誰も知らない南の島

いつか南の島にいきたい

100万回生き100万回死んだねこ

2007年07月10日 | Weblog
作者のお父さんは早くなくなった。
それは、作者のお母さんにとっては、夫が早く亡くなったということだ。

人生の長い時間の中で、最愛の人に出会う時は、何時が一番楽しいだろう。
人生の短い時間の中で、最愛の人と別れるときは、何時が一番辛いだろう。

人生の最も多感なときに、人生で最も大切な人に出会えたら幸福だ。
でも、それは、しばしば、早い時期に別れのときがやってくる。

人生の最後に最愛の人と出会えたら、それは遅すぎるのだろうか。
作者は答えを出そうとした。
それが、正しい答えかどうかはわからない。

しかし、作者と作者のお母さんが最も多感のときに最愛の人を失った悲しみは、いつか、それからの心の中に最愛の人が生きている喜びに変わっていった。

本書の題名が、百万回死んだねこから百万回生きたねこに変わったのも、その表れかもしれない。

100万回生きたねこ

講談社

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DDTの失われた名誉が回復する日は訪れない/演習環境リスクを計算する

2007年07月10日 | Weblog
建国の伝説によれば、ローマの古代都市は丘の上に栄えた。
何かと便利な水辺に住むことは慎重に避けられた。
水辺にはマラリアを媒介する蚊がすんでいたからだ。
今もなお、ローマのホテルに宿泊すればテーブルの中に蚊取りが備えられている。

途上国でのDDT散布はマラリア撃滅に劇的な効果をもたらしたが、先進国の環境保護ブームのために、DDTの使用は極めて抑制的なものにならざるをえなかった。

この間に、途上国では、少なく見積もっても数百万人の命が失われた。
DDTには、明らかな毒性が存在する。沈黙の春が間違いだったといわけではない。
沈黙の春の指摘は日本を含めた先進国にとっては、有益な指摘だった。
しかし、DDTの毒性と、マラリア予防の利益を比較するならば、途上国におけるDDT使用の事実上の抑制は大きな間違いだった。

正確には、途上国における使用が禁止されたわけではなかったようだ。
しかし、先進国において使用が禁止された農薬を途上国で使用することは著しい制約を受ける。

いま、環境リスクの計量化が必要とされる所以である。

演習環境リスクを計算する

岩波書店

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昭和ロマネスク~川内康範作品集/「語りかけ」「花と蝶」

2007年07月10日 | Weblog
1. 語りかけ(森進一)
2. 花と蝶(同)
3. 銀座の女(同)
4. 蝶の季節(同)
5. 命あたえて(同)
6. おふくろさん(同)
7. 恍惚のブルース(青江三奈)
8. 伊勢佐木町ブルース(同)
9. 夜明け川(同)
10. 愛のしずく(乃木五郎)
11. 誰よりも君を愛す(松尾和子,和田弘とマヒナスターズ)
12. この世に生まれて(森進一)
昭和ロマネスク~川内康範作品集/「語りかけ」「花と蝶」他
オムニバス, 森進一
ビクターエンタテインメント

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中華の火が消えるとき/調理の主役は電気かガスか

2007年07月07日 | Weblog
東京のさる高級イタリア料理店の厨房は電気調理のみでガス器具はないという。
東○電力の次なる野望は高級中華料理店の厨房からガスを追放して電気調理器を入れることのようだ。
本格中華はハイカロリーバーナーが使える都市ガスでというセールストークを使えなくさせようとしているのだ。
負けてはならじと大阪ガスの社長さんがエプロン姿でガスレンジの前で料理に取り組み、家でも作りますが家族は食べてくれませんと語っていた。
我が家でも毎度の食事に電子レンジを使わない日はない。
一般家庭の台所からも火が消えるのは時間の問題かもしれない。
蒼穹の昴には白菜を巧みに使う元宮廷料理人の話が出てくる。
野菜の調理方法のなかで中華料理の技法はずば抜けているが、高層ビルの中の中華料理店は防災上ガスより電気の方がいいのかもしれない。
そうなったら、中華は平屋建ての料理店で食べればいい。


蒼穹の昴(1)

講談社

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つい神頼みの気持ちにもなってしまう今日この頃/憑神を映画館に見に行った

2007年07月07日 | Weblog
シネコンでない単独上映の映画館で憑神を見た。
妻夫木聡の主演だからシネコンの上演館ならデートコースとして盛況だったかもしれないが、交通弱者の私が見た映画館は閑散としていた。
それでも、憑神はシネコンでなくて昔からの映画館がよく似合う映画だ。

今年のNHKの大河ドラマ風林火山は結構暗いドラマだが、憑神の基調もかなり暗い。
その暗い部分を押さえて妻夫木が明るく演じている。
暗いといえば、テレビのブラックジャクによろしくも本質的にはかなり暗かった。

憑神で、あかるかったのは、お通夜という名前の幼女の死神が食欲旺盛で、飯を旨そうに食う場面だ。

ここまで書いて、最近のテレビドラマでは食事のシーンがあまりなくなったことに気がついた。
必殺シリーズでは、中村主水が姑菅井きんにいびられながら飯を食うシーンが多かった。
さらに昔の時間ですよや寺内貫太郎一家といったTBSドラマではよく家族の食事シーンが登場した。
朝の連続ドラマでは、おしんで小林綾子が大根飯を食べていた。

食事は生きることと直結している。

映画の中で妻夫木聡は屋台の蕎麦を啜っていた。

生きにくいからこそ、生き方が求められる時を描いた映画だ。

憑神

新潮社

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宮藤官九郎脚本映画の柴咲コウの舞妓姿を見て、なぜかバトルロワイヤルを思い出した。

2007年07月03日 | Weblog
コウの表情は、他の女優さんのように類型的でないところがいい。美人であることに自信があるのだろう。カメラの前でめまぐるしく表情を変えていく。
コウには、多少不幸感があったほうが綺麗に見えるところがあるようだ。

舞妓姿の白塗りの顔からバトルロワイヤルに出演していたときのコウの表情を思い出した。仁義亡き戦いを撮った監督らしい演出だった。

どろろに出演した時のコウは、幸福すぎたのかいいひとにしか見えなかった。

舞妓はんに植木等が出演していた。映画の画面を通じてさようならと言っているようだった。

昭和30年代の植木等は、東宝映画のスーパースターだった。

柴咲コウも平成の東宝を代表する女優さんになった。

ほんの少しだが松坂慶子に似てきたかもしれない。


どろろ ナビゲートDVD ~序章~

ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン

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バトル・ロワイアル

東映

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クレージーキャッツ 無責任ボックス (初回限定生産)

東宝

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