35年もの時を経て 大学時代の親友と2度目の再会を果たす
しかし この再会は昨年の10月も感じたように35年の時の流れを感じさせなかった
お互いに連れ添いを見つけ お互いのファミリーを育ててきた長い旅
35年という長い別々の長い人生を旅してきたはず
なのに卒業後もすぐそばで二人が歩んできたかのような錯覚に陥るのは何故か
草の輝くような季節を 夢中で過ごしてきた時間がそうさせるのか
60歳を前にして お互いに残された時間は決して多くはない
大病を患っている彼は私以上にもっと切実に違いない
人生は砂時計を逆さにするようにはいかない
しかし 逆さにしたようなに新たな時間が加えられ 奇跡が生じている
あと3ヶ月という医者の言葉が真実なら
今まさに奇跡の季節を生きているのではあるまいか
私はこの奇跡を心から喜びたい
心通じ合う連れ添いを得た私たち
あなたの哀しみは決してあたなだけのものではなく
あなたの連れ添いが
大学時代の親友とその連れ添いが共有している
これこそ数少ない奇跡ではないか
この大切な奇跡を素直に心から喜びたい
残された季節はお互いにとって最後の季節となるだろう
結局 少し長いか 短いかの違いでしかないのだ
私たちが共感していることは
今このとき 若い頃のように孤独ではないという事実だ
このことはお互いに事実だとしっかりと認識できるはず
このことも貴重な奇跡だ
これらすべての奇跡を大切にしたい
長崎に来てこの奇跡を強く感じた
あなたもこの<長崎の奇跡>を共有して欲しいと心から願っている
そして これらの奇跡は決して天が造り賜うものではない
我らがコツコツと作り上げてきた甘い果実ではないだろうか
残された季節の中でその果実を精一杯味わおうではないか