日本のお正月とはひと味違う、中国の新年行事「春節」の縁起物・風物詩
2019年02月03日
2月5日(火)は、2019年の「春節(しゅんせつ)」です。
春節は中国の三大節句(春節・端午節・中秋節)のひとつで、旧暦の元旦(小正月)のこと。旧暦の節日のため、春節は年によって異なりますが、毎年1月中旬~2月中旬の時期となります。
新暦の正月(新正月)よりも春節を盛大に祝う中国では、会社や学校も数日間の休日に入り、国中がお祝いムード一色に! 1年で最も重要な伝統行事として、新年の縁起を担ぐさまざまな風習が受け継がれています。
そこで今日は、中国に古くから伝わる、春節のさまざまな縁起物や風物詩をご紹介しましょう。
春節は中国の三大節句(春節・端午節・中秋節)のひとつで、旧暦の元旦(小正月)のこと。旧暦の節日のため、春節は年によって異なりますが、毎年1月中旬~2月中旬の時期となります。
新暦の正月(新正月)よりも春節を盛大に祝う中国では、会社や学校も数日間の休日に入り、国中がお祝いムード一色に! 1年で最も重要な伝統行事として、新年の縁起を担ぐさまざまな風習が受け継がれています。
そこで今日は、中国に古くから伝わる、春節のさまざまな縁起物や風物詩をご紹介しましょう。
街の中にも「逆さ福」の文字が
中国にはたくさんの吉祥シンボルがあり、縁起にかかわる「モノ・コト」が、生活の品々や暮らしの中に深く浸透しています。同様に、春節の行事や飾り物にも、新しい年の吉祥を祈願する縁起物がいろいろと使われています。
【逆さ福字】
「福字」とは「福」と大きく書かれた飾り物で、家の門やドア、壁などに上下を逆さにして貼ります。中国語で逆さを意味する「倒」と、至るという意味の「到」が同じ発音(とう)であることから、「倒福(福が逆さ)」=「到福(福に至る)」とかけて、「天から福が落ちてくる」となるわけです。逆さ福字は1年を通して飾っている家庭も多く、とくに春節には欠かせない吉祥飾りとされています。
【赤い大きな提灯】
中国の多くの家庭では、春節から旧暦正月15日の「元宵節(げんしょうせつ)」にかけて、赤い大きな提灯(灯籠・ランタン)を部屋や玄関に灯します。大きな提灯は「繁栄と幸運」を意味し、赤は「福を招く最高におめでたい色」とされています。
【金柑の木】
中国で日本の門松に当たるのが金柑(きんかん)の木です。たくさんの実を付けた金柑の鉢植えを、家の玄関やベランダ、店頭などに飾り、木の枝には「紅包(ホンパオ)」という赤いご祝儀袋を下げます。中国語で「金柑」は「金桔」と書きますが、金は「財」、桔は「吉」を意味することから、金柑は「吉祥と富をもたらす縁起のいい木」とされています。
【逆さ福字】
「福字」とは「福」と大きく書かれた飾り物で、家の門やドア、壁などに上下を逆さにして貼ります。中国語で逆さを意味する「倒」と、至るという意味の「到」が同じ発音(とう)であることから、「倒福(福が逆さ)」=「到福(福に至る)」とかけて、「天から福が落ちてくる」となるわけです。逆さ福字は1年を通して飾っている家庭も多く、とくに春節には欠かせない吉祥飾りとされています。
【赤い大きな提灯】
中国の多くの家庭では、春節から旧暦正月15日の「元宵節(げんしょうせつ)」にかけて、赤い大きな提灯(灯籠・ランタン)を部屋や玄関に灯します。大きな提灯は「繁栄と幸運」を意味し、赤は「福を招く最高におめでたい色」とされています。
【金柑の木】
中国で日本の門松に当たるのが金柑(きんかん)の木です。たくさんの実を付けた金柑の鉢植えを、家の玄関やベランダ、店頭などに飾り、木の枝には「紅包(ホンパオ)」という赤いご祝儀袋を下げます。中国語で「金柑」は「金桔」と書きますが、金は「財」、桔は「吉」を意味することから、金柑は「吉祥と富をもたらす縁起のいい木」とされています。
「年越し餃子」を食べて金運アップを祈願!
水餃子の形の由来とされる中国の古銭「元宝」の置物
日本で年越しといえば「年越しそば」ですが、中国の東北地方では大晦日に家族全員で「年越し餃子(更歳餃子)」をたくさん作り、水餃子にして食べる習慣があります。具材を丸く包んだ水餃子は、中国の昔のお金「元宝」と形が似ていることから、金運に恵まれる縁起のよい食べ物とされています。更歳餃子の何個かには、縁起を担ぐ具(コイン・落花生・栗・ナツメなど)が入っていて、自分が食べた餃子に入っていた具で1年の運勢を占うという、ちょっと楽しい「おみくじ餃子」もあるそうです。
ちなみに、中国では米と同様に小麦も主食とされていますので、餃子はご飯や麺類と一緒に食べません。皮に小麦粉を使った餃子と、ご飯(米)や麺(小麦粉)の組み合わせは、「主食+主食」のメニューになるからです。日本では「餃子&ライス」や「餃子&ラーメン」という組み合わせが定番人気ですが、糖質オフや健康を気にする人は、中国流の方がいいかもしれませんね(笑)。
ちなみに、中国では米と同様に小麦も主食とされていますので、餃子はご飯や麺類と一緒に食べません。皮に小麦粉を使った餃子と、ご飯(米)や麺(小麦粉)の組み合わせは、「主食+主食」のメニューになるからです。日本では「餃子&ライス」や「餃子&ラーメン」という組み合わせが定番人気ですが、糖質オフや健康を気にする人は、中国流の方がいいかもしれませんね(笑)。
春節を盛り上げる「獅子舞」と厄払いの「爆竹」
中国の獅子舞はカラフル&アクロバティック!
中国で結婚式や開店祝いなどの祝席に登場する「獅子舞」。もちろん、春節のイベントや祝賀行事にも獅子舞は欠かせません。中国の獅子は赤・青・黄色・オレンジ・ピンク・グリーンなどカラフルな毛色が特徴で、高い柱や台の上に飛び乗ったり、獅子の中に入っている2人の舞手が肩車をしてグーンと立ち上がったり……。華やかな姿とアクロバティックな舞で、お祝いムードをエキサイティングに盛り上げます。また、獅子の大きな口で頭をバクッと咬んでもらうとご利益があるといわれ、獅子舞を見ている観客は、獅子に向かって我先にと頭を差し出します。
獅子舞や祝い事などでたくさんの爆竹を焚くことも、中国の風習としてよく知られています。その昔、たき火に竹を割って投げ入れ、竹がはじける音で災禍をもたらす魔物を追い払ったという伝説から、爆竹は厄を払う縁起物として用いられるようになりました。
しかし、近年は中国で深刻化している大気汚染の問題から、都市部で爆竹を禁止・制限する動きが広まっており、春節を盛り上げる威勢のいい爆音も、街から次第に消えつつあるようです。
獅子舞や祝い事などでたくさんの爆竹を焚くことも、中国の風習としてよく知られています。その昔、たき火に竹を割って投げ入れ、竹がはじける音で災禍をもたらす魔物を追い払ったという伝説から、爆竹は厄を払う縁起物として用いられるようになりました。
しかし、近年は中国で深刻化している大気汚染の問題から、都市部で爆竹を禁止・制限する動きが広まっており、春節を盛り上げる威勢のいい爆音も、街から次第に消えつつあるようです。
日本のチャイナタウンも華やいだ雰囲気に!
横浜中華街の幻想的なイルミネーション
中国ならではの華やかな春節は、日本のチャイナタウンでも体験することができます。
来たる2月5日(火)~19日(火)の春節期間中、横浜中華街・神戸南京町・長崎新地中華街では、獅子舞やパレード、中国伝統芸能の披露など、春節を祝う多彩なイベントが開催されます。
各地域の春節イベント情報は、下記、公式サイトにてご確認ください。
●横浜中華街 公式サイト
●神戸南京町 公式サイト
●長崎新地中華街 公式サイト
── 夜になると、街中がランタンやイルミネーションの輝きに彩られ、散策しているだけでも華やいだ気分が味わえますよ!
春節限定のスペシャルメニューを提供するお店もありますので、ぜひこの機会に横浜・神戸・長崎のチャイナタウンへ足を運んで、エキゾチックな異国情緒と中華グルメを満喫してみてはいかがでしょう。
来たる2月5日(火)~19日(火)の春節期間中、横浜中華街・神戸南京町・長崎新地中華街では、獅子舞やパレード、中国伝統芸能の披露など、春節を祝う多彩なイベントが開催されます。
各地域の春節イベント情報は、下記、公式サイトにてご確認ください。
●横浜中華街 公式サイト
●神戸南京町 公式サイト
●長崎新地中華街 公式サイト
── 夜になると、街中がランタンやイルミネーションの輝きに彩られ、散策しているだけでも華やいだ気分が味わえますよ!
春節限定のスペシャルメニューを提供するお店もありますので、ぜひこの機会に横浜・神戸・長崎のチャイナタウンへ足を運んで、エキゾチックな異国情緒と中華グルメを満喫してみてはいかがでしょう。
2月4日は一年の始まり「立春」です!
「立春」で季節は再び春がめぐってきました。同時に太陰太陽暦の新年が明ける一年の始まりでもあります。初夏を知らせる八十八夜や、稲の実りにかかわる台風に警戒したい二百十日は、立春を基準に数えられているのもここに理由があるのです。とはいえ「さあ、春が来たぞ!」となるまでにはまだまだ時間がかかりますよね。江戸時代の暦解説書『暦便覧』には「春の気立つをもってなり」とあります。暦は微妙な変化をちゃんと教えてくれていますよ。
太宰府にある「飛び梅」
日本列島は北海道から沖縄、さらに南の八重山諸島と本当に南北に長いですね。春を迎える時期は北と南、また太平洋側と日本海側では全く違ってきます。とはいえ誰もが春がいよいよ来たかな? と感じるのはやはり「風」ではないでしょうか? 七十二候の第一候は「東風解凍(はるかぜこおりをとく)」です。「東風」といえば有名な歌がありますね。
「東風(こち)吹かばにほひおこせよ梅の花主(あるじ)なしとて春な忘れそ」
菅原道真が京の都から左遷先の太宰府へ向かう時に詠んだ歌です。幼い頃から詩歌の才能を発揮し右大臣にまで上り詰めた道真にとっては、悔し涙があふれていたことでしょう。暖かいとまでいかない東風に響き合う梅の花の香りを詠んだ穏やかな上の句、春を忘れてくれるな、と強い意思を示した下の句。日頃愛した梅の花への道真の思いは、歌の心に包まれて春がめぐるたびに人々の口にのぼり愛好されてきたのです。この梅が一夜にして太宰府に飛んできて根付いたという飛び梅伝説も生まれています。
冬の北風が東風に変わり氷をとかし始めるころ、それが立春なのです。
「東風(こち)吹かばにほひおこせよ梅の花主(あるじ)なしとて春な忘れそ」
菅原道真が京の都から左遷先の太宰府へ向かう時に詠んだ歌です。幼い頃から詩歌の才能を発揮し右大臣にまで上り詰めた道真にとっては、悔し涙があふれていたことでしょう。暖かいとまでいかない東風に響き合う梅の花の香りを詠んだ穏やかな上の句、春を忘れてくれるな、と強い意思を示した下の句。日頃愛した梅の花への道真の思いは、歌の心に包まれて春がめぐるたびに人々の口にのぼり愛好されてきたのです。この梅が一夜にして太宰府に飛んできて根付いたという飛び梅伝説も生まれています。
冬の北風が東風に変わり氷をとかし始めるころ、それが立春なのです。
「事始め」お正月は過ぎてしまいましたけれど……
京都 伏見稲荷大社 千本鳥居
旧暦の2月8日は「事始め」とよばれ、一年の祭事や農事を始める日です。謡曲「鶴亀」にも「それ青陽の春になれば、四季の節会の事始め」と歌われています。私たちにとって一年の区切りといえばお正月。一区切りつけて心を新たにしてさあ、というエネルギーが湧いてくる時ですね。そのお正月を年末からの忙しさで何となく過ごしてしまったあなたにとっては、立春もまたひとつの区切りと考えて仕切り直すいいチャンスではないでしょうか? 節分で豆をまき、心の邪気も払ったことですから気分も一新ですよね!
2月最初の午の日は「初午」です。稲荷社では初午祭がおこなわれ、初午詣でがおこなわれます。学齢に達した子はこの日から寺子屋入りをしたとか。
五穀を司る神として信仰された「宇賀御魂命(うかのみたまのみこと)」は、春になり農作業の始まりの無事なこと、稲の生育の健やかなことを祈る神様です。「稲生(いななり)」が「稲荷」へと転じ、狐にたいする民間信仰と結びついて狐の好物油揚げを供え物にする風習が起こったようです。新年ですがすべては秋の豊作への祈りへと向かうのですね。
2月最初の午の日は「初午」です。稲荷社では初午祭がおこなわれ、初午詣でがおこなわれます。学齢に達した子はこの日から寺子屋入りをしたとか。
五穀を司る神として信仰された「宇賀御魂命(うかのみたまのみこと)」は、春になり農作業の始まりの無事なこと、稲の生育の健やかなことを祈る神様です。「稲生(いななり)」が「稲荷」へと転じ、狐にたいする民間信仰と結びついて狐の好物油揚げを供え物にする風習が起こったようです。新年ですがすべては秋の豊作への祈りへと向かうのですね。
立春がお正月! というアジアの国々もあります
台湾 春節の飾り
日本のお正月といえば、琴と尺八で演奏される「春の海」のような穏やかで静かなもの、というのが私の印象です。いやいやそんなことはありません、賑やかに迎えますよ、という地域もあることでしょう。
海を隔てたアジアの国々では「立春」を正月としている国がたくさんあるということです。お隣の中国の「春節」は華やかな色と派手に立てる爆竹の音で新年を迎えることで有名ですね。中国では赤は縁起のいいおめでたい色、ですから婚礼衣装も赤ですって! 飾られるお札や提灯はもちろん赤! 悪を遠ざけ福を呼ぶ赤で街が彩られるのも頷けます。そして爆竹の大きな音は魔物や悪を払うためとか。こんな賑やかなお正月もまた楽しいかもしれません。そう思ったらこの時期に横浜の中華街や神戸の南京町を訪れてみて下さい。日本にいながら異国情緒たっぷりのお正月を味わうことができますよ。ともに港町、外国航路の玄関口として今も活躍する街です。海を見ながら異国へ心を飛ばしてみる春の迎え方もまたいいのではないでしょうか。
海を隔てたアジアの国々では「立春」を正月としている国がたくさんあるということです。お隣の中国の「春節」は華やかな色と派手に立てる爆竹の音で新年を迎えることで有名ですね。中国では赤は縁起のいいおめでたい色、ですから婚礼衣装も赤ですって! 飾られるお札や提灯はもちろん赤! 悪を遠ざけ福を呼ぶ赤で街が彩られるのも頷けます。そして爆竹の大きな音は魔物や悪を払うためとか。こんな賑やかなお正月もまた楽しいかもしれません。そう思ったらこの時期に横浜の中華街や神戸の南京町を訪れてみて下さい。日本にいながら異国情緒たっぷりのお正月を味わうことができますよ。ともに港町、外国航路の玄関口として今も活躍する街です。海を見ながら異国へ心を飛ばしてみる春の迎え方もまたいいのではないでしょうか。