外出の機会が少ない高齢者に、買い物など出かける機会を増やしてもらおうと、大阪府枚方市の商店街が自転車の無料送迎サービスの準備を進めている。高齢者の健康増進や商業施設の活気作りにつなげたい考えで、自転車を運転するボランティアを募集している。

 送迎サービスを企画したのは、枚方市香里ケ丘4丁目でショッピングモールを運営する「香里ピーコック通り商業協同組合」。周辺にはスーパーや郵便局、市役所支所などが集まり、買い物や公共サービスの拠点となっている。

 その周りを囲むように香里団地(約3200戸)があるが、市によると、周辺4小学校区内の人口約3万4千人のうち約26%以上が65歳以上だ。

 ログイン前の続き組合の長谷川明・副理事長(73)は、付近は坂道が多く、高齢者が買い物に苦労していることに注目。団地住民らにアンケートを実施したところ、商業施設が集まる地点から半径500メートル圏内の高齢者に自転車送迎サービスについて聞くと、約8割が利用する可能性を示した。「買い物には行きたい。でも買った後は荷物が重たくてしんどい」などの声があったという。

 送迎サービスに使うのは電動アシスト付きの四輪自転車で、台湾から2台を取り寄せた。ハンドル位置を変え、荷物入れを作るなどの改造を施した。ヘルメットや安全ベルトも用意する。「買い物を促すことで、お店側にもメリットが生まれる。お年寄りに優しい街を目指し、街を元気にしたい」

 利用は65歳以上が対象。運行は午前10時~正午、午後1~3時で平日のみを想定している。

 ボランティアは最大2人の乗客を乗せ、スーパー「ピーコックストア香里ケ丘店」と「万代香里ケ丘店」を中心に半径500メートル範囲内を巡回する。交通費と昼食代として1日2千円を支給する。「趣旨に賛同してもらい、多くの方に参加して頂きたい」と長谷川さんは呼びかける。問い合わせは同組合(072・854・1605、平日午前10時~午後5時)。