G.G.の徒然山遊録

岐阜各務原市周辺の低山の山行記録、折々の雑感、書評などの雑文を記し、山に関する情報を提供します。

石津御岳(629m)~多度山(402m)の縦走~木曽三川と濃尾平野を大観する~

2016-02-23 | 山行

2月21日(日)、曇り時々晴れ、少し寒し(6℃位)、無風で穏やか
参加者:G.G.他13名
歩行距離:約14 km (1.5kmのルートミスを含む)
所要時間:5:35(昼食、休憩を含む)
歩行コース:GPSのトラック
石津御岳登山口P→石津御岳→神社→ハングライダー台→電波塔→鉄塔(昼食)→多度山→多度駅

(注1) 当初の予定では、多度山からの下山路は愛宕神社への「青線」の尾根ルートであったが、誤って
    九十九折の車道を降りてしまった。
(注2) 多度駅から石津駅までは養老線利用。石津駅から登山口までは徒歩(15分)。
標高図:GPSの断面図 

 
(クリックで拡大)

山行リポート:
■各務原を3台の車で出発するも、暫くして1台がエンジントラブルで動けなく、代わりの車を取りに駐車場まで
戻り、乗り換えて出発する。当初の計画では多度山山麓の愛宕神社に車をデポし養老線で石津まで戻り、
石津御岳から多度山へ縦走する予定であったが、車のトラブルで出発が遅れたので、石津御岳駐車場へ
直行した。
予定外のため、R258から石津御岳登山口への分岐点が分からず、何回か右往左往し、地元の人に尋ねて、
墓地のある所で曲がり漸く登山口に到着する。
■駐車場の直ぐ側にある御嶽神社の鳥居を潜った参道が登山道である。


■暫く登ると大きな観覧席になっている展望台に着く。展望をしながら一息いれる。登って行くと、砕石所脇の
ガレ道となるが直に林間の道となる。
■途中、御嶽講縁と思われる信者の記念碑や覚明霊神の石像などがあり、信仰の山であるのが分かる。

■石津御岳の三角点を通り過ぎて登ると、社務所?があり、右折して少し進むと石津御岳神社があった。神社と言っても額も賽銭箱もない普通の小屋みたいでご利益は無さそう。
■Uターンして、直ぐにハングライダー台(離陸場)に着く。

 
■東側が大きく開け、眼下に木曽三川と広大な濃尾平野が一望できる今日一番のビューポイントであった。
この風景を眺めると、約250年前に薩摩藩が甚大な犠牲を払い実施した宝暦治水の悲劇や苦難が偲ばれる。

 
■少し進んで行くと赤白に塗り分けられた巨大なアンテナが天を衝くように聳え立っている。
因みに、同じようなアンテナは別の所にもあり、又工事中の所もあったりして養老山脈そのものがアンテナや
送電用鉄塔の集積地の様相を呈している。

 
■暫くの間、目に入る物も無いまま進んで行くと大きな送電線用の鉄塔の真下に出る。
ここが行程の半分くらいである。風当たりも弱く、眺望も良いいので、少し早いがここで昼食にする。
西方が大きく開け、鈴鹿山脈の北の御池岳から南の入道ヶ岳あたりまでが一望である。
残念ながら、鈴鹿方面は生憎の薄曇りでボンヤリし、漸く山々が同定出来る程度であった。
この時期、何時もなら、全山冠雪している筈であるが、少し冠雪しているのは藤原岳と竜ヶ岳だけで
今年が異常な暖冬であることを物語っている。

 
因みに、若しピーカンならば下の絵(カシミール3Dによる展望図)のような大パノラマが展開している筈である。

■一度は反対方向に進んだが、直ぐに気付きUターンする。
展望のない尾根道をどんどん進み、多度山山上公園に至る。暫し、木曽三川と霞んだ伊勢湾方面の展望を
楽しみ、記念撮影を済ませる。

■追録:山上公園の記念碑の足元に不思議な碑文を発見した。
これに依れば、宝暦治水工事が完全でなく、明治20年頃にオランダ人技師 デ・レーケ氏の設計による
近代土木技術を使用した三川分流の再工事が行われた模様である。


■モタモタした山行も漸くフィナーレかと思いきやもう一難待っていた。
山上公園からは尾根道を通り、愛宕神社へ降りる予定であったが、用意してきた地図で下山路の分岐点が
間違っていたため、コンクリート舗装の九十九折の車道を降りる羽目になってしまった。
■下界に降り、多度駅へ向かう途中の、手入の行き届いた庭に梅や、花桃?が美しい花を咲かせていたので
暫し鑑賞させて貰う。お陰で、今日の山行の後味の悪さが少しは軽減された気がした。


■今日は最後まで厄日で、その後も多度駅で30分も電車を待たされた。
電車で石津駅まで戻り、15分位歩き、駐車場に着き、色々あった山行も漸く終わりになった。

コースの総括:
石津御嶽まで登れば、後は多度山まで下りが続き距離は長いが、危険ヶ所、ルートミスする所もない
初級コースで、中級者には物足りないかも知れない。
展望は木曽三川、濃尾平野、伊勢湾が大観でき一見の価値がある。

教訓:
(1)  自動車事故対応:

日頃、自動車の故障は想定外であるが、機械物であるからには、常時、故障の可能性はあり、日頃から
その対処を念頭に置いていることは必要であろう。
(2)  事前調査の重要性:
多度山からの下山路の分岐点の事前確認が疎かであったため、九十九折のコンクリート舗装の車道を
余計に歩く羽目になった。分岐点の事前確認の重要性を再認識した。
 因みに、カシミール3Dの解析では、多度駅までの車道と尾根道を辿った時の距離差は約1.5kmであった。
(3)  GPSと紙の地図との補完:
GPSは踏み跡が定かでない場合や正確な現在位置などが分からない時には心強い助っ人であるが、
一方では、注意力がGPSの画面に集中し過ぎ、全体的な進路、位置、地形などの把握が疎かになる
傾向があるような気がする。
全体的、総合的な判断には紙の地図に軍配が上がるように思うので、NAV.の基本データは紙の地図として、
それをGPSで補完するの良いように思うが如何であろうか。


歌声喫茶へ行ってきました ~犬も歩けば・・・~

2016-02-17 | 日記

 コーラスの生涯学習講座の最終日に、伴奏の先生が、ご自分が活躍しているコンサート、
教室などの他、ピアノ伴奏で出演している歌声喫茶の紹介があったので2月15日(毎月第3月曜)に
様子を見に出掛けて見た。
  コーヒー又は紅茶が一杯付いて参加費は\1,000で、時間は2時間であった。
参加者は40名位で、60~70台の高齢者が多く、殆どは女性で、男性は4人だけであり、最初は
ちょっと緊張した。
 幸い講座で知り合った女性のGさんも参加されていたので、ご一緒させてもらい、お陰でリラックスして、
楽しい2時間を過ごさせて貰った。
 全部で20曲位?、歌い、知らないのは数曲だけであったが、その中のひとつに「坊がつる讃歌」という
山男の歌があり、山の愛好者のひとりとしてこの歌に遭遇したのはラッキーであった。
 帰宅してからWeb.で調べたら、この歌は山の歌では一、二を争う名曲だそうである。
又、「坊がつる」とは九重連山に囲まれた湿原でラムサール条約に登録されているそうである。
 1番の「人みな花に酔う時も 残雪恋し山に入り 涙を流す山男 雪解の水に春を知る」から
9番の「三俣の尾根に霧飛びて 平治に厚き雲は来ぬ 峰を仰ぎて山男 今草原の草に伏す」まであるが、
各小節の歌詞が文語調で、格調高くとても気に入った。
 特に、2番では「・・・峰を仰ぎて山男 花の情けを知る者ぞ」、3番では「・・・夜空を仰ぐ山男
無我を悟るはこの時ぞ」、6番では「・・・佇み聞くは山男 もののあわれを知る頃ぞ」などの文言は
実感として男心が擽(クスグ)られる気がする。
 もう一つの収穫はGさんの知り合いの男性Aさんが来ていて、彼も山の愛好者であることが分かり
知遇を得たのも何か因縁めいている。
 大収穫があったひと時であったが、「江戸いろはかるた」で言う、「犬も歩けば棒に当たる」と云うのは
こういう事かと変な感心をした次第でもある。
 ついでながら、今回に味を占め、次回も参加する予定である。

 
 今日は今年一番の寒さである。風にはためく焼き芋の幟が、寒さを一層感じさせる今日此の頃である。


後期高齢者でもコーラスは楽し

2016-02-12 | 日記

各務原市主催の平成27年度生涯学習~後期講座「こころのふるさとを歌う」(第2,第4水曜日、計8回)が
2月10日に終了したので総括してみた。

■講座の概要:
当講座は総勢50人(女性が8割)の男女高齢者が童謡、唱歌、ラジオ歌謡、懐メロなど広く人口に
膾炙している歌を毎回5~6曲づつ美人講師に指導して頂きながら楽しく合唱する初級コースである。
   楽譜の勉強は脇に置き、指導は軽妙な語り口でリラックスさせ、呼吸法、旨く歌うための
ポイント、コツなどに留め、初心者でも、気持ちよく、楽しく歌わせてくれるのが特徴である。

■閉会時に講師から贈られたアドバイス:
  おおよそ次の通りだったと理解している。これからも長く歌を楽しんで行くための励ましにもなる
  大変に良いアドバイスと思う。

 1.歌の上達に年齢は関係ない:“歳だから駄目”と言うのはタブーである。
   2.歌の「心」を理解して歌う:歌の心情、感情と情景などに思いを馳せて歌うと聴衆に訴える力が増す。
 3.「歌詞」を大切に歌う:日本語の持つ美しさを大事にして歌う。
 4.声の良し悪し:天性なので気にしなくて良い。

■当講座の効用:
 1.特に「歌の上達に年齢は関係ない」とのアドバイスは我が意を得たりである。
     高齢者にとって、このような前向きの姿勢は何事をするにしても、一番大切であろう。
 2.発声には口の筋肉、顔の筋肉、腹筋などを思った以上に使い、この点、一種のスポーツであり、
    歌い終わってリフレッシュする。
 3.色々な人との交流を通じて活動の場が広がる。
   4.講師を始め、参加者は女性が多く、男性としては多少、刺激的で若返る気がする。


    路傍の梅が満開を迎えようとしていました。老木でもこのように明るく、気品ある花を元気に咲かせます。
     私達も年を重ねても元気で歌い続けたいものです。

 

  


八曽山(327m)、八曽湿地の周回 ~秘境の雰囲気が漂う八曽湿地の存在に驚く~

2016-02-08 | 山行

2月6日(土)、曇り、時々晴れ、暖か(10℃位)、無風で穏やか
参加者:G.G.ほか12名
歩行距離:約14 km
所要時間:約5:45(昼食、休憩、ルートミスによるロスタイム:40分を含む)
歩行コース:GPSのトラック
樅の木キャンプ場→八曽キャンプ場→山伏の滝→八曽山(昼食)→湿地展望台→山の神→パノラマ展望台
→石見山→巌頭洞→天狗岩→樅の木キャンプ場
(注)八曽キャンプ場~分岐点のトラックはルートミスによるもので本来は無い。

標高図:GPSの標高図
「キャンプ場」と「山伏の滝」間の「山:0.5km」と「展望台」~「岩見山」間の「谷:1.5km」は
ルートミスによるもので本来は「0 km」である。

(クリックすると拡大)
山行リポート:
樅の木キャンプ場を出発して、直ぐの車止めゲート脇を通り抜けて五条川の渓谷沿いに進む。
八曽キャンプ場で左折し、林道を少し行った所で右側の沢沿いの登山道に入る。
但し、右へ分岐する登山道の標識を見落とし、暫く直進してから引き返した。(1回目のルートミス)
沢沿いに進んで行くと「山伏の滝」に突き当たる。落差が20m位あり水量も豊富で
思っていたよりも立派である。暫し、滝を眺め、写真撮影をする。
右手の尾根に上がり八曽山へ向かう。途中、南方の展望が開けた所があり、暫し、山々の同定を楽しむ。
西方に見慣れた尾張富士、本宮山、南方には「春日井三山」(道樹山、弥勒山、大岩山)が指呼の間に見える。

八曽山頂上近くに来ると大規模な城壁のような石垣が目を引く。

付近には水を湛えた池や、風化した数体の石仏などが散在している。

山頂には半ば崩壊した祠が残さていた。その前に、この遺構の由緒を書いた説明文が置かれていた。
それに依れば、「奥平貫山」と言う僧が塔野地にあった「宗岳寺」を1878年頃に八曽山の山頂に
再建したものの、自由民権運動に関わったとし、1884年逮捕、投獄され、翌年に獄死したそうである。
その結果、宗岳寺は住職を失い廃寺になったのであろう。
1880年頃は自由民権運動が盛んな時期であり、日本各地で民衆が蜂起し、官憲により弾圧された
歴史を思うと、このような僻地にも民権運動の大きな「うねり」が押し寄せて来て、「奥平貫山」はそれに
飲み込まれたのであろうか。 

獄死した「貫山」の悲運、無念さを思うと、多少、後ろめたいが、その前で記念撮影する。

山頂を後に、山頂の北側に回りこむと、珍しい光景が待っていた。大きな葉のシダに覆われた斜面に無数の杉木立が直立していた。オゾンとフィトンチッドが充満しているような素晴らしい林間の小径である。

地点表示No.5で右折し八曽湿地に向かう。No.4から湿原の中を通る北方へ向かう道は無さそうなので
湿地帯の真っ只中に踏み込んで行く。
周囲は林に囲まれた秘境の雰囲気が漂う湿原であるが、今は枯草が寝ているだけの殺風景な景色である。
草の下は水が滲みだしグチョグチョして歩き難いが、靴が水に浸かるほどではない。
暫くすると、偶然に湿地展望台へ着く。こんな寂れた所に展望台があるとは全く知らなかったので驚く。
帰宅してからWeb.で調べ、そこにある看板で、この湿地帯が八曽湿地と呼ばれる事、湿地観察のマナーとして
「湿地帯には踏み込まない」と朱記されていたのを知る。
若し、この看板がNo.4の地点にあったならば、この湿地の真中を縦断するような愚挙は避けられた筈で
申し訳ない事をしたと思うと同時に、看板の設置箇所の改善が望まれる。

湿地帯を縦断して林道に上がり、「山の神」で一息入れた後、パノラマ展望台へ向かう。
名前の如く360度の大展望である。目の前には八曽山が頭をもたげていた。

大休憩後、下山にかかる。分岐点で一度「山の神」方向へ少し戻ってから左折しなければならないのに、
全員がボンヤリ?していて、分岐点で右折し八曽キャンプ場の近くまで下りてしまった。(2回目のルートミス)
未だ見どころも残っているので、引き返し、岩見山へ向かう。
岩見山と少し先の好展望の個所で対岸の焼山の岸壁を眺める。
少し先を右折し沢まで、一気に100m程下りる。巌頭洞を見学のため沢沿いに上流へ向かうも巌頭洞は
沢沿いにあるとの思い込みで、行き過ぎてしまう。(3回目のルートミス)
途中で行き過ぎに気付き戻りかけると「天狗岩」の看板があり、余りそれらしく見えないが暫し眺める。

引き返し、巌頭洞の看板の所から5m位上がった所に奥行き2m位の気味悪い洞窟があった。
直径1m位の横穴が奥へ繋がっているようである。由緒は不明である。
写真はフラッシュを炊いたので明るいが実際は大分薄暗い。

この後は、時間も遅くなり、わざわざ沢まで降りて行って見る程でもなさそうなので、乙女滝、五段の滝を眼下に見下ろしなが樅の木キャンプ場に無事帰着する。
雑 感
■ルートミスについて:
湿地帯以外は5年前に歩いたことがあるコースであり、危険箇所もないので、舐めて、事前のルート確認を疎かにしたのがミスの主原因であろう。油断禁物である。
なお、2回目のミスはメンバーが地図を見ずに誤った方向に歩き出し、リーダーもうっかり、それに釣られてしまったが、リーダーとしては、このような群集心理的行動は厳に注意しなければならない。
■「八曽湿地」:
寡聞にして知らなかったのかもしれないが、知名度は高くない。然し林に囲まれた秘境の雰囲気が漂う、6.5 haもの広さの湿地帯で、是非とも冬以外の季節に再訪したいものである。
■変化に富んだ楽しいコース:
登山とすれば、超低山の里山で物足りないが「山伏の滝」「秘められた歴史を持つ宗岳寺」
「八曽山北側のシダと杉木立の組合せの妙」「八曽湿地」など見どころ満載である。