西野了ブログ テキトーでいいんじゃない?

日々浮かんでくる言葉をエッセイにして・・・・・・。小説は「小説を読もう 西野了」で掲載中です。

脳脊髄液減少症患者は全国で約30万人

2008-02-18 09:32:44 | Weblog
 この病気を知ったのは、数年前の新聞の記事からだ。患者さんは中学生の女子だったと記憶しているが、バレーボールのスパイクが頭部に当たり、発病し激しい頭痛、吐き気、記憶障害などの症状に悩まされているとのこと。
 脳脊髄液減少症は、上記のように交通事故やスポーツ外傷などにより、頭部や全身への強い衝撃を受けて脳髄液が漏れてしまう。症状としては先に述べたことのほかにめまい、首の痛み、不定愁訴、気力減退、著しい疲労感などがある。
この病気自体ものすごくしんどいのに、それに加えて外見上は以前と変わらない場合が多いので、「怠けている」などと誤解される二次被害が多い。子どもの場合、いじめや不登校につながるケースも少なくないとのこと。
 作家の村上春樹さんが読者からの質問に答える「ひとつ村上さんでやってみるか」にも、この病気の患者さんからメールがある。この病気のために恋人と別れ、生きていく上でいろいろな制限があり毎日泣いていたけど、この病とともに生きる決意をし、自分のできることから小さな喜びを見つけていく・・・そのような想いを綴った患者さんに、僕自身、同情もし、感銘も受けた。村上さんの返信メールも優しい励ましに満ちた名文ですので、興味のある人は読んでみてください。
 またある中学生女子の場合は、交通事故でこの病気を発病した。記憶障害がひどく、漢字の読み書きができなくなり、テストの成績も急降下、お母さんのことを「おばさん」と呼ぶこともあったそうだ。親の立場からするとショックだし辛いものだ。また娘さん本人もそのような状況だと不安だろうし、未来が閉ざされてしまった想いを持つのではないだろうか・・・・・・。
 現段階での症状改善の有効な治療法としては、患者本人の静脈血を脳脊髄液の漏れている付近に注入し、漏れの部分を塞ぐブラッドパッチ治療がある。この治療法は公的医療保険適用外のため、1回の治療に約30万円かかる場合もある。全国に30万人もいる患者さんの有効な治療法が、こんな高負担とはおかしいのではないか?早急に保険適用治療として、患者さんや家族の人たちの負担を軽くすべきである。
 薬害肝炎訴訟のときも感じたのだけれども、この国の政治を行っている人たちは、本当に困っている人たちを積極的に救おうとしない。財政赤字を理由として、つらい思いをして耐え忍んでいる人々を死ぬまで放置しようとする。(赤字財政をつくったのは誰なのか、すぐ考えればわかるはずだ)
 僕たちができることは、小さなことかもしれないが、正しいと思うことをひとつひとつ積み上げること、正しいと思うことを小さい声でもはっきりと言うことだと思う。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« auの待受け画面はいとおかし | トップ | こんな色のパソコンほしい!... »

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事