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日常・民話など

民話 囲炉裏の貧乏神

2020-05-12 06:59:41 | 昔っこ・民話

むかしむかしのことだども。ある所に父さん、母さん、子どもの3人が住んでいたっけど。

この家だば、貧乏で貧乏で、年とり(大晦日)も容易でねえようなあんばいだった。

したども、年とりだものな。なんとしたって まま(飯)炊かねばなんねって

銭こ(じぇんこ)かき集めたど。そしてその銭こ、子どもさ預けて米を買いに行かせた。

しばらくして子ども 戻って来たど。親たち喜んで子どもから 米受け取ったものな。

それだば、米でなくて炭であった。子ども米と炭を間違えて 買って来たわけだ。

だども、すっかり夜も更けて 今さら米と炭をとりかえるわけにもいかね。

「しかたね。今年は年とりに まま食べられねども、この炭を囲炉裏にくべて火を焚くべ。

 ほれ、ありったけくべて 熱くして、みんなであたることにすべ」

 

そういうわけで、3人で囲炉裏にあたりだした。炭をどんどん足して ガンガン熱くしたと。

したば、いきなり囲炉裏の4隅から動物のようなものが 這い出してきた。

そしてあっという間に外に出て行ってしまった。 あまり不思議なもんで、

父さんがそのあとをついて外に出ると、 その動物、父さんとこ見てこういったと。

「おらだち、ずっとあそこに住んでいた 貧乏神なんだどもな、あったに火ぃ焚くこったら

 熱くて,熱くて住んでいられね。火ぃ焚かね家さ探して そっちさ移るごどにした」

 

そしてチョロチョロと、どこかさ行ってしまった。

それから年が明けて、この家の父さん、なんの仕事やってもうまくいくようになったど。

銭こもたいして儲かって、あとは家族3人仲良く暮らしたど。良かったな。

とっぴんぱらりのぷう。 (男鹿地方に伝わる民話)

**家に囲炉裏はないですが、どこかに貧乏神が潜んでいるらしい 追い出さなくては・・・

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