西野了ブログ テキトーでいいんじゃない?

日々浮かんでくる言葉をエッセイにして・・・・・・。小説は「小説を読もう 西野了」で掲載中です。

お好み焼き屋の憂鬱

2010-04-23 22:30:11 | Weblog
「てめぇ、ぶっとばすぞ!」
「だって」
 そう言い終らないうちに、黒い制服を着た中学生が吹っ飛ばされた。彼の座っていた椅子も「ガターン!」という激しい音とともにひっくり返った。
「ムカつく!」
 カミソリのような目つきの男の子が「ダン! ダン! ダン!」と足音を故意に響かせ、そのお好み焼きやから出て行った。
「痛ーっ」
 頬を押さえながら吹っ飛ばされた中学生が起き上がった。
「だから村井に逆らったらダメって言ったじゃん」
 同じ制服を着た小柄な男の子がお好み焼きをパクつきながら、平然と言った。
「あいつ先月もサッカーの試合で木村っちの鼻の骨を折っただろ」
 隣に座っている長身でやせぎすの少年は少し嬉しそうに話題に加わった。
「あーっ、いっててて。顔の骨は折れてないみたい。村井のバカ、俺が『だけどっ』て言っただけで切れやがって」
 殴られた中学生はブツブツ言いながらも、再びお好み焼きを食べ始めた。
 10分後、彼らはレジに向かい支払いをすませた。
「あら、あなたたち、1人分足らないわよ」
 バイトのタミちゃんが不機嫌そうに言った。
「えーっ」
「何だよ」
「あーっ、村井の分だよ。あのバカ、金払わないで帰っちまったんだよ」
 3人は殴って先に帰った男の子を「ボケ」だとか「ビンボー人」だとか「セコッ」とか言っていたが、誰も彼の分を支払おうとしなかった。
「あなたたち、友だちでしょ。1人200円ずつ出したらいいでしょう」
 タミちゃんはかなりイライラしている。
「俺、あいつと友だちじゃないもん」
「俺も」
「わたしもー」
 やせた男子が女の子のような仕草をし裏声で言った。ほかの二人はギャハハハーッと笑った。タミちゃんの右目の上の皮膚が怒りでピクピクと引きつっている。慌てて美人のママさんが彼らに優しく言った。
「あなたたち、ここはともかく彼の分を支払って、あとから彼にお金をもらったら?」
「ちぇ!」
「誰だよ、あのバカ誘ったの」
「村井が勝手について来たんだよ」
 彼らはまたも文句を言いながら、けれども先に帰ってしまった男子分の支払いをすませて出て行った。
「もーっ」タミちゃんは深いため息をついた。
「今の中学生は、あんなもんよ」ママさんの言葉に「そうですかぁ」とタミちゃんは不思議そうに答えた。
「アハハハーッ! あんたそれでどーしたん?」
 鉄板を囲んだテーブルから女の大声が響いた。茶髪の女が携帯電話でビールを飲みながら大声で話している。隣に座っている夫は「スラムダンク」を熱心に読みながらイカ玉のお好み焼きを頬張っている。そのお好み焼きは甘口ソースがドロリと乗ってさらにマヨネーズも層をなしている。お好み焼きに乗り切れなくて鉄板に溢れ落ちたソースやマヨネーズが、ジュージューと音を立てて焦げている。二人の向かい側には女の子がケータイでメールを打ち、男の子がケータイでゲームをしている。
 ママさんはその様子を見て眉をひそめた。以前その女性にやんわりと言ったことがある。
「ソースやマヨネーズをたくさんかけなくても、美味しいですよ」
「ああ、そう」
 だがその家族が来るとマヨネーズ1本が空になるのだ。
「エビ玉あがりました」
 タミちゃんの元気な声がカウンターから聞こえた。
 常連客のジョンがカウンターの奥の席に座っている。地味だが質のよいトレーナーを着ている彼はあまり喋らない。
 ジョンは目の前のエビ玉に辛口ソースを薄っすらと塗った。それから青海苔と鰹節を少しだけ散りばめた。そして丁寧にお好み焼きを切り分け食べ始めた。ときどき日本茶を美味しそうにすする。タミちゃんはジョンからこんな話を聞いたことがある。
「ロサンゼルス・ドジャーズのトーリ監督は癌を患った後から、日本茶を愛飲している。僕も日本茶が大好きです。身体がきれいになる感じがする」
 ジョンの前にいるとママさんはようやくほっと一息つくことができた。タミちゃんも嬉しそうにジョンの湯のみにお茶を入れなおした。
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NHKの受信料25,520円は高いような気がする

2010-04-17 00:32:10 | Weblog
 先日、NHK放送受信料のお知らせハガキが届いていた。さすが国営放送っといったところで、25,520円を口座引き去りするのに、さも当然という文章である。
 しかし年間の受信料は25、520円というのは、庶民感覚がらすると圧倒的に高い。受信料を徴収している世帯の数はいったいどのくらいあるのだろうか? 1千万世帯を超えているのだろうか。それとも「私はNHKはいっさい観ていません」と腹をくくっている人がたくさんいるのだろうか? このあたりのことは、まったく謎ですべては闇の中で葬られているのか? わからない、わからない・・・・・・
 ところで最近は若者のテレビ離れが進んでいて、20代の男性なんかはケータイとかパソコンの動画で間に合わせているらしい。そういう人たちは本当にNHKを観ていないのだろう。
 しかしが私のように人生の分水嶺を越えてしまったものは、間違いなくNHKを観ていると思う。それはなぜか? NHKが面白いのか? 否! NHKは民放の番組よりうるさくないからというのがその理由である。
 最近の民放番組はやたら騒がしくて1時間も観てしまえば、おじさんやおばさんはもうたくさん、勘弁してくれと感じてしまうのだ。これは、どちらかと言えば生理的は反応である。さすがにNHKは民放番組ほどうるさくはない。(ドタバタ番組が比較的少ないのだ。但しそれはあくまで相対的なもので、紅白歌合戦などはまさに民放も真っ青なお下劣・恥ずかし・早く止めたらいいのにNO1番組である!!)
 それからNHKには教育テレビという強力な隠し玉がある。僕は思うのだけど、全てのテレビ番組の中で、もっとも実用的なチャンネルはNHK教育テレビではないかと51年の人生を振り返りしみじみ思う。おそらく中年のおじさん、おばさんは結構教育テレビを見ている。
 それでも「私はNHKはいっさい観ていません! ええ、誰がなんと言おうと、たとえ阪神が巨人に勝とうと、ジョニー・ディップの歯が白過ぎようと(注:「チャーリーとチョコレート工場」参照)、受信料を払うような行為は生まれてこのかた、いっさいしていまへん!」と言い切る中年はまさに剛の者といえる。おそらく、そんなことを言うことができるのは、大阪のおばちゃんくらいではなかろうか?
 少し話が横道に逸れたが、あまり信用されていないNHKが信頼回復するには、受信料を払っていない世帯には番組を映らなくさせればよい。WOWOWがそうしているのだから、NHKができないはずがない。このやり方だと「NHKを観ている、観ていない」という不毛の論議をしなくてもいいし、受信料を徴収する人の負担もなくなる。
 けれどもこんな簡単はことすら今までしていないということは、つまりニッポン国民は1人残らずNHKを見てしかるべきだあ! という親方日の丸的な体質が某国営放送局には骨の髄まで染み込んでいるということなのだろう。
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財布が重いのはカードが増えるから?

2010-04-13 22:09:52 | Weblog
 私の財布にそれほどお金が入っていいなくても、何だか財布が膨らんでいて重い。カードを取り出してみると、あるわあるわ! といった感じです。
 財布に一番手前のポケットには最もよく使うカードが入っている。それは宇和島市立図書館の利用者カードなのだ! 次にドラッグストア・ササオカのカード。ドラッグストアで何を買うかといえば、以前は食パンに牛乳、最近ではサラダせんべいに安売りのウイスキーとティッシュペーパー(アレルギー性鼻炎なので)とあまり薬品関係は買ってないけど、なぜだが私はこのドラッグストアによく行ってしまう? それも鬼北町にある店についつい行ってしまう・・・・・・。3番目はローソンのポイントカード。だけどコンビニで一番よく行く店は鬼北町のサンクスで次にローソンである。(ローソンは宇和島市内の店3つに同じ頻度くらいで行く)なぜ鬼北町のサンクスによく行くかと言うと、その前の国道をよく車で走るからで、その理由は立地条件以外のなにものでもない。
 あとお楽しみなのは中国亭とブックランドのスタンプカードで、この二つは何回もスタンプがいっぱいになって、割引してもらったことがある。500円とか1000円なのだけど、これが妙に嬉しい! その反面ローソンのポイントカードで割り引いてもらうときは50円とか100円なので、こっちは何となくローソンの店員さんに申し訳ない! とわけもなく思ってしまう。
 そしてこれまで何回ももらったけど、一度も役に立たなかったのがミスタードーナツのカードなのだ。私はドーナツが好きで、ときどき無性にドーナツを食べたくなって、ミスタードーナツに行くのだが、それが年に1回か2回くらいで当然ポイントは溜まらず有効期限が過ぎてアウト! になってしまう。それに宇和島のミスタードーナツは女性客が多くて(全国どこでもそうか?)カウンターに女性がたくさん並んでいると、それ見ただけで戦意消失に陥ってしまう。しかもこの店のカウンターは狭くて並びにくいということもあるのだ。
 そのほかには赤松酒店(友人の店)のカードがあるけど、これはいったいいつになったら割引がきくのかまったくわからない謎のカードである。ある日唐突にご主人が「ポイントがいっぱいになりました」と言って、500円引きのレシートをくれるのである。(感光紙のぺらぺらのレシートというところも凄い)
 あと、洋服のはるやまとツタヤのカードがある。洋服はなぜ「青山」でなく「はるやま」なのかというと深い理由はない。最初にスーツを買ったのがたまたま「はるやま」で、そこでカードをつくってもらったから、「はるやま」を利用しているだけである。でもこれってお店の販売戦略に見事にハマッテしまっている? 
 それからツタヤのカードを見ると交通標識を連想するのは私だけでしょうか。 ツタヤのカードを見るたびに少々違和感を覚えてしまうのだ。
 
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やはり野球は面白い! みんなでプレーオフを廃止しよう!

2010-04-08 22:18:28 | Weblog
 久しぶりに日本のプロ野球をテレビで観た。私は30年以上もタイガースファンなので、観戦したのはもちろん甲子園での阪神・巨人戦である。2010年もにっくき巨人は強い。今晩も5対8でジャイアンツの勝利である。まあしかし真のタイガースファンは弱いジャイアンツなど興味がない! 強いジャイアンツをタイガースがやっつけるというのが、正しい阪神・巨人戦の見方なのだ。それに原監督は私と同い年なので、それほど嫌いではない。(以前原監督がナベツネから放り出されたときは同情したものだ・・・・・・)
 ところで、今年は日本のプロ野球人気復活のチャンスである。なぜか? 
 まずサッカーワールドカップで日本はすぐ敗退するからです。日本の多くのサッカーファン、否スポーツファンは今回日本代表チームはワールドカップに出なかったほうがよかったのではないかと心配している。予選リーグの対戦国はいずれも強豪ばかりで、日本チームの今の実力からするとぼこぼこにやられて、恥ずかしい思いをしてしまうのではないかと不安の種はつきない。ひょっとしてアジア予選のときのほうが強かったのでは? と感じるのは私だけでしょうか?? 日本の成績は冷静に考えれば3戦全敗、神風が吹いて1分2敗、カメルーンあたりが集団食中毒になったら1勝2敗。ということで、スポーツファンのサッカー人気が下がる今年は大チャンス、ライバルの凋落にすがるというのもセコイ気がしないでもないが、日本プロ野球の現状はそんなことを言っている場合ではないほど危機的なのだ。
 それからテレビ番組の質の低下も追い風になっている。民放テレビの番組は笑えないバラエティばかりで、スポーツ番組がものすごくまともに見えてしまう。毎日毎日同じ芸人たちが、使い古された話をして編集された笑い声でお茶を濁している。多く視聴者はもういい加減あきれてしまって、うんざりしている。だから若者はテレビを見ないし、私もお笑いはレッドカーペットしか観ていない?
 そして最後に言いたいのが、日本プロ野球の改革である。私は結構何度も言っているので、若干しつこい気もするのだが、やはり声を大にして言いたい。客寄せパンダのプレーオフを止めないかぎり、日本のプロ野球は凋落の一途を辿る。このことは野球を愛する人、全てが思っていると言っても過言ではない。現在のペナントレースは優勝争いではなく3位争いになってしまっている。たった12チームしかないのに6チームもプレーオフに出るな!どうして3位チームまで救済措置をしているかというと、消化試合対策だからです。しかし野球ファンにとっては消化試合などないのだ! 選手が必死でプレーをしていれば5位と6位の試合だって一生懸命応援するしゲームも楽しめる。日本プロ野球機構は選手のモチベーションを下げることばかり考えずに、天然芝のグランドを増やしたり、応援もどきの騒音を止めさせるよう知恵をしぼってほしいものです。
 
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