G.G.の徒然山遊録

岐阜各務原市周辺の低山の山行記録、折々の雑感、書評などの雑文を記し、山に関する情報を提供します。

2018年 春爛漫に思う

2018-03-28 | エッセイ

   昨日、自転車で近所の公園に桜見物に行ってきた。気温までも馬鹿陽気で20℃超となり将に春爛漫である。公園付近を少し歩いただけで見事に咲き誇った桜、コブシ、菜の花、枝垂れ桜などに出会えて感激であった。 
  自然界が無心に「我が世の春」を声高らかに謳歌しているのと対象的に、TVでは森友問題で国会喚問を実況中継しており、画面はいつもの事ながら政治の虚しさ、醜さ、欺瞞、不誠実のオンパレードであった。

   花探訪の後、近所の書店「草叢」で中古本の書棚を見ていたら懐かしい本が眼に入ってきた。30年位前に人気の作家、詩人、書家であった「相田みつを」の著書である。ひとつは以前読んだことがある「にんげんだもの」と、もう一つは初めて見る「一生感動一生青春」であった。

   タイトルが気に入ったので、手に取り値段を見ると嘗ての人気本が僅か100円であるのにびっくり仰天である。
今の御時世、本も単なる消耗品、否、廃棄物に成り下がったのかと思うと嘆かわしく溜息が出る。これも世の無常がなせることかとシンミリもする。兎に角、掘り出し物をゲットし内心、大嬉である。
   帰宅し早速に読んでみる。期待に違わず、感動的で、教訓的な逸話や詩が書かれ、行間には禅語などが散りばめられていて小生の如き高齢者が読んでも充分に楽しめた。
   著者が在家の禅信徒であるせいか、語り口は多少、抹香臭いが、それがかえって小生の如き高齢者にとっては親しみやすくて心地良い。
 本書は口語調で書かれているので肩肘張らずに読め、感動することの重要さ・日々の生き方を教えられたり、自己中の自分を反省させられたり、気持ちをリフレッシュしてくれたりする良書であり、本書に巡り会えた因縁、一期一会に感謝・合掌である。


「山と渓谷」4月号の特集「大人のための登山学」について

2018-03-20 | 登山関連情報

 雑誌の特集というとタイトルは読者の関心を引くために大袈裟だが内容、ページ数共に読者を失望させるような場合が多い。
 然し、以下に紹介する「山と渓谷」4月号の「大人のための登山学」は読者の期待を裏切らないと思います。
一読して、とても有用な情報が提示されているので、できれば購入して保存するに値する一冊であると信じます。
 また、昨今、高齢者の山岳事故が多発している折からも、この特集は時宜を得たものと思います。 

1.「大人のための登山学」とは関係ないが巻頭写真の空撮「涸沢と穂高連峰」が素晴らしい。
 既に登った人には過ぎし日の熱き思いを呼び覚まし、未登頂の人にはいつの日か、踏破したいと言う強い憧れを惹起すると思います。 

2. 巻頭記事の、86歳の山岳写真家で現役の登山者でもある三宅 修氏の「山を続ける極意」と題するリポートは、高齢者、特に小生のような後期高齢者の登山愛好家に対する心強いエールとアドバイスを開示している。高齢の大ベテランの言であるから率直で説得力があり、腹にストンと落ちるのが嬉しい。 

3.「自分を知る」では“運動能力の低下を直視”、“10歳若返るトレーンング”、“登山中及び登山後のリセット方法”など実用的な方法を提示している。

4.「Over40のためのウエア・装備研究」では体の衰えをウエアや装備品でカバーする具体的な事例と対処方法を提示している。


入道ヶ岳(906m) ~イワクラ尾根→水沢峠→宮妻峡はタフなコース~

2018-03-16 | 山行

山行年月日:2018年3月11日(日)、晴れ、無風、温暖
参加者:G.G.他6名
歩行データ:距離≒14.3  km/所要時間≒8:15(昼食、休憩時間などを含む)/累積標高≒1,670 m
アクセス:各務原6:30→(高速)→四日市IC→7:55駐車場(キャンプ場から約2km手前)
コースタイム:
駐車場 8:15→8:45キャンプ場→(新道)→11:05入道ヶ岳、昼食11:50→12:00奥宮→12:53重岩→
13:47県境尾根出合→14:00水沢峠→15:18林道分岐→15:52キャンプ場16:00→16:30駐車場 

GPSトラック:
「新道」経由で時計回りに入道ヶ岳→イワクラ尾根→水沢峠→宮妻峡を周回した。
林道工事のため、キャンプ場から約2km手前の駐車場から歩く羽目になった。駐車場の先客が2台あった。

                    (1目盛約300m)
GPSトラックの標高図:
■奥宮~県境尾根出合間の所謂、イワクラ尾根は急斜面のアップダウン、ヤセ尾根、ガレ場、ザレ場、鎖場などが連続する長丁場で、想定していたより遥かに難路で、可成りのエネルギーを消耗した。
■水沢峠から500m位の間は急斜面のガレ場で、浮き石も多く想定以上に荒れていて、危険度が高い。

山行リポート:
登山口はキャンプ場から直ぐで、河原へ降りる標識がある。2度の渡渉がある。最初は水量も少なく問題ない。2度目は、幅は5m位で水量も多く靴を濡らさぬよう渡渉するのに多少、手間取る。男性は飛び石伝いに渡渉するも、女性達は水に浸かるのを厭い下流から渡渉する。いずれにしても雨後には渡渉に相当に難渋しよう。

新道は始め、多少、急傾斜の石道であるが歩き難くはない。高度を上げてゆくと、水沢岳~鎌尾根~鎌ヶ岳~御在所山~釈迦ヶ岳の大展望が待ち受けている。(注)下はパノラマ合成写真である。
 
アセビ林を潜ると広々したカヤトの山頂に着く。ザット数えて50人位のハイカーが180度、広がる伊勢湾を眼下にして、三々五々休息・昼食を楽しんでいる。何時見ても、牧歌的で爽快な大展望である。
この後、難路が待ち受けているのを露とも知らず、私達もゆ~ったりと至福の昼食を摂る。

 昨年5月に建て替えられ、ピカピカに輝いている鳥居を背景に記念写真を撮る。今回のメンバーは珍しく、女性の方が多く華やかである。

山頂を後にし、奥宮に詣でる。ここがイワクラ(磐座)尾根の入口である。奥宮は椿大神社の奥社で、神山である入道ヶ岳を護るため、昭和41年に地元民により建立されたと由緒書きに記されていた。
なお、由緒書の左下にはイワクラ尾根に鎮座している「仏石」の写真が添えられていたが、この写真に気付いていれば後で、仏石を見損なうことはなかったのにと悔やまれる。

■イワクラ尾根は奥宮から県境尾根までの直線距離約2kmの尾根道である。尾根道と言うと歩きやすい道をイメージしがちであるが、名にし負う手強い難路であった。急傾斜のアップダウン、ザレ場、ガレ場、鎖場等が連続する
長丁場である。

 イワクラ尾根の中程に「重岩」と呼ぼれる巨岩の積重なりがある。四角な巨岩が城壁の如く積み重なっている。

■ 重岩から少し行くと再び巨石に出会う。余り仏が居るようには見えないが、左下の部分が、仏様が合唱している姿にも見えなくもないので、これが「仏石」だと思い込んでしまった。

 ■気になったので帰宅してから、ネットで調べて間違いに気付いた。登山道から少し離れた右側の林の中に白い石塔が見えていたがそれが仏石であった。写真(ブログ「鎌ヶ岳07」からの引用である)を見ると、三角帽を被り袈裟を纏い台座に座った僧侶の姿が見える。

 ■県境尾根は普通の登山道で、緊張から開放され普通の道の有り難さが分かる。水沢峠に到着して一息つく。荒涼とした四辻に半分朽ちかけた標識が立っている。いかにも本ルートがマイナーであることを物語っている。

 水沢峠(すいざわ峠)からの降下は急斜面の谷間で岩石が散乱し、浮石が多く不安定で、踏み跡も定かでなくマーキングを探しながらな20分程、慎重に降ると危険域を脱する。最後に、漸く林道に降り立ちやれやれである。

 ■以後、キャンプ場に立ち寄りトイレ休憩し、70分程、舗装道路を歩き、誰一人、怪我や「こむら返り」も起こさず無事に駐車場に帰着する。
なお、奥宮を出発してから6時間半で出会ったのは、イワクラ尾根ですれ違った「仏石」見物の二人連れの山ガールと周回単独行の男性2人だけあった。 

雑 感:
キャンプ場までの約2kmの林道歩きが想定外であった。このため、往復で約1時間の歩行を強いられ当初の予定時間を大幅にオーバーしてしまった。林道状況の調査を怠ったのを反省している。
登りはとても穏やかでハイキング的、後半のイワクラ尾根は想定以上にハード、水沢峠からのガレ場下りは危険度大で、変化に富んで達成感の大きい山行であった。私的には体力、技術共に限界に近かったが、反面、踏破できたことは自信にも繋がり貴重な体験になった。あっぱれ あっぱれ!
山旅の終わり近くで、林道を横切って谷へ駆け下りて行った鹿と、崖の途中で我々を出迎えてくれた日本カモシカと遭遇したことは、本日の山行に彩りを添えてくれた。
水沢峠からの下りは危険度大であるので、危険を回避するためイワクラ尾根の途中から「奥の沢」道を下れば安全なコース取りが出来よう。機会があれば本コースでイワクラ尾根に再挑戦し、じっくりと難路を味わい、今回、見損なった「仏石」も訪れたいものである。

 


継鹿尾山(273m)~西山(340m)~鳩吹山(313m)縦走~ 3山プチ縦走の達成感~

2018-03-07 | 山行

山行年月日:2018年3月3日(土)、高曇り、穏やか、ポカポカ陽気
参加者:G.G.他5名
歩行データ:距離≒12  km/所要時間≒6:24(昼食、休憩時間などを含む)/累積標高≒960 m
コースタイム:
犬山遊園駅 8:45→10:00継鹿尾山 10:10→12:00西山、昼食12:25→13:42鳩吹山3:55→
15:09可児川駅
GPSトラック:
■名鉄「犬山遊園駅」→寂光院→継鹿尾山→西山→鳩吹山→カタクリ口→名鉄「可児川駅」
特に危険箇所はないが、西山からの降下路が急斜面のガレ場であるので滑落・転倒に要注意

                   (1目盛約300m)
GPSトラック標高図:
絶対高度は低いが3ピークを踏破するので結構、歩き応えがあり、トレーニングにはお勧めのコース。

■展望:
所々のビューポイントから、絶景とは行かないが濃尾平野、奥美濃、東濃方面の市街や周辺の景色を楽しめる。因みに、下の写真は時計回りに各務原市と伊吹山方面、奥美濃方面、美濃加茂市と御嶽山方面、可児市と中央アルプス方面の展望である。

 ■鳩吹山での記念撮影:
休日であるのに何故か閑散としている。メンバーは変わり映えしない何時もの面々である。

■カタクリ群生地にて:
小天神から下山しカタクリ群生地の様子を見に行く。時期尚早とは分かっていたが、その前触れ位は見えるかもしれないと助平心を起こして立ち寄ったが枯葉が積もっているだけであった。もう10日もすれば開花し、群衆が押し寄せ全く別世界となろう。

 ■信長母子像:
カタクリ群生地入口近く、湯の華アイランドの一角に、昨年の春に建立された幼い信長を抱いた生母の土田御前の像を初めて見た。以前から近くに土田城跡があり、系図も朧気に知っていたが、このような形で土田御前がデビューするとは些か突飛な感がする。
又、母子に握手すると信長のように出世するとのシナリオを作り、握手を勧めている発想には天国の信長も苦々しく思っていることだろう。小生も尻馬に乗りうっかりして握手してきた。

雑 感:
■交通アクセスも良く、継鹿尾山、西山、鳩吹山と高度は低いが3ピークを踏破するので歩き応えがあり、山行トレーニングにはお勧めのコースである。
■「土田御前生誕の地」のデザインは如何にも商業ベース臭がして歴史のモニュメントとしては相応しいと思えないが如何。