異形の仲間たち見聞録

私が見てきた精神疾患者たち

小説『呆け茄子の花 その十一』

2016年05月08日 02時03分12秒 | 小説『呆け茄子の花』

友人Yから大学を勧められたものの尚樹が住む田舎には

あると言えば、「国公立大学」で『社会人入試』などやっていなかった。

となると、外に出なければ行けなかったが、道場生40人あまりのことを思うと、

すぐさま「YES!」とは言い難かった。

尚樹はずいぶん悩んだ・・・「再就職すべきか、進学すべきか・・・」

最後に背中を押したのも友人Yであった。

「道場に指導者の代わりはいるはず。今まで尚樹に依存していたのが間違い。」

というモノであった。

確かに尚樹は、自分の仕事があっても職場の先輩や後輩に後をお願いして、

早々に職場を定時に後にして、道場に向かうのであった。

尚樹は自分に「ここは自分の為の選択をしよう!」と言い聞かせた。

尚樹を道場で育ててくれた先生には事前に「・・・こういう訳で。」と言い。

道場の忘年会で20人近く集まった父兄、社会人道場生に

「来年には大阪の大学に進学する!」と宣言したのであった。

今まで道場の実情は「尚樹依存」だった為、皆の衝撃は強いように見て取れた。

 

 

 

その十二に続く

 

 

 

 

 

 



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