漫画/ハリソンさんはカノ紳士 Mr.Harrison is THE GENTLEMAN ― フランス通過編 ―(前半)

18世紀欧州が舞台の歴史ロマン。アヴィニヨンの薬屋小町クレールとハリソン&マルセル主従との運命の出会い。

紳士のお仕事(5/12) カミナリは高い所に落ちるんだから、しょうがない

2007年08月19日 16時09分40秒 | 第4話/紳士のお仕事

 またしても18世紀の作曲家が並んでいますが、

ヨハン・ゴットフリート・エッカルト(1735-1809)
ヨハン・ショーベルト(1735-1767)
ヨハン・クリスティアン・バッハ(1735-1782)

・・・なぜかみんなタメ。
この人達、今日では最後の一人、オーストリア神童の名声の陰に隠れていて、
「影響を与えた人々」と控えめに評価されていますが、
当時はとても高い評価を受けて、人気を博していました。

 エッカルトの曲は神童の初期のピアノ協奏曲へと編曲されています。

 ショーベルトの曲は現在の所、
「チェンバロ・ヴァイオリンとチェロのための4つのソナタop.16」
「チェンバロ協奏曲第4番ハ長調op.15」
が収容されている、2つのCDを作者は見つけて聴く事ができました。
この人の曲も神童の初期のピアノ協奏曲へと編曲されています。

 クリスティアン・バッハは、L.スターンがコンサートに行った事があるのだそうです。
この人の曲は、NHKFM「バロックの森」で時々聴く事ができますが、
何度聴いても覚える事ができないくらい、軽やかな旋律です。
お父上大バッハ様の曲の重厚さと、インパクトが強過ぎるのとは、対照的です。

 お父様の曲、♪ちらり~ん ちらりら りーら~♪はショックを受けた時に、
みんなが口ずさんでしまう名曲です。小学校の低学年の人達もこの旋律は知っています。
(曲名とか、作った人が誰かとかは知らないかも知れませんが・・・。)

 息子のクリスティアンさんの作品は、現代日本では作者のような前古典派音楽全般の愛好家が聴いたり、
神童さん研究者やファンの方々が関連作品として聴いたり、
もしかしたら、L.スターン研究者やファンの方々が、「ぜひスターン聖下と同じ体験をしたい!」と願って聴くか、
「バロックの森」のリスナーが「・・・ついでに聴いてしまっていた。」とかいう所でしょうか?

 カール・フリードリッヒ・アーベル(1725-87)は、クリスティアン・バッハと1765年1月23日から、
ソーホー街のカーライルハウスでほぼ毎週の水曜日に「バッハ・アーベル・コンサート」を開いていたそうです。
この人の曲も「バロックの森」で時々聴く事ができます。

 神童のコンサートに行ったという話は、第16話の予定で、
マイケルとベリンダというのは、ハリソンさんとお友達の夫婦の事です。
マイケルさんは、主人公の大学時代の「ご学友」でした。

 カミナリが電気の放電(ベンジャミン・フランクリンが1752年に凧を使って証明)だとか、高い所に落ちるとか、
今では「普通そうでしょ。」と思われていますが、
当時の欧米では「 カミナリは悪人の上に天罰として落とされる 」と言われていました。


 フランクリンが避雷針を考案した時に、聖職者が「だから余計な事をするな。」
というような事を言ったらしいのですが、フランクリンは、
「でも、カミナリは教会によく落ちていますよ。」とかわしたのだそうです。
ユーモアと茶目っ気たっぷりな感じで言って、端で聞いていたら吹き出しそうな雰囲気だったんでしょうか?


 ゴシック寺院なんて、いかにも「カミナリさんいらっしゃ~い」って感じで、
尖塔が空に突き刺さって、誘導しているって感じですからね。

〈次回の更新は8月25・26日の予定です。〉


 

 

 



 

 

 

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