きっとここが帰る場所
原題はTHIS MUST BE THE PLACE。
この映画の音楽を担当しているデビッド・バーン率いるトーキングヘッズの曲のタイトルだそうだ。
この曲の歌詞のはじまりがHome is where I want to beだから邦題が「帰る場所」でもいいのだ。
でも、帰る場所って、いったいどこ?
30年間縁を切っていた父親。
ユダヤ人としての宿命。
ポジティブで献身的で愛おしい妻のジェーン。
あるいはシャイアン(ショーン・ペン演じる主人公)ではなくトニーから見た(あるいは逆にトニーの母親から見た)母親。
トニーに自分を重ねるシャイアンにとってのトニーの母親。
映像は美しく淡々と流れていく。
物語のコアにナチスのユダヤ人虐殺があり、
悲しみは深く、憎しみは深いのに。
美しい映像は淡々と流れていく。
秘めた激しさをストイックに押さえて、とても静かに、滑稽なほど穏やかに。
僕もまた、よけいなことを考えないようにして淡々と映像を追いかける。
ザ・キュアというバンドに今まで興味を持たなかったので、実はロバート・スミスのことをよく知らない。
なるほどロバート・スミスにシャイアンのビジュアルはそっくりだ。
外見をモデルにしたのはわかるけど、中身のモデルにもしたのかな?
翻訳がうまいのか、原文のセリフがいいのかはわからないが、言葉が印象的で、美しいと思う。
寂しさと寂しさは相性が悪い。
不運だけど、それが人生。
恐怖心がいつも救ってくれる。
人生は美しさで満ちている。
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