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朝日新聞記事 長生村離脱に知事懸念

本日(8月10日)注目の第8回長生郡市合併協議会が開かれる。
ここで、「離脱する方針」が表明される。(*1)

朝日新聞(8月10日千葉)見出し
「長生村離脱に知事懸念
 長生郡市の合併 住民調査に疑問」

長生村の離脱は、当初から心配されていたことである。
これは、昨年11月からの長生郡市合併協議準備会からの経過から見ても
明らかです。
昨日の記者会見で、知事が懸念を示したことは、
担当県職員(ほとんどの議案の説明をした事務局次長、知事の推薦する委員)が、
適切に対応し、経過を報告していたのか疑問に感じます。

県の構想である、長生郡市7市町村の一体感を活かした合併を目指していれば
また違う結果の可能性もあったのではないかと思います。
協議の進め方、協議の内容はどうだったのでしょう。

たとえ、長生郡市7市町村の合併が長期的に見て必要な時期が来るとしても
だからといって各自治体は無条件で合併協定書に調印してはいけないと考えます。

例えば
総務省の「市町村合併法定協議会運用マニュアル『基本編』」(平成18年9月)では
「中心部だけよくねって周辺部は寂れないか」という懸念に対して
(1)合併前に、多様な地域の住民意見を反映させながら、市町村間で合併後のまちづくりをどのように進めていくかを話し合い、中心部だけでなく、周辺部のことも配慮したまちづくり計画(合併市町村基本計画)を作成する。
(2)(3)略
と、対応策を示しています。(p12)

本当に、そのように検討し、住民の理解が得られていれば
住民アンケートでもその心配が解消されていたはずです。
残念ながら、今回の長生郡市合併協議会では、そのような検討はありませんでした。
どれどころか
町村からの質問、提案に対して、誠実に協議する姿勢がありませんでした。
これでは、折角合併の協議の席についても、
離脱を選択するのも納得ができます。
(この際、慎重に出直しをすることが望ましいと考えます)


今回の合併協議会での疑問点の一部を紹介します。

1.長生郡市合併協議会規約について
 町村の住民からは、不平等な規約であると、不満が多い。
 規約(案)住民が知る機会もなく議会に提案された。
(県職員の主導で決められたと、住民は噂している)

(1)内容
第7条(委員) 茂原市13人 他町村各5人
    (前回 茂原市 6人 他町村各6人)
第11条(会議の運営)
4項 議会の議事は、出席した全ての委員の過半数でこれを決する。
(前回 会議の議事は、全会一致をもって進めることとする。ただし、意見が分かれた場合は、出席委員の3分の2以上の賛成をもって決する。 会議運営規則)

5項 委員からの議案修正要求及び資料要求については、会議に諮り出席した全ての委員の過半数の承認を得て、正副会長会議で調整の上、議案又は資料として提出する
(前回 規程なし)

小委員会 設置せず (前回 設置)

(2)経過
(1)第1回~第3回長生郡市合併協議準備会(平成18年11月~平成19年1月)
 規約(案)は提案されない
 前回の協議会の経過を活かすと説明。

(2)長生郡市合併協議に関する議員説明会(平成19年2月5日)
 規約(案)は示されない、前回とほぼ同じと説明。
 「準備会会則」を資料として添付 (どういう意味があるのだろう?)

(3)第4回長生郡市合併協議会(平成19年2月22日)
 議題2 今後の進め方
「(2)法定協議会設置に必要とされる事項(規約等)については、参加する市町村の長が協議し決定する。」
 規約(案)は示されない。

(4)3月上中旬頃
 市町村長会議 原案(県当局と一宮当局で協議したもの)を提示
 茂原・長柄・長南は賛成、白子・長生・睦沢は修正を要求し反対
 3対3に割れたので、町村会長の一宮町長が原案に固執し決定した。
(と噂されている)
 本来であれば、半々に割れているのであるから決定を見送りもっと協議すべきであったという意見があり、そのとおりだと思います。

(5)白子議会は修正を求める声が多く、臨時会が決められない状況で、この動きを受け、白子町長は、再度一宮町長に修正できるか話をするが「すでに決まった事でしょう」と申し入れ一蹴した。(と噂されている)

(6)郡議長会は、各地の動きを見て再度、一宮町長に規約の説明を求める。
 3月下旬(各市町村臨時議会直前)午前中、一宮町長、長南町長が、郡議長会長副会長と一宮で会う。白子議長より3点での修正を申し入れる。
1.茂原市の学識経験者10人はおかしい、対等合併であれば同数(前回なみ)とすべき
2.議事決定の方法、過半数とするのはおかしい。合併という重要決定であるので、前回同様に全会一致で意見が分かれたときは2/3の賛成で決めるべき。
3.市町村の関係者でもない県職員に1票を与えるのはおかしい。
 ※市町村の自主的合併であれば、県は助言のみのはず。
これに対し、一宮町長は「原案のままいきたいので、議会に協力を願えるよう取りはからっていただきたい」とした。(と噂されている)

(7)各市町村臨時議会で可決 3月27日~4月9日

(8)長生郡市合併協議会
 4月10日設置 4月16日第1回長生郡市合併協議会
 名簿に委員の区分がない
 (前回は 名簿に委員の区分・職名等の欄があり市町村もわかった)

2.「合併の期日」を「4月1日」について
(1)第3回長生郡市合併準備会(議題1-(2)合併の期日)平成18年1月22日
 「合併の期日は、平成20年4月1日とする。」
 理由が文書化されていない。提案理由も曖昧である。

(2)「長生郡市合併協議に関する議員説明会」平成19年2月5日
 「合併の期日は、平成20年4月1日とする。」
 理由が文書化されていない。提案理由も曖昧である。

(3)第4回長生郡市合併協議準備会平成19年2月22日
 「合併協定事項」1.合併基本合意事項(4)合併期日
 「合併の期日は、平成20年4月1日とする。」
 理由が文書化されていない。提案理由も曖昧である。

(4)第3回長生郡市合併協議会 平成19年5月27日
 「合併の期日について」・・協議継続となる
 反対意見、代案が出たため。

 長時間の休憩もあり、持ち帰って検討となりましたが、波乱を予感させた。 

(5)第4回長生郡市合併協議会 平成19年6月11日
「対案の取り扱い」で混乱

はじめに、事務局(事務局次長:県より出向)から
「対案の取り扱いについて(案) (ルール決め)」
が提案され、混乱した。

「規約上、対案についての規定がないため、規約第11条第5項の『委員からの議案修正要求』の規定にならい、対案として採用するかどうかの採決をし、過半数の承認を得た場合に対案として採用する。」
これも事務局次長(県からの出向職員)が提案し、質問にも答えた。

この案は、理由も聞かず門前払いをする提案です。
本来、原案と対案(修正案)と両者の理由を説明しあって、話がまとまらなければ採決とするはずです。
当たり前ですが、これに対し、強行に反対する意見が出された。

 議長が採決をするが、起立が少なそうな様子を見て、数えずに協議を継続する事を繰り返す異常なことも起きた。

「少数者の権利」を尊重する会議の原則から、他の委員からの同意があれば修正案として取り上げ、協議しなければなないと考えます。また、採決の結果がどうであろうと、議論を通して長所・短所が明らかにすることは、長所を活かし短所を補う運用をするために必要なことです。

結局、「対案の取り扱いについて(案)」は、賛成多数で可決してしまいましたが、
本当に町村の意見に耳を傾ける協議となるか、運用次第となった。

とにかく、ロバートルール(議事法)にしたがった議事運営をしていれば
しなくても良い混乱であったと考える。

(5)同 第4回長生郡市合併協議会 平成19年6月11日
「合併の期日について」・・協議継続となる

3町村より修正案(対案)が提出された。
白子町 平成20年10月 1日
睦沢町 平成20年 9月 1日
長生村 平成20年10月13日
一宮町 対案なし

それぞれ、文書で理由も書かれていた。
第5回合併協議会で採決する事となった。

(6)第5回長生郡市合併協議会 平成19年6月25日
「合併の期日」睦沢町の案門前払い

事前に対案の調整が行われた。
睦沢町 平成20年 9月 1日
白子町 取り下げ 睦沢町の案に同調
長生村 取り下げ 睦沢町の案に同調

睦沢町長より、「対案として取り上げて欲しい」との説明があった。(*2)

その後、「対案として採用すること」を採決し、
44人中18人(人議長含む)の起立少数により否決された。

話し合う事に賛成:
県委員(知事の推薦する委員)、睦沢町(全員)、長生村(全員)、白子町(全員、議長を含む)、一宮町(一部)
話しあう事を拒否:
茂原市(全員)、長柄町(全員)、長南町(全員)、一宮町(一部)

ここで、規約の問題が、心配ではなく具体化してしまった。
話し合う事を拒否する姿勢こそ、
県の構想でもある「7市町村による一体感を活かした合併」を目指す努力を否定する勢力と考える。

その結果、「合併の期日」を「平成20年4月1日」にする理由は
文書化される事も、議事録に載る事も、なくなった。

3.財政計画
一般会計以外も、「新市基本計画(新市財政計画)」に入れべき。

「財政力指数」「実質公債比率」「将来債務比率」の状況と見通しが
載っていません。

「合併基本合意事項」(平成19年2月22日長生郡市合併協議準備会)では
「2.付属資料」 として平成17年度決算状況として添付してあっただけに
残念です。

7市町村の住民に「理解と協力」を得ながら、「7市町村の一体感」を活かした合併を進めるためには、財政の情報公開は不可欠です。
また、
各市町村の事業費の総計は800億円であるにもかかわらず、
財政計画には10年間で約490億円の事業費しか計上していない。
新市において、優先順位をつけて順次順位をつけて実施していくにしても
本当に、円滑な運営の確保や均衡ある発展のために
有効に活用されるのか
茂原市ばかりでなく、各町村に分配されるのかも不透明なままであり
このままの条件で合併して町村にとって良い結果となるとは
とても確信できない状況である。

合併新法(市町村の合併の特例等に関する法律)では、
第3条で、法定協議会の大きな役割として「合併市町村基本計画」の作成をあげている。
また、第6条で、基本計画には「(4)合併市町村の財政計画」を含む事としている。

4.準備会の「合併基本構想」、「スケジュール」どうなったのか?
長生郡市合併協議準備会(平成18年11月2日から)では、
「(仮称)合併基本構想素案」を作成することとなっていた。
これは、地方自治法第2条4項の「基本構想」に相当するものと期待した
しかし、実際は「合併基本合意事項」と称する程度のものしかできなかった。

また、
第1回準備会で示された(全体スケジュール案)では
本年2月頃に「住民説明会等」「合併の是非の判断」
3月中には2回程度、住民代表、特別委員長等の参加した任意協議会を開き
「基本構想案」の提示、承認、規約案等の提示が
示されていた。
もしも、このあたりから、想定通りに行っていないのであれば、
原点に戻り、慎重に検討する方が
将来的に、禍根を残さないことになるのではないでしょうか。

--
地方自治法第2条4項
 市町村は、その事務を処理するに当たっては、議会の議決を経てその地域における総合的かつ計画的な行政の運営を図るための基本構想を定め、これに即して行うように似なければならない。

---
(*1)第7回長生郡市合併協議会(会議録より p54)
【石井長生村長】 長生村の石井であります。いつもいろいろお世話になっております。長生村の状況について、少しご案内をさせていただきます。
我が長生村では7月13日から、この合併の問題についての住民アンケートを始めました。今月末の31日まで必着ということで、今、回収をしているわけでございますけれども、回収後、結果を順次、職員で整理整とんいたしまして、次回8月10日の合併協議会までに、議会の皆様と協議をいたしまして、今後の村の、今回の合併の問題についての、村としての方向性を決めてまいりますので、一応、あらかじめご案内をさせていただきたいと思いまして、発言の機会をいただきました。よろしくご理解のほどお願いを申し上げます。ありがとうございました。

---
(*2)第5回長生郡市合併協議会(会議録より p6~)
【御園生副会長】 お許しをいただきましたので、発言をさせていただきます。
睦沢町の御園生でございます。協議会開会直後に発言の許可をいただきまして感謝申し上げます。今回、私は一町長として合併問題審議に当たってまいりました。役割分担は、執行側委員として提案事項の事前の調査に当たってまいりました。例えば、各市町村の実情を把握して、町民の目線で将来的な見通しを考慮に入れながら、主張と譲歩の中で、将来性を視野に勘案しながら提案事項に取り組んでまいりました。審議過程で合意が不可能な場合は、採決によって、多数決もたびたびございました。結果的に、賛否の内容は4対3の極めて接近した数値での決定もございました。これから審議してまいります1市6カ町村の合併問題は、1世紀に一度あるか無いかの極めて重要な局面であり、我々は総合的な協議を重ね、最良の合意点、妥協点を見出すべく、瀬戸際のときに立っていると理解しております。
合併の期日に関しまして申し上げさせていただきます。事務局提案は平成20年4月1日との設置が公表されましたが、この責任を果たすための具体的な行為期間に不足を感じ、その観点から、3町村から対案が提出されました。その対案の1つでございます我が睦沢町の案について、これにつきましても慎重なご審議をお願いするものでございます。住民の直接選挙で選ばれました住民の代表機関としての議会の総意による対案でございます。極めて重い町民の声と受けとめます。そう受けとめてほしいと願うところです。この問題は、新しい市が発足する極めて意義深い日の決定、そして将来にわたって続くであろう行政体の出発の日でもございます。まず民主主義の原則に沿って十分な協議を重ねて結論を出すべきときであると、強く主張するものでございます。
地方自治体の運営の基本は、いかに住民に納得され、支持され得るか、極めて重要なポイントであり、出発点であろうと考えます。今、その重大な岐路に立っていると言えます。時間をかけて協議をし、結論づけることは、将来にわたって禍根を残さぬ合理的な唯一の道と言えるのではないでしょうか。
民主主義は結論づけるまでの経過が重要であると私は常々自分に言い聞かせ、そうして対応してまいっております。時の流れは永遠でございます。しかし、その時々の行為の執行は、適期であるか否かが極めて重要であると私はあえて言わせていただきました。この点につきまして強く主張申し上げ、できればご理解を願いたいと思うのでございます。ありがとうございました。 
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