野で使用された可能性があると思われます。
FT-70シリーズがどの ようなユーザーを想定していたかは、八重洲無線に問い合わせるのが確実です。
しかし、八重洲無線は製造から30年以上が経過しているため、今となっては情報が得られるかどうかは不明です。

大方、八重洲無線が想定したユーザーや使用目的はchatgptさんの言う通りだろうけど、
?????
「軍隊、緊急救援機関」・・・確かに後方支援用とかには使えそうだ。
              但し、
              FT-70は最前線で使えるような代物ではないらしい。それに、
              「ジェーン年鑑にも掲載された」とはいっても、元々軍用でないものでも、
              どこかの軍隊が使っていれば「ジェーン年鑑に掲載」されるらしいしねぇ。
「放送局」・・・・・・・・・やはり使うのVHF、UHFでは??
「船舶や航空機」・・・・・・バッテリーパックが用意されたポータブルである必要はないのでは??
にちゃんねるには・・・・;;パークレンジャー(国立公園森林警備隊)というのがあるけど、
              普通移動は四駆みたいな車だろうから、それに付けるのは車載仕様のだろうし・・・。
              サバンナの真ん中の病院というのは納得出来そうだけど、
              やはりFT-70みたいな可搬式である必要はない。
              そんな所には発電機の準備もあるし。バッテリーパックは要らないねえ!!

?????結局どの様なシーンでも「それならFT-70よりも高性能で便利な機能!!
               コスパ最高の日本製アマチュア無線機を使った方が良い」
               という結論になる。
     実際、上記のような用途でアマチュア無線機が利用されることは多かったらしい。
そんな訳でFT-70は思ったほど売れなかった?
いや、八重洲もそう沢山売れるとは思ってはいなかっただろう。

・・・・・

件の様に長々と色々考えてはみたものの、
FT-70GCに関する私の長年の疑問は、
未だに納得の行く答えを得ることが出来ない。
そこで、
勝手に「たぶんこうだったのだろう」と想像をまとめると、

『何故かは判らないが、
八重洲無線はアマチュア無線機製造のノウハウを生かして、
コストパフォーマンスが高い業務用無線機を作ってみた。
某国のその筋から、そういう引き合いがあったのかもしれない。

コストの関係やその他諸事情の成り行きで、
普通の業務用無線機なのに外観意匠は軍用無線機風に仕上がった。
そこで販売促進用のカタログには、
「マンパックトランシーバ」と謳うことにした。
その結果がFT-70シリーズだ??

件の様にFT-70シリーズ(FとG)はそれ程売れなかった。
そこで在庫一掃セール!!
余ったFT-70F/GにオプションのLSBフィルターを付け、
アマチュア無線仕様のFT-70GCを仕立てた。
そして、
マニア向けの雑誌の広告には細かい仕様は載せず、
いかにも軍用無線機っぽい雰囲気のイラストや写真を掲載する。
そうすれば、
物好きなアマチュア無線家は飛びついてくるだろうと、
八重洲さんは考えた』

そんなところではないかと、私は思ったりしている。


↑↑FT-70F/Gのカタログ
赤い枠で囲っているのはFT-70GCの取説にも載っているオプション。
青い枠で囲っているLSBフィルターはFT-70GCでは最初から付いている。


↑↑FT-70F/Gオプションのアンテナの接続図。
これを見てFC-70Mアンテナチューナーのアンテナ端子がMやNの接栓でなく、
絶縁ターミナルと呼ばれるタイプなのが納得。

☆FT-70GCの取説は八重洲無線のサイト、アマチュア無線のページから
☆FT-70F/Gのカタログは、
http://www.radiomanual.info/schemi/Surplus_Civil/Yaesu_FT-70F_G_broch.pdf
☆FT-70F/Gのサービスマニュアルは、
http://www.radiomanual.info/schemi/Surplus_Civil/Yaesu_FT-70F_G_serv.pdf