異形の仲間たち見聞録

私が見てきた精神疾患者たち

小説 『ボケ茄子の花 その三十一』

2018年04月12日 16時14分12秒 | 小説『呆け茄子の花』

しかし、尚樹は勤め先の障害者パート職員という身分でしかない。

対して上司は『部長』という役職で、役員であってもおかしくない地位にあった。

朝夕、起き上がれなくなった尚樹はベッドの中で「頭重」に苛まれているだけであった。

全く思考は働かない状態だったのである。

ようやく、正月も月末になり尚樹の脳の中はしだいに鮮明になってきた。

思考も回り始めた。

今までの経験で尚樹なりに考えると、自分の考えだけで先行することは失敗が多かった。

そこで、気の置けない職場の友人に相談してみた。

彼は『N』といい、いつも冷静な答えを出してくれる友人であった。

彼に尚樹がPCで書き連ねた文書を手渡し、意見を聞いた。

年下のNはいつもの冷静さで尚樹に答えた。

「尚樹さん、この文章で良いと思います。

まずは尚樹さんの主治医に相談してみてはどうでしょうか?」と。

「Nくん、ありがとう。」といって、職場を後にし自室で思った。

「さぁ、反撃だ!」と。

 

 

その三十二に続く・・・

 

 

 

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