リュウ庵

尼崎市住む猫大好き人間。
駄文を書くのも好きです。

祝福されるべき令和が・・・

2020-05-07 11:06:56 | 日記

昨年5月、令和新時代幕開けを機に、以下のような日記を書いた。

      ***     ***

平成から令和に移った今、まことにタイミング良い一冊に出会った。
朝井まかてさんの力作「落陽」(祥伝社文庫)である。
文庫本の帯に記された短評は、
「平成の天皇から令和へ。まさに、今読むべき1冊」とあり、
「明治天皇崩御直後に巻き起こった神宮造営の巨大なうねり。
日本人は何を思い、かくも壮大な事業に挑んだのか?
天皇と日本人の絆に迫る著者入魂作!」・・・と続く。
 
   

明治天皇の御陵は京都伏見の桃山陵になったため、政府は東京にご遺徳をしのぶ場として明治神宮創建

を計画、総力を挙げて取り組む。
大勢の意見は「神宮の森は森厳とした杉と檜など針葉樹林がふさわしい」だったが、林学者たちは「東

京は気候、土壌的に針葉樹は適さず、常緑広葉樹でなければ育たない」主張、人工の広葉樹林造成に決

まる。
全国から募った献木は2万本、150年後に神苑を包む森完成めざして壮大な植樹計画に着手したのは、

ご大葬と新天皇即位が終わった大正9(1920)年だった。
(中略)  
明治神宮の森は学者の150年の予想よりはるかに速く、100年もしないうちに人工林が自然林化、

22万坪の広大な土地に247種、17万本の広葉樹が神域を覆い、現在も明治帝の御霊を護っている。
 平成から令和へ・・・日本中が新時代の幕開けをこぞって祝賀したように、明治から大正にかけての大事

業、明治神宮創建もまた大きな時代の節目となったのだ。
 京都御所の大正天皇の即位を祝う大群衆は15万人、令和の新天皇を祝う皇居一般参賀には14万人。

直木賞作品「恋歌」の作家は、「落陽」で令和時代の「開かれた皇室」と日本人の新しい絆のあり方を、

問うているように思える。

        ***    ***

だが、祝福さるべき令和時代だったはずが・・・

わずかスタート2年で呪われた新型ウイルスに襲われてしまった。

厳しい自粛要請で、経済は大企業から街の居酒屋まで息を潜め、スポーツ・文化の灯も消えた。

国は100兆円を超える赤字国債を発行してコロナ対策費を捻出した。

すでに天文学的数字の赤字国債を抱えている国家財政に、将来さらに重くのしかかるだろう。

 

ソシアルディスタンス…ウイルス感染予防策として人と人の社会的距離を推奨し、大切な「絆」

をぶった切るようなおぞましい社会に、人々は疑心暗鬼になり息を潜めている。

「コロナを運んでくるな」と他府県ナンバーの車を阻止するあまり、打ち壊す暴挙まで続出した。

地域の連帯や助け合う優しい国民性まで、壊れていく・・・

 

海外ではコロナまん延を招いた犯人捜しをめぐって、国家間で不協和音のきしむ音が聞こえる。

見えない敵と戦う「コロナ戦争」後に、どんな世界を描き築こうとするのか。

「自国ファースト」続けるのか、新しい国際協調の枠組みを構築するのか・・・

人類の英知が問われている。

 

<一言、言い訳>
またまた回顧日記をもとに、お茶を濁しました。
テレビも、ロケなど外に出て新しく制作したものは少なくなり、回顧番組が目立つ。
ならば我がブログも・・・外出自粛の折、回顧日記を振り返りながら「今」を見つめるのもアリ
か、と言い訳している。