瀬尾まいこの「優しい音楽」を図書館で借りて読んだ。なぜ借りて読もうかと思ったというと、表紙の絵が素敵だったからである。ちなみに装画の作者は金子恵さんという方である。
この本は3話の短編から構成されているが、それぞれの話は独立していて関連はない。個人的には3話目の「がらくた効果」が一番気に入った。同棲している女の子が元大学教授で今はホームレスの男性を連れてくる内容だが、妙にリアルである。2話目の「タイムラグ」は不倫相手の娘を預かる話で、表題作の「優しい音楽」は家族の死にまつわる話でもある。
それぞれのテーマは重くて深刻になるうるものだが、それを日常生活レベルでさらりと処理しているのが、この作家の力量なのだろう。文章自体も読みやすく、作者はすいすいとペンは走らせている(あるいはキーボードを叩いている)印象を受けるーあくまで僕の勝手な想像です・・・・・・日常生活のバランスをとるには、なかなかよい本で、図書館にもまだ数冊あったので、今後、読破したい作家さんの一人となりました。
辻仁成は知人がファンだというので、またまた図書館で借りてきた。仁成は「ジンセイ」と読むのか「ヒトナリ」と読むのか謎であったが、「ヒトナリ」であった。僕の世代では辻仁成は中山美穂の旦那というイメージが強い。どうでもいいことだが。(奥さんもそういう理解をしていた)「オープンハウス」も3話で構成されているが、1話と2話は物語の続きという感じで3話はその番外編といった感じです。
最も印象に残ったのは、3話の主人公の女性のじんましん体質の描写である。一種のアレルギー体質だが、じんましんというのは本当に大変なのだなあとしみじみ思う。もちろん作者はじんましん体質が大変だあ! ということを書いているわけではないのだが、私の感想はそうなのだ。
実は僕もアレルギー体質で、急性副鼻くう炎、中耳炎、気管支喘息(今も薬を噴霧している)アレルギー性鼻炎などなどの病歴がある。僕の喘息発作は医者によると中の下くらいの大したことはないらしいのだが、本人にとっては死んでしまうのではないかと感じるくらい辛かった。(もっとも点滴で直るくらいなので、たいしたことはないのだろう?) だからアレルギー体質の人に対する共感は当然強い。
ところで僕がもっともアレルギー体質の大変さを感じた本は稲泉連の「僕らが働く理由、働かない理由、働けない理由」だ。第3章「すべてを音楽にささげて」で登場する健二君のアレルギー症状―彼の場合はアトピーなのだが、これが凄惨の一言に尽きる。生死に関わる重い問題だ。肉体が崩れていくという文言があるが、まさにそのとおりの症状なのだ。このケースを読むとつぐつぐ人間の体というものは、微妙なバランスで成り立っているものだなあと思う。
書評もどきを書こうと思ったら、途中でアレルギーの話になってしまったが、たぶん私はこういう人間なのでしょう。
この本は3話の短編から構成されているが、それぞれの話は独立していて関連はない。個人的には3話目の「がらくた効果」が一番気に入った。同棲している女の子が元大学教授で今はホームレスの男性を連れてくる内容だが、妙にリアルである。2話目の「タイムラグ」は不倫相手の娘を預かる話で、表題作の「優しい音楽」は家族の死にまつわる話でもある。
それぞれのテーマは重くて深刻になるうるものだが、それを日常生活レベルでさらりと処理しているのが、この作家の力量なのだろう。文章自体も読みやすく、作者はすいすいとペンは走らせている(あるいはキーボードを叩いている)印象を受けるーあくまで僕の勝手な想像です・・・・・・日常生活のバランスをとるには、なかなかよい本で、図書館にもまだ数冊あったので、今後、読破したい作家さんの一人となりました。
辻仁成は知人がファンだというので、またまた図書館で借りてきた。仁成は「ジンセイ」と読むのか「ヒトナリ」と読むのか謎であったが、「ヒトナリ」であった。僕の世代では辻仁成は中山美穂の旦那というイメージが強い。どうでもいいことだが。(奥さんもそういう理解をしていた)「オープンハウス」も3話で構成されているが、1話と2話は物語の続きという感じで3話はその番外編といった感じです。
最も印象に残ったのは、3話の主人公の女性のじんましん体質の描写である。一種のアレルギー体質だが、じんましんというのは本当に大変なのだなあとしみじみ思う。もちろん作者はじんましん体質が大変だあ! ということを書いているわけではないのだが、私の感想はそうなのだ。
実は僕もアレルギー体質で、急性副鼻くう炎、中耳炎、気管支喘息(今も薬を噴霧している)アレルギー性鼻炎などなどの病歴がある。僕の喘息発作は医者によると中の下くらいの大したことはないらしいのだが、本人にとっては死んでしまうのではないかと感じるくらい辛かった。(もっとも点滴で直るくらいなので、たいしたことはないのだろう?) だからアレルギー体質の人に対する共感は当然強い。
ところで僕がもっともアレルギー体質の大変さを感じた本は稲泉連の「僕らが働く理由、働かない理由、働けない理由」だ。第3章「すべてを音楽にささげて」で登場する健二君のアレルギー症状―彼の場合はアトピーなのだが、これが凄惨の一言に尽きる。生死に関わる重い問題だ。肉体が崩れていくという文言があるが、まさにそのとおりの症状なのだ。このケースを読むとつぐつぐ人間の体というものは、微妙なバランスで成り立っているものだなあと思う。
書評もどきを書こうと思ったら、途中でアレルギーの話になってしまったが、たぶん私はこういう人間なのでしょう。
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