森下くんと高松くんとRCサクセションの武道館ライブコンサートを観た高校生のあの夜。
「BLUE」というアルバムが発売されたすぐ後のツアーだった。
「BLUE」には名曲「多摩蘭坂」が収録されていて、もちろんその夜も演奏された。
そしてRCサクセションには超名曲の「スローバラード」がある。
僕は「エンジェル」が聴きたかったのだけれど残念ながら演奏されなかった。
思えばあれから30年が過ぎてしまった。
ロックを気取ったウブな田舎もんの高校生の僕はすっかり絵に描いたようなオジさんで、僕の中のロックの最初の先生である清志郎はもういない。
30年の時を超えて、また武道館でRCサクセションの曲を聴く。
チャボの引き摺るようなブリキな感じのギターの音とドクトル梅津のヒステリックにして切ないサックスの音は相変わらずで、今夜のビートも新井田耕造がリードする。
奥田民生とトータス松本の「ロックン・ロール・ショー」からステージがはじまった。
午前中、出かける前に「君が僕を知ってる」のギターを練習していた。
誰か演奏するかな?と思ったら、トータス松本が歌ってくれた。
吉井和哉はジョンレノンの「マザー」を清志郎訳で歌った。心に響くいい歌声だった。
後半は憂歌団から。
清志郎の愛弟子、三宅伸治はギター一本で演奏。「ありがとうボス」とつぶやくと客席は感動に包まれた。
名曲「スローバラード」はジュンスカが歌った。
ローザルクセンブルグのドントの息子ラキタが登場。
チャラの「指輪をはめたい」もなかなか。チャラは存在感がある。
30年前に聴きたかった「エンジェル」は斉藤和義が歌ってくれた。