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スイセンに似た花はたくさんあって、今まで見てみぬ振りをしていましたが、今回はシャッターを押しました。
なぜか。
それはこの花がスイセンではないのがすぐわかったからです。
葉がなく、太い茎の先端に花が集まっています。
これは、ヒガンバナの仲間です。
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ナツズイセン。漢字で、夏水仙。学名は、『ヒガンバナ科ヒガンバナ属のりん片をもつ種』です。
学名のヒガンバナ属の呼び名のリコリスが流通名になっているようです。
ナツズイセンの由来は、葉や球根(鱗茎)がスイセンに似ていて夏に咲くからということです。
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花弁は、外花被片3枚、内花被片3枚の6枚です。単子葉植物の花弁の標準形ですね。
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どこかで見たような花に似ています。
2019年に記事にしたムラサキクンシラン(紫君子蘭、アガパンサス)
似ていますね。
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調べるとユリの仲間で、ムラサキクンシランからネギとヒガンバナに分かれたそうです。
ムラサキクンシランは常緑種で葉は冬でも枯れず、花の咲くころに葉はあります。
ヒガンバナは花が咲いてから小さな葉が出てきて辺りの花が枯れた頃に葉が伸び、初夏に枯れます。
ナツズイセンはヒガンバナ属だけど、ヒガンバナと違い春に葉が出て初夏には葉が枯れ、夏に茎を伸ばして花を咲かせます。花が枯れた後は地上部での活動はなくなります。
葉を枯らすことで生活環境の多様化と、移動を容易にして勢力を拡大できるように進化したのでしょう。
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(Canon IXY DIGITAL 510IS)(2020年5月31日撮影)
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