漫画/ハリソンさんはカノ紳士 Mr.Harrison is THE GENTLEMAN ― フランス通過編 ―(前半)

18世紀欧州が舞台の歴史ロマン。アヴィニヨンの薬屋小町クレールとハリソン&マルセル主従との運命の出会い。

クール男子ってずるいよな…

2010年12月11日 18時34分41秒 | 第18話/親子ごっこ

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *


 シュターミッツ一族はボヘミア出身で、
18世紀には、ドイツのマンハイム宮廷やフランスなどで音楽家として活躍していました。

 今ではオーケストラの弦楽器奏者の弓の上げ下げは、
各パートで揃っているのが当たり前ですが、
当時は揃っていた訳では無いらしかったのでした。
演奏も楽譜をもらって、
ぶつつけ本番で弾いていても特にヘンでは無かったらしいです。

 マンハイム楽派の開祖、
ヨハン・ウェンテル・アントン・シュターミッツ氏 ( 1717-1757 ) 率いるマンハイム宮廷楽団員が、
ちゃんと練習もして、弓も揃えて弾いている姿が粋でカッコイイと評判になり、
欧米の他の楽団でも真似るようになって、
それがフツーになって行ったとの事らしいです。

 で、この物語よりちょっと後のマンハイム宮廷楽団は、
英国の音楽学者チャールズ・バーニー博士 ( 1726-1814 ) によって、

「 全員が将軍の軍隊 」 ← これ、スポーツ団体や会社の優秀部門の褒め言葉でも使えそう。

― と大絶賛されたそうなのでした。

 ハリソンさんのような優しさが基調の人は、
クールな人に対して両価的感情を持っているのでした。
漫画のセリフの一方で、ああなれたらいいのにと、
羨望してもいるのでした。

 ところが、クールな人は、
恐らく当人は、それで自分の人生が得しているとの思いはほとんど無いでしょうし、
スマートな振る舞いは上辺だけで、
真実の姿は、むしろ不器用で無様だとすら思っている可能性もあるのでした。


 今日の続きは明日。