ものすごぉ～くかすかに
「きゅう～ん。きゅう～ん」
眠っていた惇の耳が、ピクっ。
少し大きな声になって
「くぅ～～～～～ん。くぅ～～～～～ん」
惇に耳が、ピクピク。
ものすごぉ～く悲しそうな声で
「きゅわぁ～～～～～ん」
ムクッと起きて、
「窓を開けて！！！」
「抱っこして！！」
キョロキョロ、キョロキョロ。
私には犯犬が分かっていましたが、
惇はこういうレスキューコールに敏感です。
弟達でなくても。
本当に心配そうな顔をしています。
犯犬は、赤い車の中でお留守番をしている、
ダックスくんです。
車の中で飛び跳ねているの、見えたかな？
一度、ちびにゃんが側溝に足を挟まれて、
泣き喚いているのを、助けさせられたことがあります。
ちびとはいえ、のらにゃんだから大変でした。
弟たちの本当のレスキューコールは、未経験です。
バトルに慣らされたので、「きゃん」と聞こえても、
目で追っているだけ。
玄太郎がしつこすぎると、叱責の「大喝」が飛びますが。
金太郎が、
銀次郎のレスキューコールに、吹っ飛んでいったように、
惇も、目の色を変えて吹っ飛んでいくんだろうなぁ。
コヤツらは、のほほ～ん。
惇兄ちゃんがベランダに出たから、
ついてきただけ…