G.G.の徒然山遊録

岐阜各務原市周辺の低山の山行記録、折々の雑感、書評などの雑文を記し、山に関する情報を提供します。

三国岳(894 m)、ダイラ周回~毘沙門谷東尾根から三国岳、鈴鹿の秘境ダイラへの周回はタフなコース~

2016-05-26 | 山行

5月22日(日)、快晴、暑い(地上では30℃?)
参加者:G.G.他11名
歩行距離:12.6 km
所要時間:8:30
(時山P→3:20ダイラの頭、昼食4:00→4:45三国岳5:15→ダイラ6:50→7:40琵琶池7:45→8:30時山P) 

GPSトラック:
時山→毘沙門谷出合→毘沙門谷東尾根→ダイラの頭→三国岳→ダイラ分岐点→ダイラ→
阿蘇谷西尾根→琵琶池→時山を周回時のGPS軌跡を下に示す。
赤フラグは山行計画時に設定したウエイポイント(WP、通過点)である。ダイラ周辺は登山道も標識類も
ないので、GPSのWPを頼りに予定のコースを歩行した。
 

GPS標高図:
実際に歩行した標高図(断面図)を下に示す。
毘沙門谷出合からいきなりの急登である。小さな4回のアップダウンを経てダイラの頭に着く。
ここから100m下り、200m登り返して漸く三国岳に着く。出発から約5時間の長丁場である。
下山時、ダイラ入口からダイラ間は500m位の距離であるが、ザレた右下がりの斜面を
滑落しないよう注意しながらのトラバースで可成りのエネルギーと時間を消費する。
琵琶池から時山への最後の下りは斜度がきつく、疲れた足には可成り応える。
 
(クリックすると拡大) 

山行リポート:
時山集落に入り、阿蘇谷への橋を過ぎた空き地に、住民に一言断って駐車をさせてもらう。
7:40に出発する。牧田川に沿って、嘗て、関ヶ原合戦の折、島津の軍勢が落ち延びていったので
“島津越え”と呼ばれ、今は舗装された林道(県道R139)を遡る。途中、真っ白なウツギが咲き誇っていた。
 少し進むと左側に旧道が現れるのでそちらへルート変更をする。ルート変更しないと後が崖を
無理矢理、降りることになる。

■やがて道が終わる頃になると朽ちかけた橋に着く。此処が毘沙門谷出合である。
左側にブルーシートが被せてあるのは嘗ての炭焼き窯である。一度に大勢が渡ると崩落する恐れがあるので慎重に渡る。
橋を渡り、谷沿いに100m?位進むと送電線巡視路の黄色の標識があり、ここから道なき斜面を尾根を目指して力尽くで攀じ登る。

■尾根に上がると、よく踏まれた登山道に出会う。登山道は左から続いているので正しい登山道入口を見落としたのに気付く。幾つものアップダウンを繰り返しながら高度を上げてゆく。所々に赤ツツジが群生して目を楽しませてくれる。

732Pを過ぎ、石灰岩が現れてくると昼食場所に選んだ“ダイラの頭”は間近である。

■ダイラの頭に到着する。幹に巻きつけたビニールテープに“ダイラの頭”と小さく書かれているだけで標識はない。代わりに、ブナの幹に“ダイラノカシラ”と刻まれていたが痛々しい限りである。

■11時であるが、今朝は皆、4時起きしているので、早めの昼食にする。新緑の中、三々五々場所を探し、思い思いに食事を摂る。
新緑の中で美味しくご食事頂ける幸せに感謝である。

■40分程してから“ダイラノカシラ”と彫刻されたブナの木を入れて記念撮影を済ませ、三国岳へ向かう。

■ダイラの頭からは100 m程の下りがあるが、尾根の幅が広く、踏み跡が薄く分かりにくい。赤テープが多数あり、大助かりである。
ダイラへの分岐点を過ぎた当たりから登山道は左側の路肩が崩落状態であり、踏み外せば、10m以上の滑落は必至であるので慎重に通過する。
三角点地点に来るも、近くに三角点が見当たらないのでパスする。最高点でもないのに最高点の標識が吊り下げられていて紛らわしい。
■更に100m程登ると三国岳である。途中、北方に展望が開け、4月に福寿草を見に登った霊仙山の巨体が目に飛び込んでくる。
近江展望台、最高峰などがハッキリと識別でき懐かしい。

■漸く三国岳に到着する。樹木に遮られて展望は良くないが、南方が開け、御池岳とその右手に鈴ヶ岳が望めた。御池岳は山頂がフラットでテーブルランドとも呼ばれるのも合点である。

■時山を出発してから5時間余りが経過しようとしている。思えば大変な長丁場である。
下山のスタミナを回復するため、ゆっくりと30分程休憩し、記念撮影を済ませる。

この間、若い男女のペアが到着した。可成り山慣れしていると見受けた。当日出会ったのは後にも先にもこの二人だけである。
聞けば、烏帽子岳から縦走してきて、これからダイラに立ち寄り、阿蘇谷を下るそうである。
■三国岳を後に、往路を戻り、ダイラへ向かう。鉄塔付近の登山道は巻道で右側が程んど崩落しており、足幅位の幅しかないので、滑落しないよう慎重に通過する。

■ダイラ分岐点から130m位降下すると2ヶ所の炭焼き窯跡に出会う。
 
■更に進むと阿蘇谷に出会う。此処から先は道がなく、ダイラ方向へは直進(北進)したいが進めないので、少し登り返してから道なきザレ場を北進することにする。

阿蘇谷出合からダイラまので距離は400m位であるが右下がりのザレ場をブッシュや倒木などを避けながら、滑落しないようトラバースするのに可成りのエネルギーを消耗する。
この間、約1時間を要した事からもこのトラバースが容易でないことが分かろう。全員が無事にトラバースを終え安堵し、一服する。

■愈々ダイラと呼ばれる秘境の様な雰囲気が漂う雑木林の広場が眼前に展開する。地図で面積をチェックしてみると、1ヘクタール位はありそうである。

■ダイラで一息入れてから進路を北西に変え、左手の尾根を目指して道無きザレ場を50m程登り、尾根道に上がる。
尾根を下って行くと右下に琵琶池がひっそりと横たわっていた。
池に張り出した枝先にはモリアオガエルの卵が入った大きな白い泡が幾つも見られた。
草木だけでなく、今や生命誕生の季節でもあるのを実感する。

■池の見物を終わり、本日予定していた見所は全て訪れたことになる。後は時山へ下るだけである。
時刻は3時半を過ぎ、陽が傾き出し、黄昏の気配が静かに漂い始めている。今日の山行も無事に終わりそうである。

■時山への下りは可成りの急傾斜で、疲れた足には可成り応える。漸く、林道に降り立ち、直に時山自然伝承館を取り巻く獣避けのフェンスに突き当たる。フェンス脇を通り抜け、16:10に無事Pに帰着する。

雑 感:
■終日、新緑の中を歩け大いにリフレッシュでき大満足の山行であった。但し、次に述べるように全体としては可成りタフなコースであると言える。
■阿蘇谷出合からダイラを経由し阿蘇谷西尾根に上がるまでは登山道、標識、目印のテープ類などは一切なく、然も、右傾斜のザレ場を無理矢理に通過しなければならない多少マニアックなコースである。ダイラへ入山するにはGPS所有をお勧めする。
■カシミール3Dによるコースの推定所要時間は6:30 であったので7:30位は掛かると思ったが実際は8:30 も掛かってしまった。
この点大いに反省しなければならない。
原因は事前の調査不足である。帰宅後、Web.での事例調査(但し、三国岳往復を省い)で、7時間位要しているのが分かった。
これにダイラ分岐点~三国岳往復の時間(約1:30)を加算して所要時間は8:30にするのが妥当であったようである。