GOODLUCK'S WORLD

<共感>を大切に、一人の男のスタンスをニュース・映画・本・音楽を通して綴っていきたい

「結婚したい人たちへ」

2010年11月06日 | Weblog
 今まで結婚しない人たちを数多く見てきた。その多くは結婚はしたいけれど、理想を落としてまで結婚をしようとは思わないという。この言葉を分析すると、「結婚は最優先ではない」という言葉に突き当たる。また「私の心を奪う人にも出会わなかった」という。ここには「待ちの姿勢」を感じる。あせり気味の連中が<婚活>という予備軍になっていく。

 以前日記の中で「結婚とは<偶然の産物>である」と自身の想いを語ったことがある。お互いの気持ちが一緒に居たいという熱い気持ちになることがまれであるからだ。そして、若いうちはお互いの心の内をさらけ出すことが容易だが、結婚適齢期となって年齢を重ねれば重ねるほど心の内をさらけ出すことも困難になっていく。言い換えれば自立すればすれほど自己の心の体積や質量が増えていくために、相手の気持ちを優先することが難しくなる傾向があるからだ。

                        

 阪急グループの創始者、小林一三氏は「どんな職業でもいい。結婚相手はその仕事自体が好きなのか。成功したい出世したいから、やむなく仕事をしているのか。そこを見ろ。自分の職業が好きで楽しみ夢中になって働く人を選べ」とタカラジェンヌに話したという。

 男性が自分の仕事を楽しみ夢中になって働いている時期というのは、若い時期のような気がする。30歳を越えて部下や上司に挟まれる年代に入ると、やむなく仕事をしている姿が決して少なくない。今の仕事が天職がと思う人の数は決して多くはなさそうだ。結婚を望む女性軍は、そんな男性軍を見て、「幼すぎる」、「やむなく仕事をしている」という印象を持つのではないか。また、実際に自分の仕事を楽しみ夢中になって働いている男性軍も少ないかもしれない。また、同じ25歳でも男性と女性の精神的年齢はかなりの違いがあるように思う。価値観の違いはこうした差からも生まれてくる。

 ここまでが私なりの一つの分析だったが、http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1011/02/news080.htmlの『イマドキ独身女子の、恋愛事情に迫る』の記事を読んでみると、意外な面が見えてきた。そして、その結果を私は好意的に受け取った。それは心の繋がりを優先することだった。

 結婚の条件ベスト3が、1位「信頼が持てる」、2位「価値観が近い」、3位「安心できる」だった。かつて“3高”と言われた「年収が高い」は28位、「背が高い」は33位、「学歴が高い」は45位、と大きく様変わりしたのだ。

 アンケートに答えた23~49歳の独身女性(1,184名)なら一度は社会に出て仕事をした経験を持った社会的に大人と云える。社会の不平等や不条理を少なくとも経験した人たちと云っていいだろう。日本は世界の中で最も平等な国の一つと数えられながら、現実の社会ではコネ入社がまかり通ったり、男女平等・機会均等といいながらまだまだ遠い現実に直面したり、学歴や学閥、男女の差が採用・昇格に影響したり、ただ美人であるだけてチヤホヤされることを自分の目で確かめてきた人たちだ。そして、いい加減な大人の男たち、信頼できない男の上司たちを自分の目で確かめてきたに違いない。

 かつての“3高”(年収・背・学歴)は、目で確かめられるものだった。しかし、現代の彼女たちが求める結婚の条件ベスト3が、「信頼」「価値観」「安心」だった。これは目に見えないものだ。心で感じるものだ。社会進出が遅れた女性軍が男性軍を評価するには目で見えるもので決断を下すしかなかった。しかし、社会進出を果たし、多くの男性軍と共に働くことによって、生涯の伴侶には「信頼」「価値観」「安心」が大切だと感じたに違いない。

 以前ViViという雑誌が「3K男子急増中!」を特集で取り上げたことがある。3Kとは、仕事に対して:「危険」「汚い」「きつい」だったが、この特集では「小ぎれい」「こだわる」「枯れ気味(SEXしたがらない)」だそうだ。
 この3Kにも「信頼」「価値観」「安心」が影響しているように思える。とにかく高度成長期経て、ようやく日本の女性は男性軍を間近に見られる時代に突入に、自らの判断で配偶者を選べる時代になったことは確かなようだ。このことを私は好意的に受け取ったのだ。

 気になる報告もあった。「彼氏がいる――30.7%」という報告だった。また恋愛に対し「相手からのアプローチを待つ方だ」という女性は73.3%。ちなみに独身男性も64.0%が「待つ」タイプと答えており、お互いが待っている状況のようだ。さらに恋愛の必要度合いでも「恋愛はしてもしなくてもよい」(58.2%)という人が「恋愛は必ず必要である」(41.8%)人を上回った。

 
 お互いに<待ち>の状態であることを知っておいて損はない。積極的にアプローチするのは学生時代は容易でも、社会に出てからは難しいと百も承知している。しかし、しかしだ。お互いに<待ち>の状態を知ったのなら、緩やかに一歩でも踏み出していいと思わないか。私は穏やかでも積極的な一歩をお奨めしたい。