西野了ブログ テキトーでいいんじゃない?

日々浮かんでくる言葉をエッセイにして・・・・・・。小説は「小説を読もう 西野了」で掲載中です。

沢木耕太郎「深夜特急」の独断的読み方について

2023-10-11 16:57:46 | Weblog
 わたくしは読書会に入っておる。同じ本でも人によってかなり違った読み方をするのに、最近ようやく気づいたのだ。遅すぎるし鈍いのだ!
 わたくしは沢木耕太郎さんの作品を読んだことがない。それで「深夜特急」って勝手に推理小説だと思い込んでしまった。何故か沢木耕太郎さんを推理小説作家だと勘違いしていたのだ。
 この作品は大ヒットしたらしい。

 1973年頃に沢木耕太郎さんは日本を抜け出して香港からマカオ、マレーシア、シンガポールへと貧乏旅行をする。でも貧乏くさくないのだ。最後はロンドンに着くらしい・・・。

 沢木耕太郎さんの旅行の仕方がさすが高度経済成長期の影響なのか適当というか鷹揚というか豪快である。何の情報もなく香港の真ん中で「一番安い宿はどこデスカ?」と現地人に訊いて怪しげなラブホテルに一定期間滞在する。そこで街をウロウロして安い食堂とか見つけてウダウダする。ほとんど観光地とかに行かずに現地の生活に深く潜入するといった感じだ。
 
 こういう旅行は現在ではなかなかできない。わたくしは何故か海外に行ったことがない。あまり行く気がなかったのだが、今は行きたいところはある。しかし沢木さんのような逞しくて自然な旅行の仕方は出来ない。わたくしはタフじゃないから。

 ところで何故、沢木耕太郎氏は良いとこの会社を一日で辞めて、ゴロゴロしていたのであろうか?わたくしの勝手な妄想だが70年安保を若かりし沢木氏は敗北と総括したのかな?と推測しました。そして日本の高度経済成長を見て、「こんな日本は嫌じゃ、日本に居たくない!どこかよその国に行きたいにゃあ」と思ったのではないか。新安保条約締結を敗北と見なしたのならアメリカに当然行かない。やはり日本人ならアジアである。

 日本は歴史的に見ても朝鮮半島、中国との交流は深く、人種的にも東南アジア的な容貌の方もかなりいると個人的に感じる。やっぱりお米を食べてるしね。日本はアジアの一員なのだ。

 沢木さんがこの「深夜特急」を書いたのは旅が終わって15年後だという。1986年に初版が出版されているがバブルが始まった年でもある。沢木さんは高度経済成長期に旅に出てバブル期にこの本を世に出したのは、日本の国の在り方に反発していたのかなぁと、わたくしは勝手に思った次第であります。
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久しぶりにクラシックコンサートに行く

2023-10-03 08:36:24 | Weblog
 松山市民コンサートというクラシック鑑賞団体というものに入会した。一定の会費を払って年に数回の演奏会を鑑賞できるのだ。
 昨日、トリオ・アコードというトリオを聴きに行った。このトリオは知らない。わたくしはクラシックは好きだけど詳しくない。最近はジャズ関係のセッションとかシャンソン関係の音楽を諸般の事情で聴いていたが、何となく演奏者とオーディエンスが和気あいあいが嫌になってきた。仲良すぎでベタベタするんじゃない!と偏屈オヤジである。まあプロのジャズやシャンソンの人達は営業も大変だからね。
 さて最初はモーツァルトピアノ三重奏曲変ロ長調K.502、知らない。しかしモーツァルトは優しいのうと聴きました。次にシューマンのピアノ三重奏曲第3番ト短調op.110,、知らない。しかしシューマンは幻聴とか聞こえたヤバイ人だというのは知ってる。やはり彼の曲はときどき狂気の匂いがしてハッとさせられるが、よくもこういう精神状態で曲が書けるものだと感心する。負のエネルギーが凄くて演奏者があっちの世界に行っちゃうんじゃないかと心配してしまう。
 こういうピアノ三重奏曲って3部構成かと思ったら第4楽章まであってパンフをいい加減に見てたから知らなかった。第3楽章終わった時にパチパチと拍手をしてしまいそうになったが他の人が拍手しないので止めといて良かったです。
 最後はメンデルスゾーンのピアノ三重奏曲第2番ハ短調op.110だ。当然これも知らない。わたくしは「クラシックTV」という番組を見て、メンデルスゾーンは何でも屋さんでいろいろなことが出来る人という印象を持っていた。何かフワフワとした曲を作る人みたいな感じだったけど、全然違う。メンデルスゾーンは命を激しく燃やすことのできる天才だったのですネ。
 長く生きてきたせいか、以前よりも楽曲の細かいところに気づくことができたような気がします。歳を重ねると良いことがあるもんじゃ。

 大体わたくしは演奏会で売ってあるCDは買わない。ケチだから。それにその時の感動とか興奮とかで発作的に受付場所近辺で、CD買ってサインをもらうのってバカじゃないのって見下す下劣で傲慢な男でもある。しかし今回はトリオ・アコードのCDを買ってホイホイとサインもしてもらった。CDの外のビニール袋を開けれないので(不器用かつ指先に力が入らんのじゃ)メンバーに人にやってもらったし・・・。おまけにCDの演奏曲は今日の演奏とは関係ないベートーヴェンだし。でもいいのである。トリオ・アコードを応援したくなったのだ。
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