はぎやまのりへいの日常

読書、映画、美術展、そしてキャリア教育。
好奇心と愛で書き綴ります。

Vol.87 井上円了 妖怪学講義

2010-11-23 16:00:49 | 妖怪
休日出勤が続いたことがたたったのか、折角の休みと云うのに体調がなかなか復調せず、ジョギングや買い物などやりたかったことが何もできなかった。それでめずらしくお茶を飲みながらぼんやりと本を読み切った。

「いや実はお化けの所為で、」と妖怪の原因にしておいた方が都合が良かったり、断然面白かったりすることがある。

実際は自然現象だったり、偶然だったり、動物の性質や、見間違いや、いずれ原因があることが多いのだろうけれど、正しい原因を突き止めるなんて野暮なことで、「きっと天狗の仕業だ」と言っていた方が粋だし、素敵だ。
そんなことを庶民は分かっていながら「いや、お化けの所為で、」と言っていたと僕は思う。それが、全国どこまでも出かけていって、わざわざそうしたことを、「それはお化けの所為ではない!」と言ってまわった円了先生は少し大人げないのでは、と思うのだがどうだろう。まあ、でも可愛らしいと云うか、愛すべきではあるかも知れない、と勝手な円了キャラが僕の中で出来上がっていた。

何で僕は東洋大学に行かなかったのだろう。

それこそ不思議、真怪である。

小学生から妖怪博士で大人になった今も妖怪大好きな僕なのであるが、実は高校生の時には唯一その情熱の火が種火の状態だったのだ。情熱は妖怪ではなくてヘビメタに向いていたんだね。でも、ツイステッドシスターズとかアクセプトとかオジーオズボーンに嵌っていたりするのは妖怪好きの火種が消えていなかったからなのだろう。

Vol.85 妖怪学講義

2010-11-07 22:53:49 | 妖怪
東洋大学と言えば井上円了。井上円了と言えば妖怪博士。
東洋大学で120年ぶりに「妖怪学」の講義が復活された。その内容を収録した本が「妖怪学講義」。講師は菊地章太教授。

金曜日から出張していたので往復の新幹線で読み切った。
雨月物語、水木しげる、京極夏彦、鳥山石燕、小松和彦、等々たくさんの人が講義に出てくるが、まあ、すべて僕の知っている範囲の内容で、特に新しい発見はなかった。だけど、なんでも妖怪について知っている自分に気がついたことが発見だった。

明日からは平野威馬雄という人が書いた「井上円了妖怪学講義」を読む予定だ。僕って勉強熱心。

Vol.66 ゲゲゲ展

2010-08-23 05:24:17 | 妖怪
 銀座松屋で開催されている「水木しげる ゲゲゲ展」へ行ってきた。

 開店の10時前に到着して並んで待っていたのだが、最終日の前の日曜日ということもあり、会場は超混雑だった。
 さすがにNHKの影響力はすごいものだ。とても「ゲゲゲの鬼太郎」などとは縁のなさそうなお年寄りやらファミリーやらがわらわら集まって、「ぬらりひょんはないのかな?」なんて言っている声を聞くとなんだか笑ってしまう。
 
 僕などは40年近くずっと水木しげるファンなのだが、やはりNHKで「のんのんばばあ」のドラマを放映した頃、20年くらい前に新宿の百貨店で開催した「のんのんばあが案内する妖怪展」の時の混雑ぶりを思い出した。あの時は妖怪画を再現したジオラマがあったり、鳥山石燕の百鬼夜行図があったりで面白いものだった。
 その後も定期的に水木展へは足を運んでいる。原宿のパルコで絵画展を開催していた時は、グッズの販売が充実していた。ざしきわらしのプラモデルはこの時に買ったんだ。小豆洗いも買っておけば良かったと思う。

 今回は漫画の原画が中心で、境港にあるのと同じブロンズ像が出展されていたりしていたが、それ以外の立体作品は少なく大人向きのイベントだった。
 じっくりと漫画の原画を見てきた。わかっていても、丁寧で、上手くて、びっくりする。

Vol.65 文豪怪談

2010-08-21 08:48:46 | 妖怪
 来週23日(月)からNHKハイビジョンで「文豪怪談」を4夜連続で放送する。
 
 あまり知られていないけれど、文豪たちは案外、妖しい話を書いている。
 放送されるのは川端康成の「片腕」と太宰治の「葉桜と魔笛」、芥川龍之介の「鼻」、そして室生犀星の「後の日」の4作品だ。
 川端康成の「片腕」は新潮文庫で「眠れる美女」と一緒に収録されているのを読んだ。「眠れる美女」も中々に妖しい話である。
 芥川龍之介は「河童」など怪談や妖怪の話を意外と書いているので、何で「鼻」なの?と思ったのだけど、学研M文庫「伝奇ノ匣 芥川龍之介」をあらためてめくってみて、ふさわしいものがないか探してみると、これが案外ないのである。「鼻」で正解かも知れない。
 太宰治と室生犀星のこの作品は残念ながら読んでいない。

 怪談も文学も好きなだけに放映がものすごい楽しみだ。文豪怪談なんて面白いことを考えるものだなあと感心したら、今回も怪談之怪の東さんが一枚噛んでいた。

Vol.50 ゲゲゲの鬼太郎 決戦!竜宮城

2010-03-29 21:22:10 | 妖怪
 人形劇団ひとみ座の人形芝居「ゲゲゲの鬼太郎 決戦!竜宮城」を観てきました。
 
 またまた今回も長男と二人で。
長男は春から小学校2年生、人形劇を観るにはちょっとお兄ちゃん過ぎるかな?と思いましたが、内容が鬼太郎だけに妖怪好き親子二人で行くのは全然OKだろうということで。でも、残念ながら長男は最近は妖怪よりも魚類にはまっているんだよね。こうして親離れしていくんですね。

 人形劇の会場は新宿の全労災ホール スペース・ゼロ。あまり告知もしていなかったようだし、早い時期に開催に気がついて、素早くチケットをGETしたので、席はなんと最前列の1列目。長男などはステージを見上げることになり、着ぐるみではないけれどそんなに小さくない人形の人形劇だし、もうちょっと後ろの席でも良かったかなと云う感想です。
 
 お客さんは案の上、子ども連れが半分と、鬼太郎オタクの大人たちと2種類ありました。まあ、子ども連れの保護者も鬼太郎ファンなのでしょうが。

 人形劇と云って馬鹿にするなかれ、まあ、よくできたものでした。人形の造形もいいし、骸骨とろくろ首のダンスと歌があったり、鬼太郎誕生のシーンが再現されたりで、演出もなかなか見事。
 ティム・バートンの「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」や「コープス・ブライド」の鬼太郎編をライブで見る感じと云ったら理解していただけるでしょうか。

 登場した妖怪は鬼太郎、目玉おやじの他、ねずみ男、猫娘、砂かけ婆、子なき爺、一反木綿、ぬりかべといったおなじみの面々に、折りたたみ入道の通な話がからみ、沖縄にシーンを移して、キジムナー、シーサーが登場、そして悪役はぬらりひょんにバックベアード、それとガイコツベビー。ずいぶんたくさん出てきたので長男も僕も満足でした。
 
 まあ、欲を言えば、グッズ販売がもう少し充実して欲しかった。これだけのアーティスティックな人形を作っている美術力を活かして、人形劇オリジナルのグッズが販売されていればなお良かったと思います。

 そういえば、今日から「ゲゲゲの女房」もはじまったことだし、鬼太郎のアニメ、四十七士集めの続きも早く再開してもらいところです。