奈良)「奈良の女将の酒」が完成 「清酒発祥の地」PR
2019年2月17日03時00分
奈良県内の旅館やホテルの女将(おかみ)たちが「奈良の女将のお酒」をつくった。その名も「大和(やまと)の露(つゆ)」。コシが強く、すっきりした辛口の純米吟醸酒に仕上がったという。県内で栽培される希少な酒米「露葉風(つゆはかぜ)」を使い、奈良市の蔵元に醸造を依頼。奈良を「清酒発祥の地」としてアピールしようと、今月下旬から県内の旅館などで販売する。
県旅館・ホテル生活衛生同業組合に加盟する女将らでつくる「あゆみ会」の企画。あゆみ会はこれまでも「奈良の女将のお勧め」として、県内の仏像や花、スイーツなどを紹介してきたが、今回は日本酒で奈良の魅力を発信することにした。
県農業研究開発センターによると、露葉風で醸造すると淡麗な味わいの酒ができる。1960年代に命名され、愛知、高知、奈良の3県が普及を奨励した。栽培の難しさから90年ごろにほぼ途絶えたが、2000年ごろから奈良で栽培が再開され、現在はほぼ奈良だけで栽培されている。今年度の作付面積は16ヘクタール(県の推計値)。
女将たちは、ほぼ奈良だけで栽培されていることから、露葉風を酒米に選び、奈良豊澤酒造(奈良市)に醸造を依頼した。その際、豊澤酒造の酒蔵を見学したり、露葉風を栽培している山添村の農家で収穫の様子を見せてもらったりした。
300ミリリットル瓶で税込み800円。県旅館・ホテル生活衛生同業組合に加盟する旅館やホテルで順次、販売していく予定だ。あゆみ会の上田トクヱ会長は「奈良だからできる、奈良にしかないお酒。その誇りをお客様に伝えたいです」と話す。
問い合わせは同業組合(0742・22・3675)へ。
藤井、充実の連覇 絶好調の渡辺を初対局で圧倒 将棋朝日杯
現役最年少将棋棋士の藤井聡太七段(16)は16日、東京都千代田区で行われた第12回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)で、午前の準決勝・行方尚史八段(45)戦に続き、午後の決勝で渡辺明棋王(34)を破り、昨年に続く連覇を果たした。同棋戦の連覇は羽生善治九段(48)以来史上2人目。藤井の棋戦優勝は、昨年10月の新人王戦以来3回目となった。
充実した内容の連覇だった。準決勝は名人挑戦者になったこともある行方八段に作戦勝ちから快勝した。
決勝で戦った渡辺とは初対局。渡辺は通算タイトル獲得数20期を誇るトップ棋士の一人で、現在、王将戦七番勝負で久保利明王将(43)に挑戦して奪取まであと1勝に迫り、棋王戦五番勝負でも挑戦者の広瀬章人竜王(32)に連勝して防衛に王手をかけている。今年度絶好調の棋士を相手に、藤井は一瞬の隙(すき)をついて見事に攻め倒した。
朝日杯は全棋士が参加。持ち時間各40分の集中力と構想力が問われる早指し棋戦で、藤井は序盤から自然な手を積み重ね、公開対局の緊張感には全くのまれず、正確な読みで圧倒した。この1年の精神面での成長もうかがえた。
終局後、藤井は「しっかり一手一手考えて自分なりに指すことができた。この1年、タイトル挑戦には及ばなかったが、この優勝を機にさらに力を付けて、タイトルにも一歩近付いていきたい」とタイトル獲得への意欲を口にし、渡辺は「決勝にしては物足りない内容にしてしまった。藤井さんは力を付けてくるので、少しでも対抗できるよう頑張らないといけない」と語った。
藤井は前回の朝日杯で、佐藤天彦名人(31)や羽生、広瀬らを破り、最年少の15歳6カ月で棋戦初優勝。今回は予選を免除されて16人による本戦トーナメントから登場していた。【丸山進、山村英樹】
藤井七段の師匠、杉本昌隆七段の話 2局とも我慢する展開を余儀なくされたが、じれたり見切り発車したりすることがなかったのが印象的だった。1年前より全体的に非常に落ち着いてどっしりと指せていた。