息をのむ、いい男を見かけて、その男が脳裏から離れない・・・なーーーんて事は、ありそうで、実は、あり得ない。
でも、息をのむ美人って私は忘れられないのだ。
音楽の勉強をしたくて江戸に行った19歳の時、初めての銀座の、とあるホテルのロビーで人を待っていた時。
待ち人が入って来る入り口に、人が入ってくる都度、視線を向けていた私は、その瞬間、目が点になったのを今でも覚えている。
モスグリーンのスーツと共に目に飛び込んで来のは、目の覚めるような美人。
今、美容室から出てきたみたいに綺麗にブローされた髪。それこそ、何年も日を浴びてないような抜けるような白い肌。
「世の中には、こんなに綺麗な女性がいるんだ」
ここが東京だから?京都では見たことの無い、目の覚めるような美人だった。
その人は私の前を通り過ぎ、すぐ後ろの席に「お待たせしました」と座った。
お相手は白髪混じりの派手な紳士。何故か、その時にピンと来た。
その息をのむ女性は「銀座におつとめ」の美女で、その待ち合わせは、一般用語で「同伴出勤」に違いなかった。
私はオマセさんで18歳の時、知り合いの男性に祇園の高級クラブに連れて行って貰った事があった。その時に「ママ」と呼ばれる女性が自分の席に座った時、余りの美しさに呼吸困難に陥ったのを覚えている。
30代そこそこに見えた、そのママは着物が、まるで博多人形のようにツルンと着られ、肌は博多人形以上にキメ細かく、そして透明感に溢れていた。
そこまで綺麗な肌を見たのは生まれて初めてで人間の女性の、肌が、そこまで「清潔」なものだという事にも感動した。
ホステスは、もちろん美しいことは、わかってはいたけれど、それは男用の美しさで相手が女だと殆ど、効力をもたないと勝手に思っていた私は、愕然とした。
OLが一応の義務感で品行方正であろうとする100倍の努力を彼女達はしているのではないだろうか?お金を稼ぐ美しさへの追及心は、並大抵のものではなく、人によっては、この世の者とは思えない美しさになってしまう。
こういう女性には絶対に勝てない。体を張った入魂の美しさには、例え、それが商売用であろうと「オーラ」がしっかり宿っている。あわよくば「カワイイ」なーーーんて言われちゃおうと思っているようなレベルの女には勝てる道理がないのだ。
つづく
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