YASUKOの人生珍道中

2006年秋、新しく始まるYASUKOの人生はブリスベン!この先どうなることやら…珍道中

山本兼一

2016-02-12 21:20:39 | Weblog
初めての作家さん。

道具屋の若夫婦が繰り広げる短編なのですが、どの辺に出てくる道具(主に焼き物)に関しての表現がすごい!
本なんだけど、彼の文章でそれぞれの作品を頭の中に浮かべて、味わうことができるの。

例えば、虹の橋という名の茶碗
『赤土に白い釉がたっぷりかかったふわりとやさしい志野茶碗であった。
胴に三本、すきっとした黒釉で絵付けがしてある。
柔らかだが力強い半円が、さっと描いてある。
茶碗を掌にのせて、しげしげ眺めた。まさに虹の橋である。
赤土と白釉の微妙な色調の変化から、七つの色さえ見えてきそうな気がする。』
あたかも本物を前にしているようなふしぎなきもちになります。

それから
『きれいな商売してたら、きっとうまいこと行く。
世の中ありがたいもんで、そういうふうにでけてる』

『「人は死ねばしゃれこうべになる。」「生きてるあいだに頑張れということや」』

『死んでもこんなに笑うていられるのは、よっぽど満足して生きたからや。
人間はこうありたいもんやで』

と、素敵な言葉があふれてる。

なのに、、とっても残念なことに、、
この方、14年に亡くなっているんです。
でも作品は沢山残していらっしゃるのでできる限り読ませてもらおうと思います。

まずは同じ箱の中から見つけた 『利休にたずねよ』ね