異形の仲間たち見聞録

私が見てきた精神疾患者たち

異形の仲間たち見聞録 「思い付くままに回想2『開かなかったドア、開けようとしなかったドア』」

2021年11月23日 00時17分22秒 | 異形の仲間たち見聞録
私が訪問支援者デビューの第一号の通称「Bちゃん」。
私より一、二歳年上でした。とても愛嬌のある当事者さん。
最初はちょっと私に対して構えたものの、主治医が同じだったこともあり、
意気投合して、病院とマンションの往復をよく話しして行っておりました。
訪問は3人で行きます。うち二人はPSW(精神保健福祉士)。
NO資格者は私一人、と言った具合です。
PSWの内の一人は当事者なんでありますが、今ひとつ積極的になれない支援者
なのでありますが、健常者PSWは何人をも訪問支援をしていることで
慣れたものなのです。ですが、観察眼が冴えております(ピカーン)

私は私なりの「接し方、目線の高さ」は誰にもひけは取らないつもりです。
・・・で、ある日いつものように三人でマンションへ迎えに行ったのですが、
チャイムを鳴らしても、ノックしても応答無し・・・。
健常者PSWは「後日、私来てみます。」とのことでした。
その時、私は「今、大家に来てもらわなくていいのか?相手は『当事者』
だぞ!?」と思いましたが、初任者でありましたから「否や」はありません。
心残りのまま後にして、次のミーティングで健常者PSWの口から
「Bさんが自宅で心肺停止で発見されました。私と(健常者PSW)大家さんで
発見しました。」という訃報...。
後日、Bちゃんの葬儀に行きました。老母が喪主で父親はすでに逝去していて
健常者PSWが親身になって老母のお世話をしていたと聞きましたが
障害者の仲間たちが、一番安い葬送の会館の部屋に大挙として押しかけてきました。
ですが、Bちゃんの身内は老母ただ一人。
精神障害者は「身内であっても存在は内密」であって、死んだことも内密。
なんとも哀れではありませんか・・・。
私の接してきた多くの精神障害者の家族は身内には秘密の存在として
いるのが現状で、「座敷牢」時代からそんなに進歩していないのです。
なにが「脱 病院」だ!
















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