異形の仲間たち見聞録

私が見てきた精神疾患者たち

小説『呆け茄子の花 その十五』

2016年07月12日 01時05分54秒 | 小説『呆け茄子の花』

尚樹の関心事は「死」は、どう考えられたのか?

佛教学では、まず「インド人の考えたこと」である。

その後は「支那人の考えたこと」

そして「日本の考えたこと」の順である。

尚樹が学び思ったのは、「来世を想像することは、死に対する恐れだ」

ということだった。

しかし、尚樹の頭から「自死」は脳みそに粘着するようにこびり付いていた。

「来世がなくとも自死を望む」という一種取り憑かれたような考えになっているのだ。

数度、大學の休みを利用しながら、また入院しながら大學に通学しながら、

「自死」と向かってきた。

しかし、「自死への望み」は、さらに募るのであった。

「死にたい・・・」