商店街への、引越しも、ややこしかった。
昼間は、商店街なので、お買い物をするお客様、
往来をするひとたちで、にぎわっているので、
引越しは、できなかった。
また、商売をしている 他店の じゃまにもなるので、
引越しは、夜しなければ、いけなかった。
夜、9時ごろから、商店街に、トラックをいれて、
荷物を トラックからおろし、はじめた。
引越しを はじめたのが、夜9時ごろ、
にもつを、トラックから、おろしおえると、
なぜか、深夜2時頃に なっていた。
おかげさんで、
引越し費用も、高くついた。
引越し屋さんに、深夜手当てを、はらわなければ、いけなくなった。
翌日、お昼ごろ
近隣への、あいさつまわりをした。
洗濯用の粉洗剤
花王のふんわり「ニュービーズ」
と
「おかし」を、セットにして、
いっけん(一軒)あたり、約1,100円そうとうの
引越しの あいさつの 渡しもの(てみやげ)をした。
商店街なので、きりがなかった、
みぎも、ひだりも、まえも、ななめも、店、店、店、
店だらけだった。
区切りのいいところまで、あいさつ品(てみやげ)を、くばろうとしたが、
くぎりが、いいところまでは、けっこうあった。
結局、引越しの あいさつの てみやげを、頭をさげながら、30軒くらい、くばった。
「すみません、ちかじか、この商店街の、
てんぷら屋さんの前で、焼鳥屋を、はじめるものです、
におい、けむり等で、ご迷惑を、おかけしますが、
よろしく、御願い致します」
と、
てみやげをもって、あいさつに、まわった。
当店は、「京阪土居駅」近辺の、5つある商店街の中で、
「京阪商店街」に、店を かりたので、
「京阪商店街理事会長」には、とくに、ふんぱつして、
ほかとは、違うものを わたした。
京阪商店街には、えらいさんも、いっぱい いてて、
「理事」とか、「書記」とか、「事務」とか、えらいさんが、たくさんいてた。
僕は、きたばかりなので、なにがなんだかわからなかったが、
当店の 道をはさんだ、まんまえに、てんぷらやさんが、あるのだが、
その、てんぷらやさんに、
引越しのあいさつを しにいったとき、
商店街の事を色々、きいた。
聞いたと言うか、むこうから、おしえてくれた。
ここにも、めいわくをかけるとおもい、
ほかとはちがう、てみやげを、もっていった。
当店からみて、道を はさんだ、右ななめ前に、「いかやき屋」が、あった。
てんぷらやさんの 右どなりだ。
これが、メチャクチャややこしかった。
・・・・・
・・・・・
・・・・・
あいさつをおえた、翌日くらいだっただろうか、
「京阪商店街理事会長」が、集金に来た、
京阪商店街の、「入会金10万円」を、集金に来た。
集金に来た、2日後に、
闇金から、おかねをかりて、支払った。
なんとか、払えた。
払わないと、この商店街で、シャッターをあけて、
商売ができなかった。
高速道路の、支柱とか、駐車場のグリーンの金網とか、
あちこちに、そこらへんに はってある、
「お金 かします」とか、
「ローンOK」とか、
「保証人なしでも OK!」とか、
「こまったときは、まずお電話を・・・・・」
とかの、
張り紙に、電話して、かりた。
すぐ、10万円を、かしてくれた。
とにかく、はやかった。
でんわしたら、すぐかしてくれた。
怖い顔のおにいさんが、
ニコニコ、笑顔で、かしてくれた。
そのときは、ありがたかった。
が、
金利が、おもいのほか、高かった。
とんでしまうくらい、
高かった。
目が飛び出るくらい、高かった。
ほとんど、とびかけだった。
とぶときは、
夜逃げをしなければ、いけない。
ひっこしたばかりなのに、すぐ夜逃げ、
1日も、営業していないのに、すぐ夜逃げ、
なんのために、ひっこし したのか?
夜逃げするために、ひっこし したのか?
いつのまにか、
「とんで、とんで、とんで、とんで、とんで、とんで、とんで、とんで、とんで」
「まわって、まわって、まわって、まわるーーーー」
と、
「まどか ひろし」さんの、
「夢想花」を、
歌っていた。