神奈川県民ホールギャラリーでの国際平和美術展では
たくさんの方に「MOTHER&CHILD」をご覧いただきありがとうございました。
この作品は5年前に制作したものですが、予期せぬことの連続で、
色々な意味で思い入れのある作品です。
まずは、制作上、クリムト独特の描写を立体化するのに苦労したことです。
母親の身体のパーツの大きさが不自然なこと、
首の曲げ方がありえない角度であることなど、どう再現するか悩み、
完成まで予想以上に時間がかかりました。
完成後の試練は、作品の表面にシリコンのシミが浮き出してきたことです。
これはあわてました。
貼り直すため再度プリントを購入しようにも、購入元にすでに在庫がなく、
インターネットで探しまくった結果、ニューヨークのギャラリーに
同じ品番のプリントがあることを発見。
同じ品番でも色味や紙の質感が違ったりするのは常なので、
一か八かの注文でしたが、なんと全く同じものが届き、まさに奇跡でした。
さらなる試練は、某作品展に出展後、額が壊れて戻ってきたことです。
気に入った額装だったので、本当にがっかりしました。
明らかに、角から落とされ、横からぶつけられ。
作品も乱れ髪に。
結局、額も再度作り直しました。
その後は二人は穏やかに余生(?)を過ごしていましたが
この度また見て頂く機会を得られ嬉しく思っています。
ウイーンには無事に届くよう願うばかりです。