昨夜は真理子と飲んだ
真理子とは
高校生の時からの付き合いで
お互い仕事は順調だ
真理子は童顔で
真理子は童顔で
いまだに学生かと思われることがあるが
酒は強いし
酒は強いし
修羅場経験も豊富な
頼もしい女友達だ
何といっても
何といっても
肝が据わっている
家は大きなお屋敷で
家は大きなお屋敷で
お嬢様と呼ばれて育ったのだが
家には普段からあまり寄りつかず
帰るのは
家には普段からあまり寄りつかず
帰るのは
兄夫婦が子供を連れてやってくるとき
くらいだった
今はひとり
今はひとり
素晴らしく眺めの良い部屋に住んでいる
いわゆる不倫というヤツも経験済みで
その時の相手の奥さんと
いわゆる不倫というヤツも経験済みで
その時の相手の奥さんと
飲みに行ってしまうほどだ
恋愛においては
恋愛においては
深入りしない
というか本気にならないような恋を
好んでいるように思う
どこをどうすれば
好んでいるように思う
どこをどうすれば
あんなに割り切っていられるのか
とにかく
とにかく
強い女
私には到底まねできない
私は昔から臆病で
今でこそ強がりも平気で言うが
昔、真理子が
昔、真理子が
とてもつらい思いをした時には
どうしてあげることも出来なかった
真理子が以前
真理子が以前
一度だけ取り乱して
泣いたことがあった
それは大切な
大好きだった杉山くんが
それは大切な
大好きだった杉山くんが
事故で亡くなった時だった
その後何年かは塞ぎ込み
その後何年かは塞ぎ込み
外へ出ることも出来ない時期があった
あれからだろう
きっと真理子が強くなり
あれからだろう
きっと真理子が強くなり
恋愛に対して
冷めた目を
するようになったのは
いや、本当は
いや、本当は
フリをしているだけ
かもしれないが
心の中を見せてくれないように
なった気がする
真理子
真理子
あんまり無理しなくて良いんだよ
私はいつか真理子に
私はいつか真理子に
あの時と同じように
笑って過ごせる相手が
現れることを願っている