異形の仲間たち見聞録

私が見てきた精神疾患者たち

再開!小説 『呆け茄子の花 その四十八』

2021年04月04日 14時54分41秒 | 小説『呆け茄子の花』
永らく投稿をせずに参りまして申し訳ないことと思っております。_(._.)_
先ほどまで「終了のお知らせ」を書いていたのですが、「このような時期にこそ書いてみよう!」と思い細々と書いていこうと思い立ったところでございます。では、「再開、『呆け茄子の花 その四十八』」の駄文をどうぞ。

尚樹に身の上に突然の大きな転機が訪れてしまった。あえて「訪れてしまった。」というからには良い転機ではない。その日の朝の出来事である。この日は朝一番からある会議の準備に尚樹は忙殺される。参加人数分の書類のコピーや「主治医=部長」の業務に関する「道具」を取りに建物内を縦横に駆け巡らなければならない。
これが手間取るのである。各部屋に置きっ放ししがちである主治医であるが故、いわば「ひろって歩く」のである。なければ、ならず必死に会議に間に合わせても「あっ、そう」の一言にも足らないような言葉で済まされるのであるから、まったく報われないのだ。この会議は会社の関係部署の人間ばかりで無く、他の行政機関、民間企業からも参加するため「シャンシャン会議」では済まないので終了時間もまちまちであるので、その後の予定も組みにくい。そんな中、尚樹は「ある仕事」を上司に断らなければならなかったことが頭の中を支配しており、この日の会議で「とちり」つまりは「忘れ物」をしてしまい。会議中に外部の人間がいる前で主治医から厳しく叱責を受けたのである。そればかりか、会議後にその「断り」をしなければならなかった。会議終了後、尚樹は資料の片付けをしながらいると上司と二人っきりになるタイミングを計っていた。運良く他の関係者は退出し、主治医/部長と二人っきりになった。以前に会議後に厳しく叱責を受けたことで二人にはなんだか話す雰囲気は流れておらず、しかしこのことは離さないわけに行かないことであったので「すみません、春から研修を受けていた仕事なのですが、自分には向いていないのでお断りしたいと思います。」社会的にはあり得ない事かもしれないが、尚樹の心中は「このまま続けていては迷惑が掛かる。」思いが強く、断ったのであるが・・・。「主治医=部長」は「そんなことを言って君は『卑怯』だと思わないのか!?そんなことは認められない、課長を呼べ!」といわば『ヒステリー』を起こし、私は課長を呼びに部屋を飛び出した。課長は訳のわからぬまま尚樹と会議室に来て、課長の面前で尚樹が改めて叱責されるのをただ見ているだけであり、時折主治医から同意を求められた際に首肯するだけであった。最後に「認められないから!」という言葉で終わり、尚樹は課長を残し会議室を後にした。自室に戻った尚樹は直属の上司である課長から電話が掛かり課長の部屋へ赴いた。課長は隣の部屋へ促し、二人っきりで話した。「尚樹さん、どういうことなんですか?部長から聞いたのでは、あの『ヒステリー振り』では内容解らないんだよ。」と困惑する課長に対し、新たに「試しで」仕事をすることになった「医療事務」が尚樹には向いていないこと、部長からは先週「向いていなければ、辞めても言い」と言われたことなど説明し、その矛盾もできるだけ私感を入れずに話した。課長はただ「う~ん」とうなって「私もよく怒られるし、その度やり過ごしてきた。今回もガマンしてくれよ。」と、お得意の「事なかれ主義」を発動した。尚樹は返事をせずままに部屋を後にした。自室にもどった尚樹は、いつになく平静であった。
それはなぜか・・・




その四十九につづく・・・


私の亡失のため、設定の変更いたします。(小説にこんな事はあり得ないのでありますが)
(~_~;)
・主治医/部長(♀)
・直属の上司/課長(♂)以上です。




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