誰も知らない南の島

いつか南の島にいきたい

新訳で読む罪と罰

2014年01月02日 | 無題
文学は時と所を超えて生き続ける。
明治、昭和、平成と新訳が出続ける罪と罰は、古典でありながら現役の若い読者を持つ。
なぜなら永遠に青春の文学であるからだ。
作者の母国の名前も、いつのまにか執筆当時の国名に戻った。
現在のロシアには公式には皇帝はいないが、作者が生きていたときのロシアには皇帝がいた。
いたばかりではなく、反政府活動家に死刑の判決をださせていた。
そして、時代の傍観者ではなかった作者もまたぺトラシェフスキー会事件で死刑の判決をくだされた。
判決は皇帝によって覆されたが、このとき作者にとって罰という言葉は無限大の重みを持つ言葉になった。
ドストエフスキーが生きた時代はロシア人にとって怒涛のような不幸の連続だった。
そしてこの不幸の津波がロシア文学者の志と作品を世界最高の水準にたかめた。

罪と罰 1 (光文社古典新訳文庫)
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光文社

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