木曜日は 『 プレバト 』 の日!
いつき組の云うところの プレバト ナイト
Oh yeah ~
は
「 茶畑と新幹線 」
‥さて 、早速 ‥
第5位 風薫りわが故郷に思い馳せ (45点)
風薫るわが故郷よ上京す
問題点は2つ
1句全体を読んだ時に、どこにも切れが無くダラダラした感じ
調べで損をしている
致命的なのがもう1つ
「わが故郷」と言ったら だいたい思い馳せてる
「思い馳せ」 全くいらない
5音分 新しい情報を入れるしかない
「風薫りる」 「わが故郷によ」 ここで1回 詠嘆
「上京す」と言い止める
「上京す」という言葉が1つ入ることで映像がきちんと確保できる
素材自体が凡人
第4位 トンネルをぬけると香る初夏の茶葉 (47点)
トンネルと青く香れる茶畑と
本当、どっかで聞いたことある
もっと罪深い所がある
「茶葉」では光景にならない 「茶畑」
下七、下手だから今 字が余ってるだけ
「初夏の」 茶畑を季語にしている歳時記としていない歳時記がある
【茶畑】 晩春の季語として使われることもある
「トンネルを」というと だいたい抜けますよ
一生トンネルの中にいるわけじゃない
いらない所に気づかないのが 凡人の凡人たる所以
「トンネルをと」 並列で思い切って持っていく
「ぬけると青く香れる」 「茶畑と」
これでちゃんと映像が出る
色で情景を鮮明に
トンネルを抜けた先に広がる光景を表現するのに
「初夏の茶葉」を ただ「茶畑」と正すだけでなく
具体的に「青」という色を入れることで
情景がより鮮明になる
第3位 車窓から茶畑見えた君がいた (55点)
君といた茶畑過ぎてゆく車窓
問題点が2つ
「車窓から茶畑」と言ったら見えている
「君」に対する何かよくわからない思い出が作者の中で膨らんでいる
「君」からいってみる
「君がといた」 君と僕はあそこでデートした、そんな思いで
「茶畑見えた過ぎてゆく」 見えた、全くいらない 「車窓」
車窓の場面でポーンと映像が出来上がる
第2位 母の居ぬ隣座席に置く新茶 (60点)
妣の居ぬ旅の車窓の新茶かな
お母さんの想いとなるとベタベタ必要以上に自分の想いを語りたくなる
この句はそういうことを言わないで「新茶」という季語に託しているところが良い
小さなもったいない所が点々とある
写真を見ているから「隣座席」が新幹線なり汽車なり乗り物だと分かる
見ていない人は芝居小屋や相撲の桟敷を思う人も出てくる
「母の居ぬ」 = トイレに行きましたか?くらいに思う人も出てくる
「旅」 という情報が欠落している
「隣座席に旅の車窓」 情景が新幹線の中に入ってくる
「旅」という情報が ひとつ確保できた
「母」 この母は生きている母が基本、亡くなったお母さんを1文字で
【妣(はは) 】 亡くなった母
「置く新茶かな」 「置く」が散文的、ここは詠嘆
不可欠なフレーズを外さない
ここで不可欠なのは「旅」と「車窓」
「隣座席」だけでは何の席にどんな目的で座っているのかが伝わらない
「旅」「車窓」の2つを入れることで旅行の列車を詠んだ俳句だと伝わる
第1位 窓外を300Km/hで青葉行く (70点)
窓窓300Km/h(時速300Km)の青葉青葉
この発想ができるのは ただものじゃない
「窓外を」「300Km/hで」「青葉行く」 叙述(順を追った書き方)が散文的
非常に勢いのあるおもしろい内容、散文的なところがもったいない
「300キロ」というと距離だけになる、 300Km/h 時速300Kmと読ませる
調べに勢いが出てくる
「時速300キロでの」 「青葉行く青葉」 リフレインする方法
こういう特殊な 強いおもしろい発想の時には
あえて調べを逸脱して300Km/hの迫力に寄せていく
こんな発想をできる人は滅多にいない
そして 、 ワンランク上の 厳しい査定に挑むのはっ!
特待生4級の 東国原英夫さんっ!
新茶踏み鉄の白龍まっしぐら
菖蒲葺く背伸びの空や鯉三つ
相変わらず大胆な、ダイナミックな比喩
すごい、 新幹線を「鉄の白龍」 こういう言い方はできそうでできない
「まっしぐら」 「鉄の白龍」という比喩に対して効果的な言葉
ただの龍ではなく「白」の1字が入ることで
背景となる茶畑のイメージや季節のイメージと色対的
ダイナミックな発想をさせたら右に出る人はなかなかいない
果たして 査定はっ ‥‥‥ ワンランク降格ーっ!
憤りすら感じる!
中七と下五は素晴らしい、許しがたいのが上五
新茶踏み?
新茶というのは夏の季語で、
茶摘みが終わってちゃんと製品になって、さぁいただきましょう
今年のお茶の出来はいかがでしょう あれが新茶
それを踏むということはお茶農家の皆さんに対してもたいへん失礼!
「鉄の白龍」「まっしぐら」 素晴らしい比喩
17音の中に大胆な比喩が入っているのに
「新茶踏み」 小さな擬人化を重ねる
これによって比喩と擬人化が17音の世界の中で お互いに殺し合ってしまう
新茶をバカにして 自分の努力をドブに落とした
歳時記をちゃんともう1回読んで 季語を勉強して出直し!